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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2022】

コロナ禍の功罪

2022-12-30
  新型コロナ・COVID19と称せられるウイルス禍が中国武漢から世界に拡散して3年が経った。今では誰もこれが中国の生物兵器開発の一環から生じたものだとは言わなくなったが、それは今でも有効な仮説であり、ノムは真実だと考えている。その証拠の一つは、中国がその後も隠蔽を重ね、発生源を他のいろいろなものにこじつけて、武漢が発生源であることすら否定してきたからである。中国の欺瞞的言動から考えると、彼らが否定することは真実であると観るべきであろう(20.2.7「中国の生物兵器がコロナウイルス・パンデミックの原因?」・20.4.15「武漢コロナ禍は将来明らかにされる」・21.5.18「武漢コロナはやはり中国の生物兵器であった」)

  それはさておき、コロナ禍をどう見るかという視点でこれを振り返ると、大方は「災い」として受け取っているのが現実であろう。誰一人としてこれを歓迎した者はいなかったし、歓迎した国も無かった(20.5.20「コロナ禍を識者はどう見るか?」)。だがある意味ではノムはそうした大勢の意見の中で、唯一コロナ禍を歓迎した一人なのかもしれない(21.3.13「人類はウイルスと戦争すべきではない」)。なぜコロナ禍を歓迎したかというと、それによって世界が人流の大きな流れを止め、産業は停滞し、化石燃料の使用が少なくとも一時的に抑えられたからである(20.5.8「コロナ禍と日本経済」)。すなわち、コロナ禍は人類の活動を抑制する唯一の要因となったからである。ノムは感染病(かつては「伝染病」と呼んでいた)は自然の摂理から生じているもので、人類はこれを受け入れるべきだと考える(20.3.31「ウイルスの戦略」・21.5.3「自然の摂理」)。だがそのような考え方を理解できる人はほとんどいないようだ。以下では諸々の視点から、コロナ禍の功罪を論じたい。(20.4.1「社会崩壊・世界崩壊の予想 」・20.4.21「コロナに勝利するよりも人間界が変異すべき」・20.5.7「コロナ禍雑感」)

  まずコロナ禍の功罪を箇条書きにしてみる。最初に「罪」を取り上げたい。

1.世界の経済を疲弊させ、政情を混乱させた。それはプーチン戦争の引き金にもなった
2.世界が過剰反応したため医療崩壊をもたらし、対症療法も受けられないまま死んでいった人もいる。
3.コロナ禍発出国である中国に、優位性を誇る切っ掛けを与えた。
4.医療に過剰な投資が行われ、その面ではエネルギー・物資の無駄が生じた。
5.人と人のコミュニケーションが切断され、人間本来の心の交流の手段が一部閉ざされた。

  これらの「悪い影響」について逐一述べていきたい。

1.世界の経済を疲弊させること自体はノムとしてはむしろ喜ばしいことである。それは産業を抑制させることに繋がるからである。だが政情を不安定化し、混乱させたことは、世界に緊張関係をもたらしたことから、明らかに悪い影響であったと言える。それは2年余の後にプーチン戦争となって表れた。それもまだコロナ禍が収束していない最中にである。WHOがパンデミック宣言をした2020年3月11から数えるとほぼ2年後である。プーチンはコロナ禍により原油価格が急速に下がったことで危機感を抱いたのかもしれない。戦争を起こして価格暴騰を狙った可能性は否定できない。事実プーチン戦争以来、コロナ禍が落ち着きを見せて経済再生に動き出した時期でもあったため、石油関連価格は暴騰した。諸物価の値上がりも引き起こし、世界に政情不安を起こしている。

2.世界が新型コロナに過剰反応を見せたのは当然であった。これまでのコロナウイルスなどによる風邪よりも劇症率が高く、死亡率も高かったからである。「新型」に対する恐怖感もあった。だがそれが予告されていた自然界の摂理であることを踏まえれば、過剰反応と言っていいだろう。そのため世情の不安を煽り、医療崩壊をもたらした。呼吸困難という苦しい症状で死んでいった人の悲劇はさらに過剰反応を倍増させた。

3.COVID19の原産地である中国は、事前に生物兵器研究をしていたこともあって、一早くワクチンを開発して世界に誇った。誇っただけではなく、それを「ワクチン外交」と称する政治的武器に使った。さらに国民を閉じ込める都市封鎖を行い、統計を誤魔化してゼロコロナ政策を推し進め、その成果(現在の状況から察するに、実際には感染はじわじわと広がっていたと見られる)を世界に誇り、社会主義の優位性を自画自賛した。

4.マスクや人工呼吸器が不足し、中国はマスクを通常の数倍の値段で売りさばいて儲けた。世界中が医療器具・危機の不足に喘ぎ、大量な生産が行われた。この点についてはエネルギー・物資の無駄を生じたとノムは考える。

5.人と人のコミュニケーションが切断され、国よっては国論に分断が生じるようになった。家族の最後の看取りさえ叶わず、人と人の会話すら憚れるようになった。これは人間文化の喪失に繋がったとノムは考える。

  つぎに「功」を取り上げる。

1.人流が途絶えて鎖国状態が生まれた。これは人流・物流のエネルギー消費を抑える結果をもたらした。
2.産業・商業が停滞し、化石燃料使用が抑制され、CO2排出量が減った。
3.ワクチンが開発され、他の医薬品も進歩した。
4.世界の過剰人口を少しばかりではあるが減らしてくれた。

  これらの「良い影響」についてノムの考えを述べる。

1.世界のエネルギー消費における人の移動による消耗がどの程度の割合を占めるのか、という点について、正確なデータを知らない。だがジェット機で毎日大勢の人が世界を行き来し、鉄道で大量の人々が通勤や旅行をしている現状からして、人流によるエネルギー消費は相当なものであろう(20.4.20「グローバリズムによる災厄」)。それが突如、コロナ禍によって途絶え、国家は出入国を制限して一種の鎖国状態が生まれた。これはノムの未来世界の姿そのものであり、ノムには奇跡が起こったとすら思えた(20.6.6「コロナ禍は未来世界を一部映し出した」)。つまり人間界でやろうと思えばできることであることが証明されたのである。地球温暖化を止めるには、コロナウイルスに手伝ってもらうしかないことも証明された。

2.産業・商業も同様に大きく落ち込んだ。貿易が無くならなかったことから、人流ほど劇的に産業が停止されたわけではないが、ある程度の影響は受けたことは明らかであり、特に旅行業・飲食業は大打撃を受けた。その多くがサービス業や商業であり、工業生産はそれほど落ち込みは顕著ではなかったようである。だがGDPの落ち込みからして、産業・商業全体に甚大な影響をもたらした。これを悪く評価するのは一面的な評価であり、CO2減少という視点から観れば「良い影響」と評価することができる。

3.ワクチンが開発され、ワクチン製造技術に飛躍的進歩が見られたことは朗報とすべきであろう。将来、再び未知のウイルスによるパンデミックが起こった場合にも、適切に対処できる見通しができた。

4.疫病がもたらす人口調節機能が今回もある程度発揮された。全世界での現在の死者累計はおよそ2900万人であるようだが、もしワクチンが無かったらもっと劇的に多くなっていた可能性はある。亡くなった人は不運であったが、これもまた自然の摂理である(20.11.7「運命論」・21.5.3「自然の摂理」)。ノムは地球上の人間の適性人口は20億人であると考えているが、現在はそれを遥かに上回る80億人という過剰人口を抱えている(21.10.29「人口爆発の脅威 」・7.12「世界は人口爆発を脅威と捉えていない」・11.20「世界人口80億人に達する・止まぬ人口爆発」)。ウイルスがそれを減らしてくれるのに役立っていると考えている(20.3.31「ウイルスの戦略」)。だが今回のコロナ禍で、実際には世界人口は減ってはいない。人間側が過剰に反応し、防衛したからである(20.3.31「人のウイルスに対する戦略」・「社会のウイルスに対する戦略」・20.4.5「コロナ禍対策・政策への疑問」)

  以上の功罪の比較の要点は、人間側の都合で評価するか、地球環境から見て評価するか、の違いから評価の違いが生まれているということを意味している。叡智を持つ名の知られた識者らが、後者の視点に立って今回のコロナ禍を評価した例を知らない(3.15「識者・専門家の予想はなぜ外れるのか?」)。彼らは人間側に立った視点しか持ち合わせず、人々に迎合しているのであって、決して真理を語ろうとはしていない。


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