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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2023】

【時事短評】メディアはなぜ中国のプロパガンダに加担するのか!

2023-09-08
  メディアは常日頃、ロシア・中国の真っ赤な嘘を記事にしている。タイトルにそれが載っている場合、視聴読者に対する影響は馬鹿にできないものがある。人間は印象で物事を考えてしまうことが多いからである。タイトルに嘘が書いてあっても、「そうなのか!」と納得してしまうことが多い。あるいはそれが嘘であることが分かっていても、考え方に偏向が生じてしまう。「もしかしたらそうなのかも」という心理が働くからである。最近のニュースの中に、日本の福島原発処理水放出に関する中国の嘘の主張が記事タイトルの中に堂々と載せられていた。新聞やネットニュースをタイトル読みする人の中には、恐らく影響を受ける人もいると思われる。以下に事例を挙げて問題を指摘したい。

  産経新聞は6日付の1面に、「処理水 ASEAN会議で応酬」と題する記事を載せた。その中に、大きな活字で、「首相『中国行動は突出』中国『地球規模の懸念』」と見出しを入れた。これだけを見た人は、「日本が放出を開始した処理水が地球を汚染するのか?」と思ったに違いない。中国の思惑通りの世論操作が成功したことになる。なぜこうした根も葉もない非科学的主張を、タイトルに入れなければならないのか、ノムには全く理解できない。もしノムだったならば、「中国は日本より10倍(?)以上の汚染水を排出」というタイトルをトップに入れるだろう。まず科学的事実を読者に知らせ、その後に日本の主張と中国の主張を並べれば良い。

  ネットでも時事通信社が同様な過ちを犯していた。7日付のネット記事のタイトルは「「子孫に関わる」と懸念表明=関係改善にも言及―中国首相」というものであった。どちらの記事も目を惹きつけるための操作であることは明々白々である。このニュースを見た人は、「子孫に関わる」という文字に引き付けられる。内容は中国の李強首相が日本の岸田文雄首相と立ち話した際のものらしく、そのようなものを記事にすること自体がおかしいのであるが、中国の毛寧報道官の記者会見での発表として取り上げていた。つまり公式の場で李強が話したことではないのである。ノムだったら「中国首相が懸念表明」と簡単なタイトルを付けるだろう。それでは読者の目を惹きつけることができないことは分かっている。だが客観的で正しい報道を心がけるならば、読者に媚びる・おもねることはしないのが肝要である(20.7.19「メディア不信が募る」・20.9.20「メディアを糾弾する」・20.12.4「メディアの収入構造が明らかに」・21.5.18「メディアは利益優先に毒されている」・22.7.14「メディアはなぜ悪に加担するのか?」・22.7.19「メディアの役割と責任」・22.9.21「社会にとって有害なメディア報道」・22.10.10「メディアに要望する」)

  時事通信社が7日にネット上に出した記事はもっと悪質かもしれない。タイトルを「サウジ、処理水放出に理解」としているが、記事の中ではファイサル外相が「日本の取り組みを完全に信頼している」と表明したと書いている。「理解」と「信頼」は全く異なる用語である。政治的に賛同できない場合でも、同盟国などの間では「理解」という用語が使われることがある。相手国の面子を潰さないためである。だが「信頼」という言葉を使った場合は、理解をさらに上回っている。つまり時事通信社は日本に対するサウジの信頼を誤って伝えていることになる。ノムはこの記事を取り上げる際、タイトルを「サウジも日本の処理水放出を完全信頼」とした。これならば記事内容と矛盾しない。時事通信社は日本を貶めようとでもしているのであろうか?

  なお、蛇足になるが、楽天のインフォシークニュースは最近、やたら広告表示を増やし、記事を読むことすら困難になってきている。記事と完全にダブル広告を表示するようになった。その都度「×」をクリックして消さなければ記事が読めない。さらに記事の途中にも広告が入るようになった。記事が分断されてしまったのである。もう記事はここで終わりかと思いきや、広告の下にまだ続く。うっかり続きを読み損ねてしまうことがある。さらに最近、「中国 禁片」という怪しげな広告がここに入るようになった。ノムは広告は一切無視して見ないことにしているが、やたら大きい活字で「中国」が出てくると、不気味な感じがする。これも内容を見ていないので中身は分からない。他にニュースサイトがないかと探しているが、NHKニュースは「です・ます」調なので文章を書き換える必要があり、滅多に引用はしていない。

(9.8起案・9.9起筆・終筆・掲載)


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