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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

台湾

2022年3月

2022年3月31日:「今日のポーランドは明日の日本」になる可能性/(東洋経済オンライン:山本勝也:防衛省防衛研究所 教育部長) ロシアのウクライナ侵攻によって、次は「中国による台湾への武力行使」を懸念する声が高まっている。日本が想定しておくべきことは何か。中国防衛駐在官(駐在武官)も務めた、自衛隊きっての中国ウォッチャー山本勝也(防衛省防衛研究所・教育部長)が解説する。ロシア自身も共同提案国に名を連ねていた「オリンピック・パラリンピック休戦」国連決議を無視したロシアが、北京パラリンピックの開幕を直前に控えた2月24日に隣国ウクライナに対する「特別軍事作戦」という名の武力侵攻を開始してすでに1ヵ月が経過した。3月2日には国連緊急特別総会が開かれ、ロシアを非難し、ウクライナからの無条件での即時撤退を求める決議が、140ヵ国を超える賛成多数で採択された。プーチンは不可分な同一民族であるという論文を書いておきながら、その同一民族に対して無慈悲な攻撃を加えている。ロシアへの再統合やウクライナのロシア化を望むウクライナ人はほとんどいない。中国も台湾を「不可分かつ同一の民族である」と主張してきた。単に領土を奪って中共政権に一体化するために、台湾の人々を殺そうとしている。2005年には「反国家分裂法」を制定して国内法としての武力行使を正当化した。台湾への武力侵攻が現実のものとなれば、多くの台湾市民に被害が生じることに疑う余地はない。ロシアと同様に無差別殺戮を行うことも自明の理だ。ウクライナがロシア・旧ソ連から分離独立(1991年)してからわずか30年だが、台湾が清帝国から分離(1895年)してから127年、蔣介石国民党政権による中国共産党政権とは異なる政治体制(1949年)となってから73年が過ぎている。現在、台湾の人々の圧倒的多数は現状維持を望んでいる。昨年夏に行われた世論調査では「台湾人の共産党への感情は氷点下」との指摘もある。そもそも中国軍は「人民解放軍」と自称している。それが人民殺戮軍となるのを是認するのだろうか。しかし、中国共産党の指導下にある中国大陸では、人民は必ずしも中国人を意味するものではなく、peopleも必ずしも「(中国の)人々」を表す言葉ではない。この点を誤解したまま台湾問題を論じると理解にギャップが生じかねない。中華人民共和国の国籍を持つ人々に対し、国内法上は「公民(citizen)」という言葉が用いられている。「人民」はもっぱら中国共産党によって用いられる政治的な用語であり、一般的には「中国共産党の政治体制を支持する人々」を指し、必ずしも中国国籍を持つすべての「公民」を対象とするものではない。中国でいう「人民の敵」とは、国共内戦当時の国民党勢力のことを指し、それは台湾にも適用されている。習近平・共産党総書記や中国共産党指導者の発言や文書において、彼らが台湾の人々を「同胞」や「同じ民族」と呼ぶことはあっても「人民」と呼びかけたものを目に、耳にしたことは残念ながら、ない。中国が巧みに使い分けていることに留意するべきだろう。中国共産党政権に反対する者、人民解放軍に抵抗する者は、たとえ同じ中国人であっても「人民の敵」である。もし、中国による台湾侵攻が生じた場合、今回のウクライナ市民がとった行動と同様に、多くの台湾の市民が武力侵攻に抵抗するだろうし、老人や女性、子どもなど抵抗するすべのない人々、中国共産党による統治を受け入れられない人々は台湾を脱出せざるをえなくなる。ウクライナと異なり、周囲を海に囲まれた台湾からの脱出は、空路と海路に限られる。民間航空便が閉ざされれば、船で海に逃げ出すしかない。台湾から海に出て、海流に乗ればすぐに与那国島から始まる日本列島であり、日本は台湾の人々にとって歴史的にも近い国である。最近の世論調査では、「最も好きな国・地域」「最も親しくすべき国・地域」のいずれにおいても、アメリカや中国に比して日本を挙げる台湾人の数がつねに圧倒しており、日本に対する信頼感も高い。多くの台湾からの避難民が日本を目指すことになるだろう。「今日のウクライナは明日の台湾」と評する議論があるが、「今日のポーランドは明日の日本」にならないとは限らない。 良い論評であるが、考えが甘い。日本は今日のウクライナになりかねないからである。


2022年3月23日:台湾が男性の軍事訓練期間延長を検討/(読売新聞) 台湾民意基金会が3月中旬に実施した世論調査では、期間を1年間に延長することに76%が賛意を示した。訓練を受ける年代の20〜24歳に限っても、56%が賛成した。基金会の游盈隆ヨウインロン会長は「ロシアの侵攻が台湾社会に与えた衝撃の結果といえる」と分析する。台湾は、2012年に徴兵制(1年間)から志願兵制への移行を決め、2018年末に徴兵制を事実上取りやめた。軍事訓練は国民のうち18〜36歳の男性が対象となっている。蔡英文ツァイインウェン政権は2022年1月、国防部に「全民防衛動員署」を設け、有事の動員計画の策定も進めている。予備役の訓練も、今月から実戦的な内容とし、期間を14日間に延長している。 日本も同様の国民動員法を制定すべきである。(1.13「防衛の考え方・2.28「防衛強国への道」」)


2022年3月23日:世界の自由度調査結果・台湾は2位/(NEWSポストセブン) 世界規模で自由を守るために活動する国際非政府組織(NGO)「フリーダムハウス」(本部・米国)はこのほど、「2022年の世界の自由」レポートを発表し、世界的な規模では「市民の権利と自由は16年連続で低下している」と指摘している。アジアでは 台湾が100点満点中の94点で、日本に次いで2位となったのに対して、中国はわずか9点で「非自由国」に分類された。また、中国の特別行政区である香港は43点で「一部自由国」に格下げされている。同レポートによると、60ヵ国の自由度が前年よりも下がっており、自由度が上がったのは25ヵ国にとどまった。世界人口の約38%が「非自由国」に属しており、この割合は1997年以降で最も高くなっている。一方、自由な国に住んでいるのは、人口の20%程度だという。中国やロシアなどの権威主義的な国家が国際システムの中で巨大な力を得ている一方で、自由主義国が挑戦を受け、自由度が損なわれているとして、フリーダムハウスは「世界の民主主義擁護者の団結のみが、敵対者の複合的な侵略にうまく対抗できる」と強調している。中国や台湾、香港について、個別にみると、まず中国では「中国共産党が権威主義を推進する上で主導的な役割を果たす一方、その膨大な経済的影響力と軍事的脅威を利用して、他の政府や国際機関、民間企業に圧力をかけている」と分析している。習近平国家主席ら最高幹部が「新疆ウイグル自治区の少数民族に対する大規模な人道に反する罪と虐殺に関与していることを示す新たな証拠が示された」とも指摘している。このため、中国は評点で、「政治的権利」はマイナス2点、「市民的自由」で11点にとどまり、合計9点と、昨年の報告書と同じポイントで、アジアでは最下位だった。一方、日本は100点満点で1位となり、2位の台湾は「政治的権利」が40点満点中38点、「市民的自由」が60点満点中56点と昨年と同じ94点を獲得し、引き続き 常に「自由な国」に位置づけられている。中国による政治的な圧力が増している香港については、今回は「政治的権利」が10点、「市民的自由」は33点と合計43点となり、昨年の52点より9点マイナスで、非自由度が増している状況となっている。


2022年3月21日:台湾はウクライナの戦法に学ぶ/(ノム通信・Record China参考)ロシアによるウクライナ侵攻を受け、台湾の軍事専門家が中国の脅威を現実に移した場合の戦術を研究している、と米誌ニューズウィークが報じた。台湾は海に囲まれており、安心感につながっている。例えば、ウクライナはロシアと長い陸上国境で接しているが、台湾と中国との間には台湾海峡がある。専門家は台湾が中国の軍事的な動きの兆候を容易に察知でき、必要な数十万の兵士と船舶などの設備の動員は侵攻の前に備えることが可能とみている。国防安全研究院のアソシエートリサーチフェローの蘇紫雲氏は、台湾に上陸するには台湾海峡を渡る必要があり、中国にとって「はるかに高いリスクだ」と述べた。台湾の蔡英文総統は中国との戦力格差を踏まえて「非対称戦争」を提唱。車両搭載型ミサイルなどで軍の機動性を高め、攻撃を困難にすることを目指している。台湾国防大学の中共軍事事務研究所の馬振坤所長は、ウクライナも同じ考えで機動兵器を使ってロシア軍を妨害したと指摘。「ウクライナ軍は非対称戦法をフル活用してロシアの進攻を食い止めている」と述べ、「ウクライナ軍の実績からわれわれはさらに自信を持つことができる」とした。


2022年3月18日:台湾の意識調査で「最も好きな国」は日本で60%(産経ニュース)日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会は18日、台湾人を対象にした対日意識の世論調査結果を公表し、「台湾を除いて最も好きな国」として日本を選んだ人が3年前の前回調査から1ポイント増の60%でトップとなり、過去最高を更新した。「台湾が最も親しくすべき国」との質問でも、日本が46%で1位、米国は2位で24%、中国は3位で15%だった。前回調査では日本37%・中国31%・米国15%の順番だった。


2022年3月17日:台湾・蔡英文総統から地震見舞のツイート/(Record China)16日の福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震に対し、その翌17日、台湾の蔡英文総統がツイッター上に、見舞いの言葉を投稿し、反響を呼んでいる。日台の深い友情がまた確証された。蔡は心のある指導者だ。


2022年3月10日:南シナ海で中国軍機墜落・原因不明/台湾当局は10日、南シナ海で3月上旬に中国軍機が墜落していたことを明らかにした。中央通信によると、墜落したのは対潜哨戒機「運(Y)8」1機という情報があるという。中国海事局は、1〜2日と4〜15日に海南省三亜の南西海域などで、軍事訓練を理由に航行禁止区域を設けていた。(読売新聞) まさか軍事訓練で自軍哨戒機を撃墜したのだろうか?


2022年3月10日:台湾はウクライナ戦争から学ぶ/台湾国防部(国防省)の邱国正・部長は10日、台湾と中国の間で戦争が起きた場合、どちらが勝利したとしても「悲惨な勝利」になるだろうと述べた。「戦争になれば、勝者でさえ、誰もが惨めになるだろう」と述べ、「誰もが戦争を避けるべきだ」と強調した。ウクライナは敵の規模のほうが大きいという不利な条件で、事実上、ロシア軍の戦闘活動を遅らせているとし、台湾軍は国土の戦闘を活用できているウクライナの事例を「参考」にしており、すでに「非対称戦力」を計画に組み入れていると述べた。台湾の蔡英文総統は、車載ミサイルなどを利用して軍の機動性を高め、攻撃を受けにくくする「非対称戦力」の構想を提唱している。非対称戦は軍の規模が圧倒的に異なる場合を指し、一般にはテロやゲリラ戦という言葉で認識される場合が多い。(ロイター) ノムの考えと同じである。日本も中国を相手にした場合、核兵器を持っていない以上、非対称戦にならざるを得ない。(2.28「防衛強国への道 」・3.6「現代の戦争における国民の在り方 」)


2022年3月2日:台湾の蔡英文総統がウクライナに給与1ヵ月分を供与/台湾の蔡英文総統は2日、ウクライナへの人道支援のため、1ヵ月分の給与を寄付するとの意向を明らかにした。総統のほか、頼清徳副総統と、蘇貞昌行政院長(首相)も、それぞれ月給相当を寄付するという。中国からの脅威を日々意識している台湾市民の間では、ロシアに侵攻されたウクライナへの同情が広がっている。総統は、民主進歩党の会合で、ウクライナの人々の決意は世界と台湾市民を動かしたと述べた上で「世界の民主主義パートナーの一員として、われわれはウクライナを全面的に支援する」と表明した。台湾は今週、ウクライナ支援第1弾として、27トンの医療物資を送っている。関係者がロイターに述べたところによると、蔡氏の総統としての給与は月額40万台湾ドル(約164万円)程度だという。(ロイター) たとえ政治的な意図があるにしても良いアピールであり、台湾の国民を勇気づけるものである。


2022年3月1日:台湾に米代表到着/バイデン米大統領が派遣したマレン元統合参謀本部議長ら元政府高官が1日、台湾を訪問した。代表団は2日午前に蔡英文総統と会談する。中国の軍事的圧力を受ける台湾では、ロシアによるウクライナ侵攻の余波を懸念する声も上がっており、平和の維持に向けた米国の積極的な関与姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。代表団はマレンのほか、元国防次官(政策担当)のフロノイ、元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長のグリーンとメデイロス、元大統領副補佐官(国家安全保障担当)のオサリバンら。いずれも米政権の中枢で国防・安全保障政策を担った経験を持つ超党派の元高官だ。蘇貞昌・行政院長(首相)は1日、代表団の訪台について「台米関係の重要性と、米国がこの地域の平和を重視し台湾を支持する強固な姿勢を示している」と歓迎の意を表した。2日夜には蔡総統との宴席が予定されている。(時事通信)


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