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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

生態系関連

2022年9月ー11月

2022年11月29日:NY市が精神疾患のホームレスを強制入院の方針/(AFP時事) 米ニューヨーク市のエリック・アダムズ市長は29日、通りや地下鉄で暮らす精神疾患のあるホームレスを強制的に入院させる方針を明らかにした。市長が進める犯罪撲滅対策の一環。元警察官のアダムズは「重度の精神疾患が原因で、家を失い、自らを危険な状況に置いている人がいるならば、必要な治療とケアを受けられるよう支援する道徳的な責任がわれわれにはある」と説明した。精神疾患があると診断されたホームレスについて、警察や医師、ソーシャルワーカーが介入し、必要に応じて強制的に入院させることを認める法案が、来年審議される予定。アダムズは「その人物が暴力を振るったり、自殺願望があったり、他者に危害を加えたりといったリスクがない限り、強制的な支援はできないという、よくある勘違いが根強く残っている」と指摘。「このような通説はなくさなければならない」と訴えた。アダムズは2022年1月の就任直後、地下鉄に多数のホームレスが暮らす問題を解決すると約束していた。以前には、アジア系米国人女性が、精神疾患のあるホームレスの男にホームから突き落とされ、電車と衝突して死亡する事件が起きている。この男のことは警察や病院関係者に知られていたという。


2022年11月29日:米国上院が同性婚の権利を擁護する法案可決/(ロイター) 米上院は29日、同性婚の権利を連邦レベルで擁護する法案を可決した。連邦最高裁が同性婚を憲法上の権利と認めた2015年の判決を覆す可能性が懸念される中で権利保護の法制化に動いた。法案は、同性カップルの結婚が成立した州で同性婚が合法であれば、連邦政府もそれを認める義務があると定めた。最高裁が同性婚の権利を認めない判断を下した場合に、影響を最小限に抑える狙いがある。ただ、そのような最高裁判断が出た場合に、州当局が同性婚を禁止するのを阻止する規定はない。採決結果は賛成61、反対36で、可決ラインの60に届いた。共和党から12人が賛成に回った。民主党議員1人と共和議員2人が採決を欠席した。


2022年11月29日:シンガポールが男性の同性愛行為を合法化・結婚は異性間に限定/(共同通信) シンガポール国会は29日、男性同士の性行為を違法とする刑法の条項撤廃案を可決した。政府は国際的な批判に配慮するとともに、優秀な人材を引きつける国家戦略に必要と撤廃の準備をしていた。刑法の条項は1930年代の英国植民地時代に導入、男性同士の同性愛行為などを禁じていた。ただ同条項は長く適用されていなかった。一方、同時に可決された憲法改正案では結婚を男女間のものとして国会は結婚制度を保護する必要があると定めた。


2022年11月29日:タイの寺院の僧侶が全員覚醒剤で陽性・還俗で寺が無人に/(AFP=時事) タイ中部の仏教寺院で、僧侶全員が薬物検査で陽性となり還俗したため、寺が無人となっている。地元当局が29日、明らかにした。僧侶がいなくなったのは、中部ペッチャブーン県ブンサームパン地区の寺院。住職を含む僧侶4人が28日、覚醒剤メタンフェタミンの検査で陽性反応を示した。僧侶らは、薬物依存のリハビリ施設に送られたという。


2022年11月23日:「思春期早発症」で生後9ヵ月の女児に初潮/(TechinsightJapan) 今から2年前、生後9ヵ月だった女児のオムツが真っ赤に染まっていることに気付いた母親は驚き、慌てて病院に飛び込んだ。その後の検査で女児は「思春期早発症」という診断を下された。思春期早発症とは、性ホルモンが早期に分泌され、通常よりも早く思春期が始まってしまう病気で、現在2歳の女児は外見は年相応で、はまだ乳房が膨らんだり陰毛が生えたりはしていないものの、不定期に月経がある。治療方法としてはホルモン注射があるという。


2022年11月22日:世界の死因の第2位は細菌感染症/(AFP時事) 世界的統計では死因の第1位は循環器系疾患であるが、このほど細菌感染症による世界的集計が初めてまとめられ、死因第2位になることが確定した。2019年には、これらの病原体による感染症が全死亡者の13.6%に当たる770万人の死因だったことが分かった。死因としては、心臓発作など虚血性心疾患に次ぐ割合を占めた。同年には、新型コロナウイルスはまだ本格的に流行していなかった。


2022年11月22日:2つの腎臓を勝手に摘出されたインドの女性が人工透析/(TechinsightJapan) インドのある女性が9月、医師によって無断で両方の腎臓を摘出され、命が危ぶまれる状態に陥った。女性は子宮の摘出手術を受けることになり医師に身を委ねたが、子宮ではなく腎臓を摘出されてしまったという。インドのビハール州ムザファルプール地区にある診療所の経営者パワン・クマールが現地時間16日、地元に住むスニタ・デヴィさん(30歳、報道により38歳とも)の腎臓を本人の許可に無しに摘出した容疑で逮捕された。デヴィは今年9月に腹痛のためパワンの診療所を訪れ、9月3日に子宮の摘出手術を受けることになった。ところが手術後にデヴィの体調が悪化し、9月7日に家族に連れられて同地区にある大学病院を訪れた。そこでスニタさんは驚愕の事実を知ることとなった。検査の結果、彼女は子宮ではなく両方の腎臓が摘出されていることを医師から告げられ、この時初めてパワンの診療所で自分の腎臓を奪われたことに気づいた。女性の摘出された腎臓は夫が他の腎臓移植希望者に売ってしまったという。後の警察の調査で、パワンのクリニックは無許可で営業し、きちんとした手術台すら設けていなかったことが明らかになった。またパワンの指名によりデヴィの手術を執刀したアールケー・シンは、医師免許証を偽造して無資格だったことが判明しており、今も行方がつかめないままだという。スニタさんは現在も病院に入院しており、人工透析治療を受け続けなければならないそうだ。腎臓移植希望登録の申請手続きを行っているが、一刻も早く移植手術が必要な状態という。腎臓を奪われたデヴィは、パワンとアールケーに自らの腎臓を提供するように求めている。


2022年11月20日:91歳女性の腕に7cmの皮角が生える・世界的に稀な異常/台湾中西部の彰化県芳苑郷に住む91歳のおばあちゃんの右腕に長さ約7センチ、幅4センチの角が生え、医師や家族らを仰天させた。角は手術によって無事除去された。これは硬タンパク質の一種であるケラチンで形成される角質が異常に増殖して厚みを増すもので、ほとんどの場合は局所性で良性である。おばあちゃんの場合、何度も右腕に同じような皮角が出来てはポロリと落ちていたそうだ。今回はそれが異常に大きくなり、ついに切除手術に踏み切った。過去には、中国人の女性のおでこや男性の耳、男性の性器の先、また2019年にはインドで、頭に皮角が生えた例もあるという。


2022年11月20日:フィリピンで80億人目の赤ちゃん誕生・人口増止まらず/国連が「世界人口は80億人に到達する」と宣言した当日、フィリピンで80億人目の少女が誕生した。世界の人口は今後も増加の一途をたどると考えられており、人々からは悲観的な声が上がっている。国連の経済社会局とUNFPA(国連人口基金)は、人類が1804年に最初の10億人を達成するのに30万年かかったのに比べ、70億人から80億人に急増するのにはわずか12年しか要していないことも報告した。2080年代には約104億人に達する可能性があるとしている。


2022年11月13日:世界人口が15日に80億人に到達の見通し/(AFP時事) 国連の報告書によると、世界の人口は15日に80億人に達する見通しだ。増加ペースは鈍化するものの向こう数十年にわたり増え続けるが、地域間の人口動態格差は広がると予想されている。1950年時点の世界人口は25億人だったが、それから3倍以上に増えたことになる。国連人口基金(UNFPA)は、増加率は1960年代初めにピークに達した後、大幅に低下しているとしている。年間増加率は1962~1965年は2.1%だったが、2020年には1%を下回った。出生率の持続的な低下に伴い、2050年には0.5%前後に落ち込む可能性もあるとみられる。2080年代に約104億人のピークに達すると予想している。米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)が2020年に公表した報告書では、世界人口は2064年に100億人に到達しないままピークアウトし、2100年には88億人に減少するとしている。1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は2021年時点で平均2.3だった。1950年の約5を大幅に下回っており、2050年には2.1にまで低下すると予想されている。人口を維持するには合計特殊出生率が約2.1以上でなければならないとされる。UNFPAのスノー氏は、大半の国がその水準を下回る段階に入っていると指摘した。出生率の低下も相まって、65歳以上が全人口に占める割合は2022年の10%から、2050年には16%に拡大すると予測されている。2050年までの人口増加分の半分超は、わずか8ヵ国によってもたらされる見通し。コンゴ共和国・エジプト・エチオピア・インド・ナイジェリア・パキスタン・フィリピン・タンザニアだ。平均年齢の地域間格差は著しく、現在、欧州では41.7歳だが、サブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)では17.6歳にとどまっている。人口1位の中国と2位のインドの立場は2023年初めにも逆転する見込みだ。中国の人口は現在14億人だが、今後減少に転じ、2050年には13億人になると予想されている。今世紀末までには8億人にまで減りそうだ。一方、インドの人口は2023年に中国を上回った後、2050年には17億人に達する見通し。ただ、合計特殊出生率は2.1をすでに下回っている。


2022年11月13日:経済危機のレバノンでコレラ流行・背景に深刻な水問題/(ロイター)  レバノン北部の難民キャンプでは、水道が止まるのは日常茶飯事だ。広範囲の停電によってポンプ場や浄水場が停止したため配水システムが作動せず、清潔な水道水の配給が滞っているという。そして住民は水道水ですら「不衛生」だと不信感を持っており、ボトル水の方を信頼している。だが、水道が出なくなってもボトル入りの水を買うことがもはやできない。経済危機が難民を襲っているからだ。「水道水がない時は、近くの池に頼っている」という。経済危機で苦しむレバノンに、コレラがさらなる悲劇をもたらしつつある。人口600万人のレバノンでは、10月以降わずか1ヵ月のうちにコレラの感染が国中に拡大し、同国保健省が発表した最新のデータによれば2000人近くが罹患、17人が死亡した。11年にわたるシリア内戦でレバノンに避難している約150万人のシリア難民への敵対心が増大する恐れもあるという。レバノンは11月初旬、第1回目のコレラワクチン配給をWHOから受け取った。


2022年11月12日:ベネズエラでアフリカマイマイが異常繁殖・人への健康と農作物食害に懸念/(ノム通信/AFP時事参考) 南米ベネズエラでアフリカ原産の巨大カタツムリが異常繁殖し、人への健康被害が懸念されている。長雨の影響で繁殖に拍車が掛かっているとされる。問題となっているのは通常、サハラ砂漠以南に生息するカタツムリ、アフリカマイマイ。最初にコロニーが発見されたのは11月初旬、西部スリア州のマラカイボ湖畔だった。以降、周辺の農地や隣のタチラ州でも見つかっている。スリア州の州都マラカイボのラファエル・ラミレス市長はAFPに対し、「何ヵ所かでは1日当たり350~400匹のカタツムリ」が捕獲されており、当局が対策に乗り出していると述べた。アフリカマイマイは2週間ごとに最大600個の卵を生む繁殖力の強さに加え、寿命も平均6年と比較的長いことから、侵略的外来種とみなされている。また農作物に被害を与えるだけでなく、人に髄膜炎や脳炎、腸炎を引き起こす寄生虫を媒介することがある。日本の南の島にも持ち込まれ、駆除しているがまだ存在する。フランスではエスカルゴが絶滅寸前となり、アフリカマイマイが代用品として用いられているという。日本ではインドネシア産の業務用缶詰が多く流通している。


2022年11月8日:南アで90件のレイプなど146件で有罪・量刑は12月初め/(AFP時事) 南アフリカで8日、9歳の少女への暴行を含む90件のレイプを犯した男に有罪判決が下された。国中を震撼させる事件となっている。男はヌコシナティ・パカティ(38)被告で、2012~21年に最大都市ヨハネスブルク東郊のエクルレニもしくはその周辺で一連の犯行に及んだ。国家検察庁(NPA)によると、被害者は9~44歳で、登下校中の少女ら若年層が大半だった。NPAは「被告は湯沸かし器など家電の修理に来た電気技師を装い、被害者をレイプした。一度に複数を次々に襲い、その様子を見ているよう強制した事案もある」としている。NPAによれば、被告は2021年3月、被害者宅に戻ろうとしたところを逮捕された。警察官に足を銃で撃たれ、切断を余儀なくされたという。被告は先週、レイプや誘拐など計148件の訴因について有罪を認めた。ヨハネスブルク近郊のパームリッジの裁判所はこの日、90件のレイプなど計146件について有罪と判断した。量刑は12月初めに言い渡される予定。


2022年11月6日:バビロン遺跡を守るための古代の知恵/(ロイター) シュメールの地母神を祭るニンマク神殿では、イラクの考古学者たちが7000年も前にさかのぼる技術を駆使している。同神殿をはじめ、復元された古代都市バビロンの遺跡に塩分が浸透し、内部から破壊されるのを防ぐためだ。ユネスコ世界遺産に指定されたバビロン遺跡の修復には、塩分を除去して慎重に作られた日干しれんがを用いる。遺跡を侵食しているのは塩分濃度が上昇しつつある地下水の浸透であり、これは気候変動に対して脆弱なイラクで生じている長期の干ばつや土壌侵食に伴う問題だ。イラク国家考古遺産委員会に名を連ねる考古学者のアマル・アルタイーは「塩分を含む地下水が最大の敵だ」と語る。塩分の浸透・異常高温・洪水・土壌侵食など、部分的にせよ気候変動と関連している問題は、イラクだけでなく世界共通の問題だ。アルタイ―は塩分濃度の低い土壌を探し、さらに土壌を洗い、砂・砂利・ワラ・水を加えて大きな円形に整え、1ヵ月放置して発酵させる。このプロセスで残留する塩分が外縁部へと押し出され、ふち飾りのように白い結晶が形成される。この塩の塊を削り取ったあと、残った泥をレンガの形に整える。新たな日干しれんがに含まれる塩分の量は、このプロセス全体で約4分の3まで低下する、とアルタイーは説明する。数日間木陰に積んで空気にさらした後、1ヵ月にわたって日光に当てて乾燥させ、ようやく使用できるようになるという。 余りに古代の手法に拘っても効果は小さいようだ。古代の遺跡よりも現在住んでいる人の暮らしを守る方が先だろう。


2022年11月3日:ペルー先住民が河川汚染に抗議して観光船の観光客100人超を一時監禁/(共同通信)(11.6記) ペルー北東部ロレト州のアマゾン川支流流域に住む先住民が6日までに、外国人観光客約20人を含む100人超を24時間以上、船内に監禁した。河川への石油流出に政府が適切な対応を取らないことへの抗議だという。現地メディアが報じた。邦人はいなかった。先住民は3日、欧米からの観光客らが乗った複数の船に乗客乗員を監禁した。4日に乗客は無事に解放されたが、乗客のペルー人は「食料も水もなく状況は悪かった。(先住民は)政府が問題を解決しなければ8日間監禁すると脅した」と話した。監禁された人の中には妊婦や乳児、老人もいた。


2022年10月30日:広州の南沙湿地で約10年振りにカワウソ確認/(Record China) 広東省広州南沙湿地で最近、中国で国家二級保護動物に指定されているユーラシアカワウソが確認されたというニュースが飛び込んできた。同地でカワウソが確認されるのは実に約10年ぶりのことだ。中央テレビニュースが報じた。カワウソは頂点捕食者であり、湿地の環境が良好であることを示す重要な指標生物とされている。


2022年10月28日:「世界一汚い男」が、体洗った数ヵ月後に94歳で死亡・汚水を飲み喫煙しまくり人生/(よろずニュース) 「世界一汚い人間」とされた男性が死去した。数十年ぶりに身体を洗った数ヵ月後に帰らぬ人となった。イランのファールス地方に住んでいたアモウ・ハジさんは病気になることを恐れ石鹸と水で洗うことを拒否して67年。同じ村に住む人々が洗浄を薦めるもかたくなに拒否していたが、ついに数ヵ月前身体を洗うことを決行していた。しかし、その後病気になり23日に94歳で旅立ったと、地元メディアは伝えている。身体を洗わず、道路ではねられ死んだヤマアラシを調理せず食べたり、さびたオイル缶から汚水を飲むなどしていたハジさんだが、健康を維持していたそうだ。さらにハジさんは、動物の糞を古いパイプで吸ったり、4本のタバコを同時に吸うなどしていた。多くの科学者らがその生活や身体への影響に興味を示していた。そしてハジさんの身体の中に生の肉に含まれる旋毛虫以外にバクテリアや寄生虫がないことが判明、驚愕の事態となっていた。


2022年9月26日:カナダの人口に占める移民比率が最高に/(ロイター) カナダ統計局が26日発表した国勢調査によると、同国の人口に占める移民の割合が150年の同国史上最高に達するとともに、主要7ヵ国(G7)中最高となった。2021年時点の移民比率は23%。統計局は、2041年までに29-34%に上昇するとの予想を示した。政府は今年、新たに43万人超の永住者を受け入れる予定で、これは2021年に過去最高となった40万1000人を7.4%上回るペースとなる。今後の移民受け入れ計画は、来週発表される。最近のカナダ移民出身国は、インド・フィリピン・中国が順に上位3位までを占めている。カナダでは高齢化が進んでおり、移民が人口増加の中核と経済の原動力を担っている。2016-2021年にはカナダ労働人口の伸びの80%を移民が占めた。一方、移民の失業率は非移民に比べて依然高く、所得が低いことが統計で示されている。


2022年10月14日:世界遺産のイースター島のモアイ像が野焼きによる山火事で損傷/(共同通信) 南米チリ領イースター島の山火事で多くのモアイ像に損害が出たことについて、同島ラパヌイのペドロ・エドムンズ市長は、新型コロナウイルス流行による規制で観光収入が途絶え、国立公園管理のための監視活動ができなくなったことが原因だと述べた。14日までに共同通信に語った。エドムンズは島東部のラノララクにあるモアイ像416体のうち20%は「修復不可能だろう」と述べた。山火事は今月7日までの数日で100ヘクタール以上を焼いた。ボリッチ大統領は組織的な野焼きが原因だとしていた。島のラパヌイ国立公園はユネスコの世界遺産に登録されている。


2022年10月14日:トルコが「偽ニュース規制法」可決・最大3年の禁固刑・言論弾圧の拡大か?/(共同通信) トルコ国会は13日、与党が提出した「偽ニュース」規制法案を賛成多数で可決した。最大で禁錮3年の刑罰を規定した。野党は来年6月の大統領選を見据えたエルドアン政権の「検閲」だと法案に反対した。表現の自由の侵害につながりかねないと批判の声も上がる。2016年のクーデター未遂後、政権は言論統制を強め、大手新聞・テレビの大半を掌握したが、インターネットメディアでは批判的な報道が続く。新法はネットメディアの規制強化が狙いとの見方が出ている。新法は現行の「報道法」を改正した形で、従来の刊行物だけでなくニュースサイトも規制の対象と明記した。


2022年10月14日:米で17人の犠牲者を出した銃乱射事件の当時20歳の犯人に終身刑の陪審判断/(時事通信) 米フロリダ州パークランドの高校で2018年2月、生徒ら17人が殺害された銃乱射事件で、同州の裁判所の陪審は13日、第1級殺人罪などに問われた同校の元生徒ニコラス・クルーズ被告(24)に対し、仮釈放なしの終身刑を言い渡すよう判事に勧告した。米メディアが伝えた。クルーズ被告は2021年10月に罪を認めており、死刑が宣告されるかが焦点だった。フロリダ州では判事が陪審の決定を覆すことは認められておらず、遺族からは「司法の茶番だ」などと怒りの声が上がった。正式な判決言い渡しは、11月1日に行われる。  犯行を認めたのが遅すぎる。当然死刑に該当すると考えるべきだが、未来世界では「人間界追放刑」となる。


2022年10月11日:ロシアから尋常でない方法での脱出者も/(東スポWeb) ロシア人は徴兵を逃れるため、何十万人もが国外に脱出したとされる。旅客機で海外へ、車や徒歩でキルギスタン、ベラルーシ、ジョージアなどの隣国へと逃亡。ロシア当局が予備役の出国制限を課したとの情報もあり、受け入れ側も拒否し、国境通過はどんどん困難になっているという。そのような中、尋常ではない方法で脱出した人もいる。9月下旬に8人のロシア人が、ロシア東部の都市ウラジオストクから、北朝鮮の海域を通過し、5日かけてボートで韓国に渡ったという。また27歳の男性は、モスクワの北に2000キロの北極圏にある都市ムルマンスクから、凍てつく240キロもの距離を中古自転車をこいで、ノルウェーの町キルケネスにたどり着いた。彼は戦争が始まる前までトライアスロンのトレーニングをしていたという。彼は「そのトレーニングがこんなことに役立つとは思いませんでした」と語った。


2022年10月9日:ケニアで干ばつにより野性動物が餓死/(AFP時事) ケニア南部カジアド郡キマナ保護区などを含むアンボセリ生態系では、キリンやシマウマなど、多くの動物が干ばつで餓死している。今年に入ってから降水量が通常の15%しかない地域もあり、餓死する動物はさらに増えるとみられている。


2022年10月6日:シンガポール当局が南アフリカから到着の乗客荷物からサイの角没収・1.2億円相当/(AFP時事) シンガポール当局は5日、南アフリカから到着した乗客の荷物から、83万ドル(約1億2000万円)相当のサイの角を押収したと明らかにした。同国でのサイの角の押収事案としては最大規模だという。国立公園局によると、シンガポール(チャンギ)国際空港で4日、二つのカバンに重さ計34キロのサイの角20本が入っているのを探知犬が見つけた。乗客は逮捕された。ラオスに向かう予定だった。


2022年10月6日:タイの保育施設を元警官が襲撃・35人死亡/(AFP時事) タイ東北地方ノーンブアランプー県で6日、銃や刃物で武装した元警察官の男が保育施設を襲撃し、子ども23人を含む35人が死亡、さらに12人が負傷した。事件は午後0時半(日本時間同2時半)ごろ発生。男は現場で銃を乱射し、ピックアップトラックで逃走した。県警察幹部によると、男はその後帰宅し、妻子を殺害した上、自殺した。県警は男を、パンヤー・カムラープ(34)と断定。麻薬の使用を理由に、昨年解雇されていたという。逃走中のパンヤー容疑者を目撃したという女性によると、容疑者は危険運転をしており、バイク1台に突っ込んで2人が負傷。女性は無事だったものの、「辺り一面、血だらけだった」と振り返った。麻薬常用者として地元で知られていた男だとしている。タイでは覚醒剤の一種メタンフェタミンの供給が急増しており、末端価格が過去最低レベルに下がっている。タイでは銃所有率は高いとはいえ、銃による大量殺傷事件は極めてまれ。だが英字紙バンコク・ポストは、直近1年に少なくとも2件の銃乱射事件があり、容疑者はいずれも現役の兵士だったと報じている。


2022年10月5日:アルゼンチンでクジラの死骸あいつぎ発見・赤潮か?/(AFP時事) アルゼンチン南部沿岸でクジラの死骸が相次いで見つかっており、科学者らは赤潮が原因の恐れがあると懸念している。クジラ類保存研究所(ICB)によると、9月24日~10月2日に、南部バルデス半島近くのヌエボ湾で、少なくとも13頭のミナミセミクジラが死んでいた。ICBの3日の発表で、クジラプログラムのコーディネーターを務めるアグスティーナ・ドニーニは、死骸を解剖するとともに、赤潮の発生に関連する生物毒素の有無を確かめるため海水と軟体動物を検査していると明らかにした。ICBによると、クジラの死骸に外傷は見られず、栄養状態も良かった。別のICB職員、マルセラ・ウアルトは、短期間で多数のクジラが死んだことから、「局所的な環境の変化」が原因の可能性があると指摘した。ヌエボ湾とサンホセ湾では今年、過去50年で最高となる1400頭以上のクジラが確認されている。


2022年10月4日:オーストラリアが新たに15種を絶滅危惧種に指定・絶滅ゼロを目標にする/(AFP時事) オーストラリアは4日、動植物の絶滅ゼロを目指す保護計画の一環で、パルマワラビーなど15種を新たに絶滅危惧種に指定した。アンソニー・アルバニージー政権が発表した10ヵ年計画では、110種の「優先される種」の絶滅と、20ヵ所の「優先される場所」の破壊を食い止めるとしている。最低30%の国土を保全し、動植物の絶滅ゼロを目指す。オーストラリア東部では、「ブラック・サマー」と呼ばれる2019~2020年の大規模森林火災で、580万ヘクタールが延焼。10億~30億の動物が死んだか、生息地を追われたと推定される。今回指定された15種には、森林火災や肉食動物の脅威にさらされているパルマワラビーの他、クイーンズランド州に生息する弱い毒を持つグレースネーク・干ばつや森林火災に弱い羽のないバッタなどが含まれている。世界自然保護基金(WWF)オーストラリアのレイチェル・ローリーは政府に対し、国内の1900種以上の動植物の個体数回復計画の策定と予算確保を求めていた。今回発表された計画は「110種の勝ち組」を選んだもので、「フクロムササビなど他の『優先順位の高くない』絶滅危惧種をどう救えるのかは不明だ」と、ローリーは指摘した。タニア・プリバセク環境相は記者らに対し、優先される110種を保護することにより、相互依存関係にある、同じ土地に生息する他の種にも波及効果があると説明した。さらに、20ヵ所の保護区を設けることで「小さなノアの箱舟」のような、動植物の個体数回復が確保できる場所をつくることができるとしている。


2022年10月4日:絶滅危惧のケープペンギンが南アで鳥インフルにより大量死/(AFP時事) 南アフリカ南部ケープタウン近郊ボルダーズビーチで8月中旬以降、絶滅の恐れがあるケープペンギン28羽が、鳥インフルエンザにより死んでいる。ケープタウンから約20キロ離れたサイモンズタウンに位置するボルダーズビーチはケープペンギンのコロニーとなっており、約3000羽が生息している。南アフリカ沿岸鳥保護財団(SANCCOB)の臨床獣医師デビッド・ロバーツは28羽について、鳥インフルにより死んだか、安楽死させたとAFPに語った。SANCCOBは南アフリカ国立公園管理局(SANParks)と共に、鳥インフルに感染した個体が他にいないか確認している。感染拡大を防ぐため、防護服を着たレンジャーが毎日見回りをし、症状が出ている個体をコロニーから隔離しているという。SANParksによると、南アフリカでは昨年5月に鳥インフルエンザが確認されており、さまざまな海鳥が影響を受けている。ケープペンギンは、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」に掲載されている。


2022年10月1日:インドネシアでサッカー場で暴動発生・125人死亡多数負傷/(産経ニュース) インドネシア東ジャワ州マランのサッカー場で1日夜(日本時間2日未明)、プロサッカーリーグの試合後に暴動が発生し、インドネシア国家警察は2日、125人が死亡、多数が負傷したと発表した。ロイター通信は「世界の競技場で起きた最悪の惨事の1つ」と報じた。地元メディアによると、試合はインドネシア第2の都市スラバヤの「ペルセバヤ・スラバヤ」が地元マランの「アレマFC」を3対2で破った。ホームのアレマFCが敗戦したことに怒ったサポーター約3千人が試合終了後に暴徒化してピッチに乱入。治安部隊が鎮圧のために催涙弾を発射した結果、サッカー場内がパニックとなった。混乱から逃げようとした観客が一つしかない出口に殺到して転倒。犠牲者の多くが圧死したり窒息死したりしたとみられる。試合には日本人選手2人も出場。ペルセバヤの山本奨選手(25)が決勝ゴールを決め、アレマの山口廉史選手(30)も後半途中から出場した。両選手を含めて邦人に被害はないという。インドネシアではサッカーの試合をめぐってサポーター間の衝突が多発しており、多くの試合で治安部隊が厳重な警戒に当たっている。インドネシアのジョコ大統領は2日、「犠牲者に深いお悔やみを申し上げる」と述べ、安全策が示されるまで当面、リーグ戦の中止を要請した。サッカー界では過去には、1989年にイングランド協会(FA)カップ準決勝のリバプール対ノッティンガム・フォレスト戦で、満員の観客が折り重なって倒れ、サポーターら97人が死亡、800人近くが負傷する大惨事が起きている。


2022年9月30日:ドイツ・ポーランドを流れるオーデル川での魚の大量死は「公害」/(ノム通信/AFP時事参考) ドイツ環境省は30日、同国とポーランドを流れるオーデル川で今夏起きた魚の大量死は、「人為的な環境災害(公害)」とする報告書を公表した。水中の塩分濃度の上昇に伴う有毒な藻類の増殖が原因だったと指摘している。両国では300トン以上の魚の死骸が回収された。環境省は、最も可能性が高い原因は「塩分濃度の急上昇」だとした。「塩分の導入」によって「魚にとって有毒な汽水域で繁殖する藻類が爆発的に増殖した」という。しかし「入手可能な情報が乏しいことから、専門家は、異常な塩分濃度の上昇の原因については結論を保留する」としている。シュテフィ・レムケ環境相は、「人為的な活動」のせいであることは明白だと述べた。ポーランド当局は29日、独自の報告書を公表した。同じく有毒な藻類が魚の死因になったとしているが、増殖の原因については、夏季の高温と水位の低下による水質悪化である可能性が高いとしている。独週刊誌シュピーゲルは、ポーランド・グウォグフの銅山で高濃度の塩が検出されており、これが今回の大量死につながった可能性があるとの環境NGOグリーンピースの調査結果を報じた。


2022年9月30日:ケニア・ソマリア・エチオピアの干ばつ/(AFP時事) ケニア・ソマリア・エチオピアでは4年連続、雨期に雨が降っていない。これら3ヵ国が含まれるアフリカ大陸東部「アフリカの角」では、数百万人が極度の飢餓に陥っている。 これに関する詳しい報道がほとんど伝わってこないのは何故だろう?


2022年9月26日:キューバで同性婚を合法化/(共同通信) キューバで同性婚の合法化などを含む家族法改正案の賛否を問う国民投票が行われ、選挙当局は26日、暫定結果で過半数が賛成票を投じたと発表した。


2022年9月21日:オーストラリアでゴンドウクジラが230頭漂着・半数が死ぬ/(AFP時事) オーストラリア・タスマニア州西部の浜辺で21日、230頭ものゴンドウクジラが漂着しているのが見つかった。当局は、このうち生きているのは半数ほどしかいないとしている。ゴンドウクジラは、大きい個体では6メートル以上に成長する。地元住民は、生きているゴンドウクジラを毛布で覆い、その上から水をかけるなどして救命活動を行っている。当局によると、海洋保全の専門家や救助員が現場に向かっている。生き延びられる可能性が高い個体を海に戻し、死骸については、浜辺にサメが寄って来ないよう沖へえい航する方針だという。マッコーリーハーバーでは約2年前にも、同国史上最多となるクジラ約500頭が打ち上げられた。ボランティアが救助に当たったものの、300頭以上が死んだ。タスマニア州では今回の発表の数時間前にも、州内のキング島に約10頭の若い雄のマッコウクジラが漂着して死んだと報じられたばかりだった。22日の続報によると、200頭が死んだとされる。


2022年9月20日:イスラエルで3500年前の壺からアヘン検出・祭祀に使用か?/(AFP時事) イスラエルで発見された約3500年前の陶製のつぼなどからアヘンの残留物が検出された。調査チームが20日、発表した。古代の葬儀でアヘンが使われていたとする説を裏付けるものだとしている。中部イェフドで青銅器時代後期の墓が複数発見されたことを受け、イスラエル考古学庁とワイズマン科学研究所は2012年から共同で調査を行ってきた。発掘現場からは紀元前14世紀ごろのケシの花をかたどった陶器が複数見つかった。アヘンはケシから作られることから、これらの器にアヘンが入れられていたか調べたところ、「8つの器からアヘンの残留物」が検出されたという。さらに、パレスチナ地方のカナンで葬儀の際にアヘンが使われていたことが、古い文献により示されていた。考古学庁の考古学者ロン・べエリは、これらの陶器は儀式用の食事を入れたり、死者の家族が儀礼や儀式を行うために墓に置かれたりした可能性が高いと話した。べエリによると、こうした儀式では「家族や家族を代表する神職者」が「死者の魂を呼び出すため、アヘンを使って恍惚状態になった」と考えられる。ただ、古代の風習は判明していないことが多く、「アヘンがどう使われていたかについては想像の域を出ない」と話した。


2022年9月20日:世界のアリの数は2京を遥かに超える・種類は1万5700種以上/(AFP時事) 地球上のアリの数は少なくとも2京(京は1兆の1万倍)匹とする最新推定が19日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究論文で示された。実際の生息数はさらに多い可能性があるという。アリの生息数を知ることは、生息地における気候変動などによる影響を把握するために意義があるという。地球上で確認されているアリの種と亜種は1万5700種を超えるが、まだ見つかっていない種も同程度に上るとみられている。今回示された推定に基づくと、地球上のアリの総重量(生物量)は炭素ベースで1200万トンとなる。野生の鳥類と哺乳類を合わせた量より多く、人間の総重量の20%に相当する。


2022年9月13日:フランス人映画監督のゴダールが安楽死選択・議論を呼ぶ/(NEWSポストセブン)(9.26記) フランス人映画監督のジャンリュック・ゴダール氏が13日、スイス西部ヴォー州にある自宅で自殺幇助を受け、91歳で亡くなった。世界的映画監督の「安楽死」というニュースは世界各国で報じられ、「尊厳ある死」とは何かに改めて注目を集める契機となった。ゴダールは、映画『勝手にしやがれ』(1960年)や『気狂いピエロ』(1965年)などの作品で世界の映画界に「新たな波」(ヌーベル・バーグ)を巻き起こした。その彼の死は、多くの人々に悼まれたが、「病ではなく、疲労困憊だった」との理由で幇助自殺を遂げたことが驚きだった。医師による安楽死(幇助自殺)ではない積極的安楽死を認めるオランダやベルギーでも、安楽死を希望する患者の大半は、担当医による注射を選ぶことのほうが多い。スイス最大の自殺幇助団体「エグジット」はスイス在住者にしか措置を認めていない。他にもスイスには「ディグニタス」・「ライフサークル」などがある。エグジットの場合は会員約17万人で、年会費40スイスフラン(約6000円)を払えば、措置は無料となる。2020年では1282人がこの措置を受けた。ただ、1:本人の明確な意思・2:耐え難い苦痛・3:改善の見込みがない・4:代替治療がない、という要件が必要だ。だがオランダやベルギーでは実際には条件緩和に歯止めが掛からなくなっている。夫婦同時安楽死という事態も発生している。スイスでも法の拡大解釈が進んでいる。すでに死が差し迫っていない高齢者の自殺幇助の数が、本来の要件を備えた患者の死の数よりも多くなっている。


2022年9月13日:ペットの野性のカンガルーが飼い主を殺害/(AFP時事) オーストラリアの警察は13日、ペットとして飼われていた野生のカンガルーが、飼い主の男性(77)を殺害した疑いがあると明らかにした。86年前にもカンガルーによる死亡事故があった。州警察によると、同日にカンガルーに襲われたとみられる。救急隊が現場に駆け付けたが、その場で男性の死亡が確認された。州警察は、「敷地内にカンガルーが1匹いて、救急隊員が男性に近づこうとすると邪魔をした」としている。カンガルーは救急隊員の脅威となったため、やむを得ず射殺されたという。


2022年9月13日:ブラジルで11歳の女児が強姦され2度めの妊娠・最初の妊娠で出産/(共同通信) ブラジル北東部ピアウイ州に住む11歳の女児が親族によるレイプで2度目の妊娠をしていることが確認された。少女は昨年にも別の親族の性的暴行で妊娠し、母親が人工中絶を認めず、男児を出産していた。同国メディアが12日までに報じ、波紋を広げている。主要紙フォリャ・ジ・サンパウロなどによると、女児は2021年1月、25歳のいとこから暴行されて妊娠。中絶は「犯罪」と考える母親(29)が中絶を認めないまま、出産した。いとこはその後何者かに殺害された。出産後、学校を辞めて祖母の家で生活していたが、同じ部屋で寝起きしていたおじに乱暴されて2度目の妊娠をした。 ノムが予想したように、世界では近親姦が頻繁に行われていることがこの事件で証明されたような気がする。実際、フランスのアンケートでも10%が近親姦に遭遇しているという。ごく普通のことと見做さなければならない。(21.3.21「性の多様性」・21.9.7「男女共同参画」)


2022年9月5日:黒海のイルカが大量死・露軍のソナーが影響か?/(AFP時事) ウクライナ人科学者のイワン・ルセフ(63)は、南西部ベッサラビア地方にあるトゥズリウ川河口国立自然公園の研究責任者を務めている。ロシアによるウクライナ侵攻開始後、付近にイルカが漂着し始めた。「戦争開始以来、非常に多くのイルカが死んでいる」とルセフは話す。彼の推定では、死んだイルカの数は5000頭に上り、これは黒海の生息数の約2%に相当する。ルセフは、イルカの大量漂着の原因はロシア軍艦艇の軍用ソナーであることに疑いの余地はないと考えている。軍艦や潜水艦が搭載する強力なソナーは「イルカの聴覚機能を妨害する」とルセフは説明する。「イルカは内耳を破壊されて感覚を失い、方向を認識したり、狩りをしたりすることができなくなる」ほか、免疫機能の低下により致死性の病気にかかりやすくなるという。ロシアとウクライナは、戦争による環境への悪影響についても互いを非難しており、ルセフの仮説も、双方から受け入れられているわけではない。ロシアの研究者は、イルカなどを死に至らせるモルビリウイルスが大量死の原因ではないかと指摘している。ルセフらの研究チームは、論争に終止符を打つため、最近死んでいるのが発見されたイルカからサンプルを採取してドイツとイタリアに送り、結果が出るのを待っている。ルセフの国立公園も軍事攻撃を受けており、100ヘクタールの保護区が焼失した。彼は、「戦争は恐ろしいものだ。生態系全体に影響を与える。そこには、容易には回復しない種も含まれている。自然のバランスも同じだ。簡単には回復しない」と危機感を示している。


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