本文へ移動
【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2020】

ネットの不完全性と脆弱性(2375文字)

2020-12-27
  昨今ネットによる犯罪が激増している。特にコロナ下におけるホームワーク・テレワーク(H・T・ワーク)がそれを促進しているようだ。ハッカーやサイバー攻撃集団はセキュリティーの脆弱な個々人がH・T・ワーク をしようとすると、そこに入り込んで悪さをする。PC内の個人関係のメールアドレスや会社関係のメールアドレスの情報を盗み出し、それを基にまたハッキングや攻撃を仕掛けるというまさにウイルス拡散と同じパターンで広げていく。防御のためのファイアーウォールも役に立たない高度なレベルの手法を用いているため、防ぐには今のところメールの添付ファイルを開かないということしかないようだ。これではネットメールの機能の多くが削がれてしまい、また人々の間、組織内に重大なストレスを生むことになる。それは社会全体・世界の不安定に繋がる。

  事実、国家によるサイバー攻撃や専門ハッカー集団による情報の盗取がものすごい勢いで増えている。恐らく想像するに、民間のハッカー集団も盗んだ機密情報を悪徳国家に売りつけて儲けているのであろう。そうしたことができる現在のインターネットというものが持つ不完全性と脆弱性の原因を考え、その対策をもう一度訴えたい。なお同様な趣旨の記事は既に2つばかり書いており、同じ主張の繰り返しになるかもしれないことをお断りしておく(6.12「ネットによる誹謗・中傷の防止策について 」・11.24「サイバー攻撃はなぜ起こるのか? 」参照)

  【時事通信】の最近の記事から拾ったものを以下に示す。

  2020年12月25日:ハッカーは高度なレベル・修復に長期間を要す
  2020年11月30日:英政府がファーウェイに対する制限を強化
  2020年11月12日:中国が米大統領選挙にサイバー介入
  2020年10月21日:米情報長官がイラン・ロシアが選挙に介入指摘
  2020年10月19日:東京五輪妨害のロシア・GRU計画を英国が阻止
  2020年10月19日:コロナ関連で中国が日本にハッキング攻撃
  2020年9月14日:中国が世界制覇に向け人物情報収集
  2020年9月2日:ロシアが米大統領選にサイバー妨害
  2020年9月1日:米大統領選へのサイバー攻撃が激化
  2020年9月1日:オーストラリアがニュース共有禁止へ
  2020年6月19日:中国がオーストラリアに大規模サイバー攻撃の可能性

  以上の記事は【時事通信】《国際》の2020年1月から12月までの記事から手作業で検索したものであるが、不思議に5月以前には見つからなかった。筆者の不手際と思われるが、6月から中国・ロシア・イランの3悪が急にサイバー攻撃を手法化したのかもしれない。国内のセキュリティー関連事件をマカフィーが12月15日に発表している。それによると、
  ①2020年11月16日:サイバー犯罪集団がゲームメーカーから顧客・取引先などの情報を35万件略取
  ②2020年10月:AIを使い、ポルノ動画の顔を有名人にすり替える「ディープ・フェイク・ポルノ動画」
         公開の男2人を逮捕
  ③2020年9月:携帯電話の電子決済サービスを通して、顧客の預金が略取された
  ④2020年5月:コロナ給付金支給を狙い、自治体などのHPを模したフィッシング詐欺が相次ぐ
  ⑤2020年5月:総合電機メーカーへのサイバー攻撃で、防衛関連技術の一部が略取される
  ⑥2020年4月:「Zoom」の「Windows」版クライアントについて、攻撃者がグループチャットの
         リンク共有機能を悪用し、リンクをクリックした人のWindowsのネットワーク認証情報が
         洩れる可能性があることが明らかになった

  以上のことから、現在のインターネットそのものに根幹的欠陥が存在していることは明白であるのに、誰もそのことを指摘しようとしていない。なぜなのであろうか? 筆者が思うには、既に世界に浸透してしまったこの規格を今さら変更は出来ないと言う現実があるからなのであろう。かつて日本で「TRON」というOSが開発されたことがあったが、マイクロソフトの覇権に負けてしまった。だが一部はチップに生かされたという話であるが、今はどうなっているかは分からない。

  未来世界では情報は「ノムワールド」の中で一元的に整理され、その遣り取りは「ノムネット」によって規格(プロトコル)化されている。PCやプロバイダーもストレージも一元化されており、そこに不正が入り込む余地はない。そもそもPCは全て登録されており、そこから発信された情報はPC本体でチェックされ、プロバイダーでの分岐点でもチェックされ、最終的にアクセスしようとするPCでもチェックされる。3段階に亘AIチェックはほぼ完璧であり、途中から侵入することは不可能となるだろう。もし途中に不正PCが接続されたならば、その時点でアラームが発せられることになる。またそもそも不正をやるような人物は、個人認証によってPCを触ることもネットにアクセスすることも出来ないようになっている。

  情報自体に信頼性を示すタグが付され、それを見てユーザーはアクセスするかどうかを判断することができる。これはウイルスの侵入を想定した対応ではなく、膨大な情報の中から最適な情報を選択できるようにするためのシステムである。それは「ノムメディア」で管理され、正規な情報として「ノムペディア」にアップされ、世界のネットユーザーはそれをAI翻訳された各国語で読むことができるだろう。そのような世の中になって初めて人類は正しく情報を共有することになり、また人格点に応じて情報階層の上部にまでアクセスできるようになる。それは情報への信頼性と安心感を生み出す唯一の方法であると思われる。


  
TOPへ戻る