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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20)

【現代寸評】

元ツイッター幹部4人が退職金190億円求める

2024-03-07
  うっかりして【時事寸評】というサブメニューを用意していたのを忘れていた。大きな普遍的テーマとして取り上げるときは【時事評論】を使い、ニュースに対して即時性が要求されるものは【時事通信】を使い、即時性と要点に絞るときは【時事短評】にしていたが、簡単な論評を載せたいと思ったことが多かったので、【時事寸評】というサブメニューも作っておいた。これを新設したのは2023年7月10日であったが、まだ5つの記事した取り上げてこなかった。久し振りに6個目の記事を取り上げることにした。【時事短評】と【時事寸評】は【時事評論】の中に同時掲載している

  ジャック・ドーシーが創設したとされる元「ツイッター社」は、2022年10月17日にイーロン・マスクによって買収され、旧役員陣は即刻解雇されたと聞く。後に「X」と社名を変更している。そして役員解雇はほぼ懲戒免職に近いものだったようだ。だがそのうち4人が退職金を巡って訴訟を起こしたらしい。4人で190億円というから、1人当たり47億円を超える額である。現職であった時の給料が幾らだったか知らないが、法外な要求であると思われる未来世界では退職金というものは役所や会社にとって負担になるため、日頃から給料の中から年金分を貯めていく。日本では本人と組織が半々負担している。だが退職金はボーナスと似たような性格を持ち、業績に応じて決まると考えるべきであろう。また老後のまとまった資金という考え方もあることから、組織は「退職金規定」というものを定めて、基準を明確にしている。未来世界では不足分は国庫補助するような形になるであろう。

  ノムの勤めていた私立学校では、退職金は2年以上の(正規の)勤務者に支払われるとなっていた。懲戒免職では支給されない。給与を基に計算され、5年未満では1年につき0.8ヵ月分となっている。10年以上では1.6ヵ月分に増える。ツイッター自体が2006年創業であるから、創業当時から役員をしていれば18年勤続となる。仮に年俸1億円であったとしてこの規定を当てはめると、退職金は2億4千万円という計算になる。この訴訟では47億円の要求であるから、ノムからすると「法外」だと思うのである。イーロン・マスクが懲戒免職に近い措置を取ったことから、恐らく退職金は支払われなかったのではないだろうか。それを不服とした元役員が、弁護士を雇って最大の退職金を要求するという反撃手段に出たと思われる。

  では未来世界では退職金をどう考えるか、というと、人格点に応じた慎ましい生活に支障のない程度の最低生活費、と考えるべきであろうと思われる。通常一括払いであるため、たとえば70歳で退職した人が、あと10年長生きするとして、直近最終年俸が500万円であったとすれば、その5割が最低生活費とし、これを余命で計算すると、2500万円となり、想定内の金額となる。その後まで生きた場合は、それに備えた個人の備蓄で賄うか、安楽死を計画しておけば良いだろう(2.6「安楽死制度」)

  以上の常識的思考からすれば、元ツイッター幹部の要求した退職金は法外であり、現代米国の堕落の象徴と思われる(20.6.3「米国の暴動が示した民主主義・個人主義の劣等性」・20.11.13「米国の衰退と中国の台頭・日本の役割は?」) 
。これはマクドナルド・コーヒー火傷事件(1992年2月:3億円の賠償)を彷彿とさせた。判決がどうなろうと、米国の問題であるからノムの知ったことではないが、日本だと批判されるであろうし、未来世界では強欲な要求だとして、人格点が大幅に引き下げられ、訴訟も当然却下されるであろう。

(3.6起案・起筆・終筆・3.7掲載)


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