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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【現代寸評】

移民問題

2023-09-17
  移民とは自発的に職や自由を求めて国外に向かう人であり、難民は他国や独裁政権から強いられて、もしくは戦争などの理由からやむを得ず国内の他地域や国外にむかう人である。自然災害で一時的に転居する人は被災者と呼び、難民とは呼ばない。だが避難が長期に及び、戻れなくなった場合には難民と呼ばれる場合もあるだろう。不法移民とは、一般に不法滞在者のことを指し、不法に入国し、在留資格のないままその国に留まっている人のことで、合法的な在留期間(観光ビザ・就労ビザ)を過ぎている人も含める。

  移民を労働力不足から積極的に受け入れて発展してきた国も多い。米国はその代表であり、フランス・英国などのヨーロッパ諸国も比較的寛容に受け入れてきた。植民地時代の名残と云える面もある国策として移民を出す政策(植民政策)をとってきた国も多い。日本はかつて、農家の長男しか家督を継げなかったため、次男以下は都市に出て労働者となるか、海外に移民するしかなかった。政府も国策としてこれを率先して行い、1866(慶応2)年に鎖国令が解除されてから、米国(1860)・ハワイ(1868)・カナダ(1877)・台湾(併合:1895・移民開始1910)・ペルー(1899)・ブラジル(1908)・朝鮮(併合:1910)・(1924に米国が日本人移民を禁止)・満州(建国:1932)、等への移民例がある。現在は国策としては行っていないが、20年ほど前にシルバー世代が老後の海外生活が流行ったことがある程度で、平和国家日本から積極的に海外移住する人は少ない。ましてや国籍を変更して、現地で骨を埋める覚悟の人は極めて少ない。

  現代日本は少子高齢化で労働力不足に陥り、移民を積極的に受け入れるかどうか、議論が盛んに行われている。難民認定に対して厳しい日本への不法侵入は比較的少ないが、一時はベトナム戦争時に「ボートピープル」と呼ばれた不法侵入があった。そして現在、埼玉県などで外国人が夜間にお祭りのような騒ぎを起こし、地域住民が安心して暮らせない状況が生じているという。外国人に注意すると暴力を振るわれる例もあるという。

  日本における2022年6月時点での正規の在留外国人数は296万人であり、2021年から7.3%(20万人)増加している。男女比はほぼ同じで、男性49.6%である。外国籍は、①中国(74.5万人:25.1%)・②ベトナム(47.6万人:16.1%)・③韓国(41.2万人:13.9%)・④フィリピン(29.1万人:9.8%)・⑤ブラジル(20.7万人:7.0%)・⑥ネパール(12.6万人:4.2%・⑦インドネシア(8.3万人:2.8%)・⑧米国(5.7万人:1.9%)・⑨タイ(5.5万人:1.8%)・⑩台湾(5.4万人:1.8%)、となっている。このうち永住者が84.6万人おり、ついで技能実習生が32.8万人、技能者が30万人となっている。これら合計は全体の68.5%を占める。

  外国人が増えることの利点として以下のことが挙げられる。

1.労働力不足の緩和。
2.人種的偏見の緩和(増加もあり得る)。
3.異文化との融合。

  外国人が増えることの問題点として以下のことが挙げられる。

1.宗教や文化の違い・生活習慣の違いによる摩擦。
2.法律を守らず、地域にも溶け込もうとせずにコロニーを作るり、地域の住民と問題を起こす。
3.マナーの悪さからくる不快感(夜になると集団で騒ぐ)。
4.犯罪の増加。
5.国民の一体感の喪失。

  以上のことを踏まえて、ノムは未来世界の在り方から考えて、移民政策は一切拒否すべきだと考える。未来世界では国家は自給自足で地域自治体として生きていくのであり、人口増や人口減に合わせて政策を変更していく。競争がないため、環境条件に合わせて生きていくのが必然的なこととなる。貧しいから豊かな国に移動するという自由はないし、豊かだから貧しい国を支配するということもない。国家間の旅行や交流は禁止され、往復によって費やされるエネルギーを無くす方策が取られる。他国の文化・景色に触れるにはバーチャル映像やイベントで済ませられることになる。現在すでに外国に在住している人は、将来、住みたい国を改めて選択することになるだろう。選択は自由であり、その国に馴染み、溶け込むことが要求される。それを実現している人もまた多い。

  国家・国民はある意味でガラパゴス的進化を遂げ、その中に気候変動に耐えられる民族・国家が自然淘汰されていくであろう。移民を試みようとする人は、厳重な国境警備の下で移動は不可能になっている(高圧線ネットなど)。国境警備は兵器を備えた連邦軍によって行われる。すなわち、未来世界では移民・難民という問題は死語になっている。

(9.17起案・起筆・終筆・掲載)


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