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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【科学評論】

ヤマイモ栽培で塩ビパイプを使用するのは問題有り

2023-07-09
  ノムはヤマイモ栽培を非常用食物として推奨している。ヤマイモには種類が多く、主としてナガイモ・ヤマトイモが売られており、イチョウイモもある。日本固有のジネンジョ(自然薯)は高価で、フードセンターでは売られておらず、地方の地産地消の店で見かけるだけである。1本が2000円ほどする。ノムは一般家庭で栽培するのに適したものとして、中国伝来のナガイモや日本で改良されたヤマトイモ(短形ジネンジョという名称で売られていることがあるようだ)を推奨しているが、ジネンジョも栽培している。ナガイモとヤマトイモは1年で栽培可能だが、ジネンジョは食用にするには、通常2~4年ほど掛かる。

  問題はその栽培方法であり、農家は長いもので80cmにもなるナガイモを、塩ビの筒(名称は様々で、「クレバーパイプ」などと呼ばれている)で栽培している。だがこれにはフタル酸エステルが添加剤として加えられており、これは環境ホルモンとして知られており、男性の精子を減少させると云われている。近年の男性不妊症の増加や精子量が半分ほどに減っていることなどを考えると、フタル酸エステルが栽培ナガイモなどに含まれる可能性は否定できないだろう。あいにくそのようなデータを知らないので、ノムとしては警戒して塩ビパイプは使わないようにしている。これが社会的に問題とされていないからといって、安心はできないからである。

  ナガイモの栽培で使われる塩ビパイプは、およそ15~30度ほど傾斜させて地中に埋め込まれ、ナガイモはその内部に沿って成長し、塩ビパイプから溶出するフタル酸エステルを吸収していると考えられる。塩ビパイプには、ネットで調べたところによると、0.1%~5%のフタル酸エステルが添加されているようである。かなり大量に使用されている感がある。経年変化で、数年も使用するとフタル酸エステルが抜け出ることにより、硬化してもろくなり、すぐに割れてしまう。フタル酸エステルは軟化剤として加えられているからである。ということは、数年でかなりな量が溶出していると思われる。

  環境ホルモンとしての作用はppmオーダー(100万分の1)、もしくはppbオーダー(10億分の1)であり、仮に1%のフタル酸エステルが溶出したとすると、その土中濃度は100~1万ppmに相当する可能性がある。近年は公害問題が騒がれなくなったこともあって、こうした環境汚染物質についてのニュースがほとんど無くなってしまったが、ノムが環境問題について教えていた頃は、非常に大きな問題であった。そして現状でもフタル酸エステルが使用されていることに変わりはないのである。この軟化剤としての使用はかなり広範囲に及び、多くのプラスチック製品に含まれているようだ。つまり生活環境の中で、フタル酸エステル被爆は常に起こっていると考えた方が良い。健康には直接影響はないものの、男性の生殖能力が落ちているということは由々しき問題であろう。

  そこでノムは、ヤマイモ栽培に於いてはポリカーボネート製の波板を使うことにした。サイズは655×1830mmであり、長さは申し分ない程長い。ジネンジョであっても収まる長さがある。また655mmの幅があるので、1枚当たりに少なくとも3本、多い場合は6本の栽培が可能である。そして何より良いことに、ポリカーボネートにはフタル酸エステルは使われていないようだ。これについては確証はないが、チャットGPTで問い合わせたところ、「ポリカーボネートには使用されていないようです」という回答が得られた。いろいろウィキペディアなどで調べても、使用しているという情報は無かった。チャットGPTを信用しているわけではないが、一応確認したということでポリカーボネートを使用していることに安心をした次第である。

  ノムは以上のような理由から、市販のナガイモなどは購入しないようにしている。年寄りには無害であっても、若いこれから子を産む世代には食べさせられないと思っている。メディアはこうした市民の不安を払拭するためにも、ナガイモに含まれるフタル酸エステル濃度を公表すべきである。それが異常に高かった場合、市場に与える影響は甚大なものとなるだろうが、少子高齢化を心配するならば、尚更この問題を詳しく調査して報告すべきだろう。そして、より丈夫で安価なポリカーボネートに切り替えていくことを推奨したい。

  なお蛇足ではあるが、ポリカーボネート製波板は塩ビ製波板よりは価格的に30%ほど高価ではあるが、太陽光下の耐用年数は数倍であり、およそ5~7年で交換することになっているらしい。地下埋設状態ではほぼ数十年は持つであろうと思われる。

(7.8起案・起筆・終筆・7.9掲載)


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