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【時事評論2022】

防空ドローンの開発

2022-12-29
  韓国が北朝鮮のドローンによる偵察飛行の迎撃に失敗したというニュースは韓国のみならず、日本にも衝撃を与えた。そしてプロペラで移動する遅い速度のドローンの迎撃に失敗したその理由が、戦闘機による機銃掃射が原因であったことは素人でも推定がつくことである。なぜならドローンは目撃されるほどの地上数十~数百メートルの低空をゆっくり飛ぶため、戦闘機ではせいぜい数百メートルの低空飛行でしか機銃を発射できず、その弾丸が市街地住宅や市民に当たってしまう可能性が高いからである。事実韓国軍はそうした言い訳をしている。そこでノムは、低速ドローンにも超音速ミサイルにも有効な、防空ドローンの開発を思い立った。以下にその概要を説明する。

  ノムはドローンの登場とともにそれが兵器としてすぐにも応用されるだろうと危機感を覚えた。2020年8月8日に行われた東京オリンピックの閉会式で1824台の小型ドローンが空中を集団で舞い、初めて見る人に感動を与えた。だがノムはこれを見て(無観客だったのでTVで見た)背筋が凍るほどの恐怖を覚えた。もしこれが兵器に使われたら、防ぎようがないと思ったからである(21.8.10「東京オリンピックで使われたドローンの恐怖」)。今回はこのドローンを思い出し、これを逆に防衛用に開発したら役立つと考えたのである。

  防空ドローンの開発の目指す目標を以下に掲げる。

1.安価で大量生産できること。軽量の中型が良いだろう。
2.監視カメラ・赤外線探知カメラ・形状識別AIの搭載・熱源識別AIの搭載・爆薬10キロと不燃粘着
  ネットを搭載、滞空時間は24時間。
3.グライダー機能を持つことが望ましい。燃料を節約できる。
4.領海のぎりぎりのところで常時飛行させる。 日本本土から100キロ以上離れていることが望ましい。
5.武器は不燃粘着ネット発射装置と爆薬。到来ミサイルに貼り付いて進路を変更させ、衝突で爆破する。
6.高高度ミサイルに対してはパトリオットなどで対応する。
7.日本の外周は1万キロ以上とされるので、外縁はその3倍と仮想し、3万機を配備する必要があるかもしれ
  ない。
8.極超音速ミサイル(マッハ10)は時速12240キロ(秒速3.4km)であるので、防空ドローンを1キロ
  間隔で配置し、10キロ先で検知したとしても3秒後にターゲット前に到着しなければならない。これは
  ほぼ不可能である。これもパトリオットなどで対応するしかない
9.通常の攻撃用ドローンの場合は、時速300キロである(中国製「翼竜3型」の場合)ので、3分以内に
  ターゲットに接近できる速度があれば良い。ノムA型ドローンの場合、ギネス記録に近い時速260キロには
  及ばずとも、時速100キロ出せれば2分以内に接近できる(21.9.22「中国のドローン偵察攻撃機」)
10.衝突させる必要はないが、敵ミサイルの行く手を阻めば自ずと衝突することになる。10キロの爆薬でどの
  程度ミサイルを破壊できるかは不明だが、進路を変えることはできるだろう。ミサイルのセンサーも破壊
  されるために、めくら同然となるだろう。ドローンの場合は交戦になるだろうが、衝突させて破壊すれば
  よい。あるは不燃粘着ネットを絡ませて墜落させる。

  以上のような仕様を持つ防空ドローン(ノムA型)は恐らく無人飛行機型になるであろう。速度の面からそうなることが推測される。プロペラを使用することになるが、恐らくバッテリーではなくエンジン搭載が必要になるだろう。将来はタカ型の羽ばたき型も登場するかもしれない。これは主として上昇気流を利用して、燃料節約をするAI機能を持つ。空を舞っていても違和感が少なく、鳥による妨害もない。飛行速度は遅いため、ミサイル到来を監視する役割に特化されるだろう。爆薬を積み込まずに、高感度可視・赤外線カメラを搭載し、10キロ先のミサイルを感知できれば、かなり役立つと思う。だが曇天・雨天や夜には効果は期待できないのが最大の欠点であり、ミサイル発射を検知する軍事衛星を打ち上げるしか手はないであろう。日本上空2ヵ所ほどの宇宙空間に位置固定軍事衛星を打ち上げるべきである。もし発射が予知できれば、弾道からある程度の航跡を予測できるので、防空ドローンをその領域に集中させることで効果が上げられるだろう。


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