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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

生態系関連

2022年3月-7月

2022年7月28日:南アで白昼音楽ビデオ撮影現場を襲って集団レイプ/(AFP時事) 南アフリカで29日、ミュージックビデオの撮影現場に銃を持った男の集団が押し入り、出演者の女性8人をレイプした。警察が明らかにした。事件が起きたのは、最大都市ヨハネスブルク西郊クルーガーズドープの町はずれ。ベキ・ツェレ警察相は与党の会議の場で記者団に対し、容疑者約20人のうち3人を逮捕したと述べた。ツェレによると、男らは先月28日、撮影クルーらが機材を車から降ろし、セットを準備しているさなかに襲撃した。被害者の女性は18〜35歳。うち1人は10人にレイプされ、別の被害者は8人にレイプされた。男性も裸にされ所持品を奪われた。ツェレは、容疑者は外国人とみられ、主に「ザマザマ」と呼ばれる違法採掘者だとしている。南アフリカでは、レイプは報告されないことが極めて多い。だが、平均で1日に120件の通報がある。 ということは1日に1000件以上のレイプ事件が起きている可能性がある。人間本能に基づくこの犯罪を収束させるには、本能を満足させる公共施設が必要だということを示唆している。このニュースは人間界における生態系の問題の1つとして取り上げた。


2022年7月26日:ホッキョクグマが人間のゴミ捨て場で食物漁り/(AFP時事) 北極圏では、世界平均の約3倍の速さで温暖化が進んでおり、ホッキョクグマが狩りをする際に欠かせない海氷が減っていることから、ホッキョクグマは気候変動の直接的な悪影響にさらされている。環境保全の専門誌「オリックス(Oryx)」に掲載された論文の共同執筆者で、ホッキョクグマ保護団体「ポーラー・ベアズ・インターナショナル」のジェフ・ヨークは、「人間とホッキョクグマとの有害な接触が、ゆっくりとではあるが確実に増えている。海氷の減少が主因となり、ホッキョクグマが上陸する機会が増え、より長期間居座るようになっているからだ」と指摘した。先住民族イヌピアットが伝統的に捕獲してきた北極クジラの残骸を投棄する処理場には、毎年秋になると90頭ものホッキョクグマが集まってくる。中には160キロ離れた場所から移動してきた個体もいた。ホッキョクグマは同時にプラスチックや有毒物質も摂取している。だが彼らはそれを知らない。北極圏では家庭ごみの処理に多額の費用が掛かる。地面は凍結し、岩場が多いからだ。最後の手段としては殺傷力のない電気フェンスしかないと考えられている。 そもそも人間の生活に適していない領域に大量の人間が住居を構え始めたのが原因であり、そこでは物質循環が成り立たず、環境破壊が起こるのが必然である。人間は先住民を除いて極北などから撤退すべきである。


2022年7月26日:ブラジルで家畜の近親交配による奇形発生か?/(TechinsightJapan) ブラジルのバイーア州で今月18日、2つの頭を持つ子牛が誕生した。双頭の子牛が長生きするケースは珍しく、誕生3日後の21日に息絶えたという。ブラジルのジュイス・デ・フォラ国立大学の教授兼獣医であるジェファソン・フィゲイラ・アルシンドは「近年は多くの世代にわたる近親交配で遺伝子が突然変異を起こし、奇形の発生頻度が高くなっている可能性が高い。同じ祖先から受け継いだ劣性遺伝子を両親が持ち、子に伝達される確率が上がるからだ」と述べており、ほかにも特定の駆虫薬の使用や有毒植物の摂取、感染症やミネラル欠乏症などの環境要因が奇形につながることを示唆した。ちなみにロシア連邦のハカス共和国では2021年、2つの頭に豚のような体を持つ子牛が誕生していた。牛は人工授精によって繁殖されたもので、SNSで衝撃的な写真が拡散した。


2022年7月15日:欧州の熱波が山火事を多数誘発/(ロイター) 欧州が記録的な熱波に見舞われ、フランス・スペイン・ポルトガルでは相次ぐ山火事により数百人が避難する事態となっている。世界気象機関(WMO)は熱波が特に都市部の大気の質を悪化させると警告を発した。フランス南西部で発生した2ヵ所の山火事では、消防士1000人以上を動員し12日から消火作業が続いている。ポルトガルではやや気温が低下したものの、一部では依然として気温が摂氏40度超となる見込みで、警報が発令されている。また17ヵ所で山火事が発生している。スペインでも、先週西部で発生した山火事に続き、南部で新たな山火事が発生。イタリアでは過去70年で最悪の旱魃となり、国内で最も長いポー川が干上がっている。これを受けてWMOは、熱波が特に都市部で大気の質を悪化させると警告を発した。WMO幹部は会見で「停滞した大気は、粒子状物質を含む大気汚染物質を閉じ込める。これが大気の質を悪化させ、健康に悪影響を及ぼす場合がある」と述べた。


2022年7月14日:WHOが、アフリカで「人獣共通感染症」63%増と発表/世界保健機関(WHO)は14日、アフリカでサル痘のような動物からヒトへ、ヒトから動物へ伝播可能な「人獣共通感染症」の脅威が高まっており、2012~22年の流行回数は2001~11年と比べて63%増加したと明らかにした。WHOの分析によると、アフリカでは2001~22年、病気の流行などの「公衆衛生上の事象」が1843件確認された。うち30%がエボラ出血熱やデング熱・炭疽菌・ペスト・サル痘などの人獣共通感染症の流行だった。WHOのマシディソ・モエティアフリカ地域事務局長は、かつては交通網が未整備だったため、人獣共通感染症が流行する範囲は限られていたが、交通網が整備されたことで都市部でも流行する可能性が高まったと指摘。アフリカが「新興感染症の温床」になる恐れがあると警告した。


2022年7月10日:フェロー諸島伝統のイルカ漁を自主的に年間500頭に制限/(AFP時事) デンマークの自治領フェロー諸島は10日、論争を呼んでいる伝統のイルカ追い込み漁について、今年と来年は暫定的に捕獲数を年間500頭に制限すると発表した。2021年9月の追い込み漁で「異例」となる1423頭ものカマイルカが捕獲されたことを受け、自治政府漁業省から暫定措置の提案があったという。自治政府は、昨年の捕獲量は「長期的に見て持続可能な年間捕獲量とはいえない」とした一方、追い込み漁そのものについては「島民の生活を支える重要な役割」を担っていると強調した。2024年以降については、北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)の科学委員会の見解が出るのを待って捕獲制限の暫定措置を見直すとしている。自治政府は2月、追い込み漁の禁止を求める署名130万筆が提出されたことを受け、漁の見直しに着手していた。フェロー諸島では、半円状に展開した漁船団がイルカやゴンドウクジラを入り江に追い込み、浜辺で待つ漁師がナイフで捕殺する伝統の漁が行われてきた。毎夏、海を赤く染める漁の写真や映像が世界中で報じられ、動物保護活動家が「野蛮な慣習」だと抗議の声を上げている。だが、フェロー諸島ではこの伝統漁への支持は依然高く、捕獲されたイルカやクジラが何世紀にもわたって島民の食を支えてきたと指摘する声もある。


2022年7月5日:WFOが2021年では最大8億2800万人が栄養失調状態だったと推定/(共同通信) 国連機関の世界食糧計画などは6日、世界で昨年、最大8億2800万人が栄養失調状態だったと推定する報告書を発表した。新型コロナのパンデミックが始まる前の2019年に比べ、1億5千万人増加したと分析。ウクライナ侵攻などの戦争で食料危機はさらに深まっていると警告した。報告書は「気候変動・紛争・新型コロナによる三重の危機」が食料安全保障を脅かしていると指摘。「努力を強化させなければ、衰弱する子供たちが増え続けるだけだ」と強調した。2021年は、新型コロナの危機から脱却して食料事情の改善が期待されたが、栄養失調人口は逆に4600万人増加した。


2022年7月3日:中国伝統薬が貴重な動物らを激減/(AFP時事) サイからセンザンコウに至るまで、中国の伝統薬の材料として需要が高いアフリカの動物たちが、密猟で追い立てられている。今、脅威にさらされているのはロバだ。ロバの皮からつくられるにかわ(ゼラチン)は「阿膠(あきょう)」と呼ばれ、かつて皇帝らが重宝したが、最近では中国の中間層の間で人気を集めている。サイの角に由来する生薬「犀角(さいかく)」と同様、阿膠にも抗凝血剤や媚薬としての効能があるとされている。だが、その需要により、ブルキナファソからケニア、南アフリカに至るアフリカ諸国ではロバの生息数が激減。ロバのミルクからせっけんやクリームを製造する業界にも大きな影響が出ている。ロバのミルクにも抗酸化作用・抗菌性・抗糖尿病作用があるとされている。主に湿疹や乾癬といった症状がある人々からの需要が増えているという。


2022年6月29日:マラウイの23歳のシングルマザーが孤児院を運営・34人の子の世話する姿に称賛/(TechinsightJapan) アフリカのマラウイで34人の子供たちとともに暮らす23歳のシングルマザーを『New York Post』『The Mirror』などが紹介し、話題を呼んでいる。16歳で妊娠と出産を経験した女性は現在、若い母親や孤児などを支援する施設を運営しており、そこでの生活風景をTikTokで公開したところ「素晴らしい」「尊敬する」などの称賛のコメントが続々と届いている。アフリカ南東部に位置するマラウイ共和国のムズズに暮らすトゥサイエ・マクホンディヤ(23)は、2017年に「Empowering Young Mothers」という組織を立ち上げ、2020年に現在運営している若者主導の非営利団体「You Are Not Alone(Yana)」を設立した。16歳で妊娠、出産したトゥサイエは妊娠中にさまざまな苦境に直面したこと、また18歳でホームレスのシングルマザーになった経験から、若い母親や孤児、ストリートチルドレンを支援する施設を作りたいと考えていたという。トゥサイエが運営する孤児院では現在、生後5ヵ月から16歳まで34人の子供たちが暮らしており、彼女は子供たちとの生活の様子をTikTokで公開している。トゥサイエは子供たちに必要な設備や物を揃えるためクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で寄付を募っており、今年4月にはギターやキーボード、ドラムなどの楽器を購入することができたという。


2022年6月27日:インドネシアで絶滅危惧種のコモドドラゴン29匹誕生/(AFP時事) インドネシア・スラバヤの動物園が2~3月、絶滅危惧種コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)29匹の孵化に成功した。園長が27日、発表した。コモドドラゴンは世界最大のトカゲ。同国コモド島の国立公園と隣接するフロレス島にのみ生息し、最大で体長3メートル、体重90キロになる。野生の個体数は推定3458匹。人間の活動と気候変動の影響で生息地が破壊され、数が減っている。コモドドラゴンは雌単独の単為生殖が可能。スラバヤ動物園では、雌2頭が産んだ卵を人工ふ化させた。同動物園では、今回生まれた赤ちゃんを含め134匹のコモドドラゴンが飼育されており、生息地以外で最大の個体群となっている。国際自然保護連合(IUCN)が昨年公開した報告書によると、コモドドラゴンの生息地は、海面上昇により今後45年で30%縮小すると予想されている。園長は、状況が改善されるまでコモド島やフロレスで自然に返す予定はないとしている。


2022年6月26日:カナダ極北でマンモスの赤児のミイラ発見・保存状態良好/(AFP時事) カナダ極北のユーコン準州クロンダイクの金鉱地帯でこのほど、凍った状態のケナガマンモスの赤ちゃんがほぼ完全な形で発見された。北米で保存状態が良好なマンモスが見つかったのは初めて。鉱山労働者が掘削作業中に発見した。古生物学者のグラント・ザズーラは、皮膚も毛も残っており、「世界でこれまでに発掘された氷河期のミイラ化した動物としては最も状態の良いものの一つだ」と語った。性別は雌で、3万年以上前に死んだとみられる。


2022年6月23日:長さ2cmの巨大細菌が発見される/(読売新聞) 長さが最大で2センチにもなる巨大な細菌を発見したと、米ローレンス・バークレー国立研究所などのチームが24日付の科学誌サイエンスで発表する。通常の細菌は500分の1ミリ程度で、チームは「従来の細菌の概念を覆すものだ」としている。チームは、カリブ海にある仏領グアドループのマングローブ林で、落ち葉に付着していた糸状の生物を発見。電子顕微鏡などによる解析で、細胞の中にそのままDNAが存在するなど、細菌の特徴を持つことを確かめた。これまでは、近縁の細菌の0.75ミリが最大の長さだったという。発見された細菌は、薄い膜が筒状に広がり、筒の内部を液体が満たす構造になっていた。膜の部分にDNAや、たんぱく質を合成するリボソームがあった。細菌は大きくなるほど、栄養分などが細胞内にうまく取り込めなくなり、サイズは制限されると考えられてきた。チームは、薄い膜の部分に必要な機能が集約された特殊な構造が、この細菌の巨大化を可能にした一因とみている。山形洋平・東京農工大教授(応用微生物学)は「人で言えば、富士山よりも高い身長の人がいるようなもので、常識では考えられない。非常に興味深い成果で、どのように成長し、生命活動を維持しているかなど、今後のさらなる解明を期待したい」と語っている。


2022年6月21日:メコン川で体重300キロの淡水エイ捕獲・調査のため放流/(AFP時事) カンボジア北部ストゥントレン州の漁師が先週、メコン川で体重300キロの巨大淡水エイを捕獲した。研究者らが21日、発表した。世界最大の淡水魚だという。口先から尾の先までの長さは4メートル。追跡用の発信機が取り付けられ、川に戻された。米大学が支援するプロジェクト「ワンダー・オブ・メコン」によると、これまでは、タイ・メコン川で2005年に見つかった293キロのナマズが世界最大の淡水魚だった。ワンダー・オブ・メコン・プロジェクトを率いる魚類生物学者ゼブ・ホーガンは「六つの大陸の川や湖で20年にわたり巨大魚を研究してきたが、(今回のエイは)これまで私たちが見つけた中でも、世界で記録された中でも、最大の淡水魚だ」と述べた。同州では先月にも、漁師が体長4メートル、体重180キロの淡水エイを捕獲していた。メコン川は中国を源流にタイ・ラオス・ミャンマー・カンボジア・ベトナムを流れる国際河川で、支流を含め流域全体で6000万人の食を支えている。


2022年6月17日:ソマリアとソマリランドの干ばつ・はしかの蔓延も/(国境なき医師団) 4度に及ぶ雨期の雨不足に、「アフリカの角」と呼ばれる地域で起きたイナゴの大発生……。度重なる自然災害に続き、いま、ソマリアとソマリランドはここ数十年で最悪の干ばつに直面している。深刻な水不足と牧草地の乾燥で家畜が減少し、ソマリアの牧畜民の生活に打撃を与えている。干ばつと治安の悪さから逃れるため、何十万人もの人びとが食料、清潔な水、避難所、医療を求めて、農村部から都市の中心部に移住。国内避難民キャンプにたどり着いた人も多いが、トイレや手洗い場、清潔な飲み水などは不足している状況だ。また、はしかの流行も深刻で、2022年4月以降、いくつかの地区ではコレラも流行。さまざまな感染症と、子どもの栄養失調への対応が大きな課題となっている。


2022年6月16日:イタリアで初の安楽死・カトリックの影響が強い国で波紋/(AFP時事) イタリアで16日、四肢まひの男性が「安楽死」した。同国倫理委員会に認められた初めての事例となった。男性を支援していたルカ・コシオーニ協会が明らかにした。男性は元トラック運転手のフェデリコ・カルボーニさん(44)。特別な機械を使って致死薬を自身に投与し、家族と友人にみとられて亡くなった。イタリアでは自殺ほう助は5~12年の禁錮刑が科される犯罪だが、憲法裁判所は2019年、自分の意思に基づいて判断でき、かつ「耐え難い」苦痛を抱えている人に対するほう助は必ずしも犯罪に該当しないと判断した。倫理委は昨年末、カルボーニの申請を承認。ローマ・カトリック教会の影響力が強いイタリア国内で、波紋が広がっていた。カルボーニは中部マルケ州セニガッリア出身で、「マリオ」の愛称で呼ばれていた。10年前に交通事故で脊椎を損傷して体が完全に動かなくなって以来、24時間態勢で看護を受けてきた。カルボーニは死を前にして「人生は素晴らしく、一度きりのものだから、別れを告げることに後悔がないと言えばうそになる」としながら、「残念ながら人生とはそういうものだ」と述べた。「生きようと最善を尽くし、少しでも障害から回復できるよう努力してきたが、精神的にも肉体的にも限界にきた」と語り、/自活できず、なすがまま、すべてを人に頼っている」自身を「大海原に漂う小舟」に例えた。「今ようやく、行きたいところへ自由に飛んで行ける」と喜びを表現した。
2022年6月16日:スコットランドの湖の「謎の生物化石」の正体判明/(読売新聞) 約4億年前の地層から見つかったウナギのような謎の生き物の正体を突き止めたと、理化学研究所などのチームが発表した。陸上にすむ脊椎動物の祖先と近い特徴を持っていたといい、生物が水中から陸上に進出する進化の過程の解明につながると期待される。科学誌ネイチャーに掲載された論文によると、この生き物は、スコットランドの湖に生息していた「パレオスポンディルス」。全長約55センチで細長い姿をしている。サメの仲間か両生類の幼生か、など分類を巡る論争が100年以上続いてきたが、解析に必要な分析装置の精度に限界があり、結論が出ていなかった。チームは、理研の大型放射光施設「スプリングー8」(兵庫県)の高精度X線装置を使い、保存状態の良い頭部の化石二つを観察。関節の有無や骨の構成などから、ひれが手足に変化して魚類から両生類に進化する途中段階で、「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスより陸上の脊椎動物に近いことがわかった。進化の過程で存在したはずだが化石が見つかっていないミッシングリンク(失われた環わ)を埋める生物の一つとみられ、チームの平沢達矢・客員研究員(古生物学)は「魚類と両生類の間に位置する生物と言え、進化の空白を一つ埋めることができた」と話した。


2022年5月23日:世界の難民が初めて1億人を超えた/(読売新聞) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は23日、世界で避難を強いられた人数が初めて1億人を超えたと発表した。ウクライナ避難民の増加により、今年に入って急増した。フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「決して超えてはならない記録で、非常に厳しい数字だ」と述べた。UNHCRによると、ミャンマー・アフガニスタン・エチオピアの紛争などで2021年末には約9000万人が移住を強いられていた。ロシアによるウクライナ侵攻で、1400万人以上が国内外への避難を余儀なくされたことを受け、1億人を超えた。


2022年5月4日:2021年の飢餓人口は1億9300万人・紛争が主因/(共同通信) 世界食糧計画(WFP:本部ローマ)などは4日、53ヵ国・地域を対象とした調査で、2021年の「急性飢餓人口」が前年から4千万人近く増え、過去最多の1億9300万人に上ったとする報告書を発表した。分析はロシアによるウクライナ侵攻前に行われたが「依然として紛争が食料不安の最大の要因だ」と警告している。急性飢餓人口は、突発事案による深刻な食料不足に陥った人の数を指す。エチオピア・南スーダン・イエメンなどでは餓死や生活の崩壊を食い止めるための緊急の行動が必要という。 プーチン戦争で小麦粉が世界的に不足し、さらに飢餓が進行することが懸念されている。


2022年4月29日:謎の小児肝炎・アデノウイルス41型か?/(AFP時事) 米疾病対策センター(CDC)は29日、謎の肝炎にかかったアラバマ州の子ども9人全員が「アデノウイルス41型」という一般的な病原体の検査で陽性だったとする調査結果を発表した。世界保健機関(WHO)によると、ここ数週間に11ヵ国で同様の患者が約170人確認されている。アラバマ州の子どもは1~6歳で、他には健康状態に問題がなかった。この小児性肝炎に関しては、ウィスコンシン州の死者1人をはじめ、全米で調査が進められている。米CDCが発表した論文は、2021年10月~2022年2月に発生したアラバマ州の子ども9人の症例に焦点を当てている。3人が急性肝不全(劇症肝炎)を発症し、うち2人は肝移植を必要とした。現在は「移植を受けた2人を含め、全員が回復または快方に向かっている」という。論文に付随して発表された声明は「現時点では、これらの報告事例の原因としてアデノウイルスを疑っているが、他の潜在的な環境や状況的要因についても調査している」と述べている。アデノウイルス41型は子どもに胃腸炎を引き起こすことが知られているが、健康な子どもに肝炎を引き起こすとは一般に知られていない。調査の結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の他、A型・B型肝炎および米国で最も多いC型肝炎・自己免疫性肝炎・ウィルソン病や一般的な肝機能障害の可能性は排除された。6人はヘルペスウイルスの一種であるエプスタインバーウイルス(EBウイルス)の検査で陽性だったが、抗体がなかったことから、現在ではなく過去の感染を示唆するものとされた。9人のほとんどは入院前、大半が嘔吐と下痢に見舞われた。上気道症状が確認された例もあった。入院中はほとんどの子どもに黄疸と肝臓の肥大化がみられた。


2022年4月28日:インドで娘を生贄にしようとした男を逮捕/インド西部マハラシュトラ州で、娘(18)をいけにえとして生き埋めにすれば秘宝が見つかると信じて実行しようとした男が逮捕された。警察が27日、明らかにした。同州ヤバトマール地区警察署長によると、警察はこの少女の友人から通報を受け、男がヒンズー教の僧侶1人を含む共犯者8人と儀式を行っている現場に急行。すんでのところで少女を救出し、9人を現行犯逮捕した。9人には殺人未遂の容疑が掛けられている。男はさらに、別の娘に対する性的暴行の疑いでも捜査対象となっている。 宗教の弊害がこのところ大きく指摘されているが、こうした古い習俗も現代では取り除かなければならない課題なのであろう。


2022年4月26日:世界の自然災害1日1.5回に、国連警鐘「自己破壊の連鎖」/(ロイター) 国連防災機関(UNDRR)が26日公表した「自然災害の世界評価報告書」で、2030年までに自然災害の発生は世界全体で1日当たり1.5回、年間で560回に達する見通しで、人類は温暖化助長やリスク無視を通じて「自己破壊の連鎖」に陥り、貧困層を何百万人も増やし続けている、と警告した。報告書によると、過去10年で自然災害がもたらした損害額の年平均は約1700億ドルで、途上国と最も貧しい人々が不相応な苦しみを味わっている。また途上国が自然災害で被った損害額の年平均は国内総生産(GDP)の1%と、高所得国の10倍を超える。特にアジア太平洋地域の損害額はGDPの1.6%と最大だった。


2022年4月26日:インドネシアでスマトラトラの3頭の死骸/(AFP時事) インドネシアの警察によると、スマトラ島北端アチェ州で24日、絶滅の危機にひんするスマトラトラ3頭がわなに掛かって死んでいるのが発見された。死骸が見つかったのは、東アチェのパーム農園。動物保護当局によると、地元の環境活動家が2頭を発見し、警察に通報した。数時間後、そこから500メートル離れた場所で、警察が3頭目の死骸を見つけた。最初の2頭はスチール製のひもで足を縛られた状態で折り重なるように死んでおり、外傷は見られなかったという。3頭目も足を縛られており、腐敗が始まっていた。地元警察の署長は24日夜、「スマトラトラがイノシシのわなに掛かって死んだとみている」とコメントした。検視を行い、死因を調べる予定。


2022年4月26日:寿命世界記録/ギネス世界記録で世界最高齢に認定されていた田中カ子(119)が19日に死去したことが25日、発表された。これにより、フランスの修道女リュシル・ランドン(118)が新たな世界最高齢となった。ちなみに史上最も長生きをした人物は122歳で、1997年に他界したフランス人のジャンヌ・カルマンさんという女性である。

 
2022年4月23日:コンゴでエボラ出血熱・接触多数で蔓延の恐れ/(共同通信) 世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局は23日、コンゴ(旧ザイール)北西部の都市ムバンダカで、31歳の男性がエボラ出血熱を発症し、死亡したと発表した。隔離までに多数の人と接触した恐れがあり、WHOは警戒を強めている。男性は5日に症状が出始め、しばらく自宅療養などで過ごした。21日にエボラ熱の治療施設に入ったばかりだった。コンゴではたびたびエボラ熱の流行が起きている。最近では2021年10~12月に東部で感染が広がり、6人が死亡した。


2022年4月20日:流産女が殺し屋に赤児を奪うことを依頼/(AFP時事) 南米コロンビアの首都ボゴタ近郊ソアチャで先週、ホームレスの妊婦が殺害され、おなかの中の赤ちゃんを連れ去られる事件があった。最近流産した女が、4000ドル(約51万円)で殺し屋の男に依頼したとされる。女性は妊娠37週で、出産を間近に控えていた。ソアチャ市長によると、食料を渡すとして、農村部に誘い出されたとみられる。赤ちゃんは無事で、国が保護している。依頼主の女は逮捕されたが、殺し屋は逃走を続けている。


2022年4月18日:スーダンの内戦と食糧危機で900万人が苦難/(AFP時事) 国連南スーダン派遣団(UNMISS)の団長を務めるニコラス・ヘイソム国連事務総長特別代表は14日、武力衝突の再発と食糧危機により、南スーダンでは年末までに約900万人に対して援助が必要になると警鐘を鳴らした。うち460万人は子どもだという。「広範囲で食料が不足するだろう。しかも気候変動や紛争、避難民などの要因で状況は悪化しつつある」と述べた。


2022年4月17日:脳の25%を失っても博士号取得/(TechinsightJapan) 南アフリカのケープタウンに住むエイミー・マーティンさん(33)が脳腫瘍と診断されたのは、14歳の頃だった。小児脳腫瘍の「毛様細胞性星細胞腫」と診断された。その後、エイミーさんは腫瘍を取り除くために何度も手術を受けたが、頭蓋骨に4枚のチタンプレート、さらに16本のチタンネジが埋め込まれ、脳の容量の25%を失った。腫瘍は無事に取り除かれたものの、重度のてんかんなどに悩まされることになってしまった。辛い高校生活ののち、エイミーさんは国内有数のステレンボッシュ大学に進学した。そして言語学の学位を取得したのち、韓国で2年間の教員を務め、優等学位や修士号を取得し、さらに古代文化を極めるため博士課程に進む道を選んだ。父親の影響だそうだ。現在は理学療法のおかげでハンデキャップを克服することができたエイミーさんだが「脳の25%を失ったことが私の人格の一部だと知りました」と明かし、「今までの経験があるからこそ、今の私がある。でもそれは私というものを定義するものではなく、私の将来を決めるものでもない」と断言している。そして博士課程を修了した今、エイミーさんは再び韓国で教壇に立ち、ギリシャやイタリアで古代の遺跡に浸ることを夢見ているそうだ。


2022年4月15日:英を中心に数ヵ国で小児性肝炎・ワクチンとの関連なし/(AFP時事) 世界保健機関(WHO)は15日、英国の子ども74人が原因不明の肝炎を発症したことを受け、同様の症例を監視していると発表した。うち6人が肝臓移植が必要なほどの重症。5日に北部スコットランドで10件、8日には英国全体で計74人に増加。うち6人は肝臓移植を受けた。WHOは今後数日内にさらに多くの症例が報告されると予想している。アイルランドでは5人未満の発症例や疑い例を確認。スペインでも3人の発症が確認された。死者は出ていない。患者は主に10歳以下の子どもで、症状は黄疸や下痢・嘔吐・腹痛などがみられた。患者から従来のA~E型肝炎ウイルスは検出されておらず、英保健当局は一般的なウイルスや新型コロナウイルスとの関連性の他、感染症・環境要因などが原因となった可能性を調査している。英国の患者はいずれも新型ウイルスワクチン接種を受けていなかったため、ワクチンによるものではないとみられている。


2022年4月13日:ペルーで製油所から流出した油による海洋汚染/(NHKニュース:記事見つからず) 


2022年4月7日:米国で鳥インフルエンザが過去最高の蔓延/(ジェトロ・ビジネス短信) 米国で高病原性鳥インフルエンザH5N1亜型(以下、鳥インフルエンザ)の感染が急速に拡大している。米国農務省(USDA)の4月4日のデータによると、2月9日にインディアナ州での感染が確認されて以来、商業用家禽(かきん)類への感染は24州に広がっている。現在、鳥インフルエンザの発生件数は、5,000万羽が殺処分された2015年以来で最悪の状況となっており、商業用家禽類の殺処分数は2,200万羽を超えている。USDAの4月2日の発表によると、鶏卵の生産量で全米最大のシェア15%を誇る中西部アイオワ州では、鶏肉、鶏卵用などを合わせて1,300万羽以上が殺処分の対象となっている。2015年の流行時には、商業用家禽を多く生産している中西部のアイオワ州やミネソタ州、ネブラスカ州などで大きな被害が出ており、特にアイオワ州では3,200万羽が処分されるなど大打撃を受けた。だが米国産鶏肉製品や卵に対する外国のニーズが減ることで価格が下落する可能性もあるという。


2022年4月1日:グレートバリアリーフで大規模白化現象/(ノム通信・GIZMODO参考) オーストラリアのグレートバリアリーフは、わずか6年のうちに4度目の大規模な白化現象に見舞われており、海水温度の上昇ででかなり損傷を受けている。先日、サンゴ礁を管理するオーストラリアのグレートバリアリーフ海洋公園局は大規模な白化現象を確認し、回復を望んでいるとコメントを出した。海洋公園局は、声明の中で「白化したサンゴはストレスを受けているが、まだ生きています。もし状況が穏やかであれば白化したサンゴは、大規模な白化による死亡率がとても低かった2020年のように、このストレスから回復できる」と書いている。「今後数週間の気象パターンは、海洋公園全域にわたるサンゴ白化の総合的な範囲と重症度を見極めるうえで、引き続き重要」とのこと。今年の白化現象は、オーストラリアを含む世界各地に平年よりも低い気温と雨をもたらすはずのラニーニャ現象があったにもかかわらず発生した。大規模な白化現象が起きたのは直近だと2020年で、白化現象とは高い水温などのせいでサンゴに共生する藻類が抜け出してサンゴの白い骨格が透けて見える現象のこと。多くのサンゴがこの時の白化を生き延びたが、すくすくと育っているわけではない。英国王立協会紀要に掲載された2020年の報告書によれば、この20年間でサンゴの個体数は急減したとのこと。特に影響を受けたのが大型のサンゴで、1990年代以降76%も減少したと書かれている。気候危機により海水温の上昇は続き、成長に必要な理想的な状態を奪われる危機にある海洋環境は増えている。今回の白化現象を受けて、国連はサンゴ礁の被害の規模を評価してユネスコ世界遺産のステータスを格下げすべきか否かを判断するために代表団を派遣するとAP通信は報じています。グレートバリアリーフ関連の観光産業は推定6万人以上を雇用しているので、オーストラリアの観光産業の経済と仕事の機会に打撃を与えかねないという。ユネスコにおけるステータスはさておき、グレートバリアリーフは近隣の海岸を激甚な洪水と浸食から守ってくれる、大波・洪水・嵐に対する重要な防波堤である。また、サンゴの多様性と健康は現地の海洋生態系を支えており、数千種類に及ぶ海洋生物や世界に7種いるウミガメのうち6種の生息地でもある。


 
2022年3月31日:南太平洋でM7.0の地震・津波なし/(ウェザーニュース) 日本時間の3月31日5時57分頃、南太平洋のオーストリア東沖合で地震があった。震源地は南太平洋ローヤリティー諸島南東方で、地震の規模はM7.0と推定される。


2022年3月23日:砂漠に衣類の墓場が出現/(読売新聞) 南米チリの砂漠に、世界中から着古した衣類が集められて不法投棄され、「衣類の墓場」とも呼ばれる光景が広がっている。荒涼とした大地に積み上がった衣類の山は、大量生産・大量消費を見直し、「持続可能なファッション」を目指すことの必要性を訴えている。太平洋とアンデス山脈の間に、南北約1000キロ・メートルにわたって年間降水量が10ミリにも満たないアタカマ砂漠が広がる。砂漠の北部に位置するアルトオスピシオの貧困地区を抜けると、砂とは異なる「山」が姿を現す。ジーンズ・シャツ・セーター・靴下――。高いところでは5メートルを超える「山」の正体は大量の衣類ゴミだ。一帯のゴミの量は約10万トンにもなるという。強い日差しに照らされて布地の色は落ち、辺りにはプラスチックが燃えたような不快な臭いも漂う。市によると、砂漠に衣類が投棄されるようになったのは6、7年前からで、隣接する港湾都市イキケから運び込まれるという。イキケは1970年代に政府が「自由貿易地域」に指定し、輸入時の関税が免除される。自動車や機械などにとどまらず、売れ残ったり寄付されたりした衣類が欧米やアジアなどから運び込まれる。港に近い問屋が集中する地区では、ビニールで梱包こんぽうされた衣類を運ぶトラックが行き交う。韓国の古着を専門に扱う業者の女性は、倉庫で仕分けしながら「この服はボリビアやペルーにも行く」と教えてくれた。しかしアルトオスピシオで環境部門を担当するエドガル・オルテガ(33)は「イキケに来るのはゴミ同然の衣類ばかり。穴が開いているような不良品も多く半分以上が売れ残る」と嘆く。多くの衣類は化学繊維が素材に使われており処分に手間がかかる。売れない衣類は夜間、トラックで砂漠に運ばれる。国連の2019年の報告などによると、衣類の年間生産量は2014年に1000億着に達し、2000年から倍増した。急増の原因の一つとされるのが、手ごろな価格で流行を取り入れたファストファッションの広がりだ。大量生産によって製造コストを下げる一方、大量の売れ残りや短期間での廃棄につながっている。世界の温室効果ガス排出量を業種別にみると、ファッション業界は8%を占める。さらに毎年約50万トンもの極細の化繊「マイクロファイバー」が結果的に海洋へ投棄されているという。こうした現状に「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げる国連は「ファッションの流行を追うことは値札にある価格をはるかに上回るコストがかかる」と指摘し、使い捨ての文化を絶つべきだと訴えている。ファッション業界も欧米メーカーが中心となり、2019年に環境への負荷を減らす国際的な協定を結ぶなど、衣類の廃棄を減らす取り組みを強化している。


2022年3月22日:WHOが大気新基準を満たした国がゼロと発表/(ロイター) WHOは2021年大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の許容濃度を変更し、1立方メートル当たり5マイクログラムとするよう指針を強化した。この新基準での6475都市を対象とした調査によると、2021年に世界保健機関(WHO)の大気質基準を満たした国はゼロだった。


2022年3月21日:チェルノブイリの放射線モニター機能せず/(ロイター)ウクライナ原子力発電公社のエネルゴアトムは21日、ロシア軍に制圧されたチェルノブイリ原子力発電所の放射能監視システムのほか、周辺の森林火災消火サービスが機能していないため、放射線量が上昇するリスクがあると警告した。


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