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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

生態系関連

2021年10月(10.4-10.29)

2021年10月29日:漁港が火山発生の軽石で埋め尽くされる/10月22日に起きた小笠原諸島での海底火山による噴火で噴出した大量の軽石が日本本土の港に漂着し、港の中に滞留して漁船を動けなくしている。生態系にも甚大な影響が出ており、魚が全滅する恐れもあるという。(ノム通信・フジテレビニュース参考)


2021年10月25日:突然変異の黄金のヨーロッパオオナマズ/オランダの湖で、鮮やかな黄色いナマズが釣り上げられた。このナマズはヨーロッパに生息する“ヨーロッパオオナマズ”という種類で、淡水魚で最大サイズと言われている。体長3メートル、体重は150キロにまで成長することもあるそうだ。しかし一般的な個体は、通常のナマズと変わらず黒やグレーのような暗い色をしている。科学ニュースウェブサイト『Live Science』によると、今回発見されたナマズがここまで鮮やかな黄色の体を持っているのは、白変種と呼ばれる遺伝子変異が原因だという。白変種は突然変異により体内の色素が減少し、体毛・羽毛・皮膚などが白くなるものだ。体が白くなる症状はアルビノと呼ばれる遺伝子異常でも見られるが、これとは原因が異なる。驚きのナマズを釣り上げたのは、ドイツ西部デュイスブルク在住のマーティン・グラーツ。マーティンは双子の兄弟であるオリバーとともに今月4日、オランダにある湖に釣りへ出かけていた。プロの釣り人として生計を立てているマーティンさんはこの日、出資を受けているというスポンサーのドイツ釣り具会社から提供された試作ルアーを使って釣りをしていた。大きなカワカマスを狙っていたのだが、ナマズが釣れてしまった。彼は獲物がさらに成長することを願って、湖に戻したという。(TechinsightJapan)


2021年10月23日:日本の座礁船の撤去が困難に/インド洋の島国モーリシャス沖で昨年夏に日本の貨物船「WAKASHIO」が座礁し燃料の重油が大量流出した事故で、天候不良が続いているため座礁船の撤去作業が予定よりも大幅に遅れていることが分かった。モーリシャス環境・廃棄物処理・気候変動省の幹部が23日までに共同通信の取材に明らかにした。船体後方部の撤去作業は3月中旬に中断。船主の長鋪汽船は8月、「9月後半に作業を再開できることを期待」しているとの見解を示したが10月22日時点で再開できていない。取材に応じた同省の幹部によると、作業船が待機しているが波が高く、作業に取りかかれないという。(共同通信)


2021年10月22日:小笠原諸島で明治以降最大の火山噴火/小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場でことし8月に発生した噴火について、専門家のグループは噴出したマグマの量などの分析から、明治以降の国内の火山噴火としては最大クラスの規模だったという研究結果を発表した。このとき噴出された軽石が沖縄 奄美で大量に漂着しているが、専門家は、今後も続くおそれがあると指摘している。漁船のエンジン冷却水に紛れ込むとエンジンが故障するため、夜間の操業ができなくなっている。また生態系にも大きな影響を与える懸念がある。(NHKニュース)


2021年10月21日:豚の腎臓を一時的に人間に移植が成功/米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの外科医らが、ブタの腎臓をヒトに一時的に移植することに成功した。臓器移植における画期的な進歩で、手術を行った医師は「奇跡を起こす可能性を秘めている」と述べている。先月25日に行われた手術では、脳死状態で人工呼吸器を必要とする患者の脚の付け根の血管に、遺伝子操作で免疫系の拒絶反応を引き起こす遺伝子を取り除いたブタの腎臓をつないだ。患者の家族は、科学の進歩のために、2日間の実験を許可した。ランゴーン医療センター移植研究所のロバート・モンゴメリー所長は、移植したブタの腎臓が「想定した通りの役割を果たし、老廃物を取り除いて尿をつくった」とAFPに語った。重要な点として、腎臓の機能レベルを示す指標であるクレアチニンの値が手術前は上昇していたが、ブタの腎臓を移植した後は低下したことが確認できた。モンゴメリーによると、この患者は死後の臓器提供の意思を表明していたものの、どの臓器も移植に適していないことが判明し、家族は落胆していた。だが「今回の実験が別の形で臓器提供に寄与する機会だということに、家族は安心したようだ」という。54時間に及ぶ実験の後、患者は人工呼吸器を外されて亡くなった。ブタの腎臓は、ヒト以外の霊長類に移植した場合、最長で1年間機能することがこれまでの研究で確認されているが、ヒトへの移植が試みられたのは今回が初めて。モンゴメリーは今後1~2年以内に臨床試験を実施できる可能性があると述べた。英バーミンガム大学のハイネック・マーゲンタル医師(外科)は、今回の実験結果が確認されれば「臓器移植分野における大きな前進となる。移植用臓器の深刻な不足を解消できるかもしれない」と期待を示した。(AFP時事)科学的には画期的な手法で、臓器移植の新分野が生まれるかもしれない。だがこうした延命医療の全てにノムは反対する。それは自然界の掟を犯すことになるからである。


2021年10月19日:カリフォルニアで旱魃による非常事態/米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は10月19日、干ばつの悪化に対応するため、非常事態宣言を州全域へ拡大することを宣言した。同州では、4月・5月・7月に段階的に非常事態宣言の対象エリアを拡大してきたが、これまで対象に含まれていなかった残り8郡(ロサンゼルス・サンディエゴ・サンフランシスコなど)が今回追加された。米国海洋大気庁などが発表している「米国干ばつモニター」のデータによると、10月19日時点で、カリフォルニア州内で干ばつの度合いが5段階中最も深刻な「類のない干ばつ」となっている地域が45.66%、2番目に深刻な「極度の干ばつ」が41.52%となっている。3ヵ月間で最も深刻な被害を受ける地域の割合が増加している。また、同州水資源省によると、州内の主な貯水池の10月24日時点の貯水率について、最大のシャスタ湖が最大容量の22%、2番目のオロビル湖は25%、3番目のトリニティ湖は27%と、いずれも低位な状態となっている。ニューサム知事は7月に、全ての住民(商業・農業を含む)に対し、水の使用量の15%自発的削減(2020年比)を求める知事令を出した。今回の宣言では、水資源の保全の取り組みを強化するため、州の機関である水資源管理委員会に対し、歩道や道路などの洗浄の際の飲料水の使用といった特定用途の水の使用を禁止することができる権限を認めている。水資源管理委員会によると、都市部での水使用の削減割合は、2020年比で5%にとどまるという。地域単位では、一定基準を超えた水の使用量に対して追加料金を課すことで、利用を制限する動きもみられる。例えば、北カリフォルニアのマリン郡の一部地域に水道を供給しているマリンウォーターは、12月から基準値を超えた使用量に対し、水道料金に加算して請求する。また、州の主要都市であるサンノゼ市・クパチーノ市などに水道を供給するサンノゼウォーターは、2019年比で15%削減という目標の下に、月ごとに設定された規準使用量を上回った利用者に対し、追加料金を課すといった計画の許可を、州の公益事業委員会に求めている。(ジェトロ・ビジネス短信)


2021年10月18日:頭から脚が生えた5本足の子羊を発見/オーストラリアの農場で、4本の脚とは別に頭から1本の脚を持つ子羊が発見された。多肢症という先天性疾患の子羊だが、食事や運動に影響はなく健康上の問題も今のところ起きていないという。飼い主はこの子羊を家畜としてではなく、ペットとして飼うことにしたそうだ。子羊は5本目の脚が後頭部にあり、移動や食事の邪魔になることはなく、群れの中では他の羊たちと変わらず一緒に過ごしているという。動物界では異形の仲間をいじめたりはしないようだ。人間も見習うべきなのだろう。(TechinsightJapan)


2021年10月18日:コロンビアの麻薬王が残したカバが繁殖し過ぎ/コロンビアの「麻薬王」パブロ・エスコバルの所有地に残されていたカバが繁殖の結果80頭に達し「制御不能」となったため、一部に避妊処置が施された。当局が15日、明らかにした。エスコバルは1993年、警察に射殺された。農場でカバの他、フラミンゴ・キリン・シマウマ・カンガルーなど多数の珍しい動物を飼っていたが、エスコバルの死後、カバ以外は動物園に売却された。カバは移動させるには大きすぎたことから、アシエンダ・ナポレスと呼ばれる地所に残された。当初飼われていたのは雄と雌1頭ずつだったが、繁殖し増えていった。アシエンダ・ナポレスは現在、テーマパークになっている。コロンビア北西部の環境保護団体コルナレによると、今回24頭に「ゴナコン」と呼ばれる薬が投与された。雄と雌いずれにも避妊効果があり、手術より安価だという。これに先立ち、別の11頭にも通常の避妊措置が施されている。専門家はエスコバルが残したカバはアフリカ大陸以外で生息する群れとしては最大で、多くの問題を引き起こしているとしている。コルナレの専門家ダビド・エチェベリは、ある動物種が本来属していた生態系とは別の生態系に移された場合、そこにいた在来種を駆逐するといった影響をもたらすことになると指摘した。エスコバルが残したカバは「生態系の変化」の原因となっている他、地元の漁師を襲うこともある。米経済誌フォーブスによると、エスコバルは麻薬取引で巨額の富を成し、世界的な富豪の一人となった。(AFP時事)


2021年10月13日:中国の豚肉需要がスペインでの魚の大量死に繋がった/中国メディアの観察者網は13日、スペイン南東部のムルシア州で魚が大量死し、一部の専門家が「中国人のせい」との見方を示していると報じた。記事は、同州で魚が大量死して欧州最大規模の塩水湖であるメノル湖の岸辺に死骸が大量に流れ着き、数日間の間に死骸の量は5トンを超えたと紹介。この状況について、専門家からは藻の大量繁殖により水中の酸素が欠乏し、魚が窒息死したとの見解が示されたと伝えるとともに、現地メディアの調査により、同湖の周囲1.5キロメートル以内での化学肥料使用を禁止していながら、農業関係者や地方当局の監督管理が不十分だったことが浮き彫りになったとした。その上で、英紙ガーディアンが13日にこの件を報じ、この10年間に同州で激増した数百ヵ所の養豚場から出される糞便が魚の大量死につながった可能性があるとの調査結果を紹介するとともに、先月に撮影されたというドローン画像や衛星画像からは養豚場のふん便が肥だめからあふれ出して地上に流れているような様子が見て取れたと伝えたことを紹介している。観察者網の記事は、「ガーディアンの報道ではスペインの豚肉輸出急増を中国と結びつけて紹介した」と指摘。同紙が「アフリカで豚コレラが流行したことでスペイン産のヒレ肉、ソーセージ、ラードの需要が高まっており、需要の半分近くは中国によるもの」と報じたほか、現地の専門家が「(今回の)魚の大量死は、中国にハムを供給したいのであれば土地が破壊され、国際的な豚肉市場の『ゴミ捨て場』にならなければならないことを警告している」と述べたことを挙げ、「神ロジックで中国に責任を擦り付けた」と非難した。科学的ロジックで間接的にスペインでの養豚業も一因であると理解できる。問題は中国のせいであるとするスペイン側にあり、経済活動によって環境を破壊したのはスペインであり、他国に責任を擦り付けるのは見当違いな話である。(Record China)


2021年10月8日:文化遺産保護地域を元に戻したバイデンを州知事が告訴の意思/バイデン米大統領は、トランプ前大統領が縮小したナショナルモニュメント(国定文化遺産保護地域)3ヵ所の敷地境界を元に戻す方針を打ち出した。ホワイトハウスが7日、明らかにした。これにより、ユタ州のベアーズ・イヤーズとグランド・ステアケース・エスカランテの130万ヘクタール超、およびニューイングランド沖大西洋のノースイースト・キャニオン・シーマウント海洋国立モニュメントの約8000平方キロメートルが保護区に復帰する。これらはクリントン・オバマ両元大統領が保護区に指定したが、トランプが農場建設や採掘、商用漁業などの解禁を模索し、ユタ州ではモニュメント2ヵ所の80万9372ヘクタールについて保護区指定を解除していた。同州のコックス知事は7日、バイデン大統領の保護区指定復帰決定に失望を表明し、法的措置を検討する考えを示した。(ロイター)


2021年10月6日:WHOがマラリアワクチンを推奨/世界保健機関(WHO)は6日、アフリカの子供を中心に世界で毎年約40万人の死者を出している感染症のマラリアを予防するワクチンを初めて推奨したと発表した。テドロス事務局長は「歴史的な瞬間だ」と表明した。推奨されたのは、英製薬大手グラクソ・スミスクラインが1987年に開発した「RTS,S」と呼ばれるワクチン。2019年からガーナ:ケニア・マラウイのアフリカ3ヵ国で80万人超の子供を対象に試験的な接種が行われ、重症の症例数を3割減らすなどの高い効果と安全性が認められた。WHOは、流行の度合いが中程度から高度の地域で生活する5ヵ月以上の子供に、ワクチンを計4回にわたり接種することを推奨した。これを受け、対象地域の各国当局はワクチン使用の承認に向けた手続きを進める見通しだ。 (時事通信)


2021年10月5日:マレーシアでアオウミガメが11匹殺される/マレーシアのボルネオ島(Borneo)北部サバ(Sabah)州で、絶滅危惧種のアオウミガメ11匹が殺されているのが見つかった。水上生活を送る漂海民が食用目的で捕殺した疑いがある。当局が4日、明らかにした。野生動物保護当局の職員が1日、同州センポルナの近くをパトロール中に死骸を発見した。同局のオーガスティン・トゥウガ局長は、現場ではウミガメのものとみられる肉が入った袋やこんろ、ナイフが見つかった。容疑者の捜索が続けられているが、逮捕には至っていない。マレーシアでは、保護の対象となっているウミガメの捕殺は違法とされ、禁錮刑と罰金刑が科される。同局によると、同地域でのこうしたウミガメの捕殺は、ボルネオ島沖の船で暮らすことが多い漂海民「バジャウ人」によるものがほとんどだという。アオウミガメは密漁者に狙われたり、漁具に引っ掛かったり、卵を採取されたりとさまざまな脅威に直面しており、国際自然保護連合(IUCN)がまとめた「レッドリスト」で絶滅の危険が高い「危機(EN)」に分類されている。(AFP時事)


2021年10月4日:米カリフォルニア沖で原油流出・生物に被害/米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の沖合で原油少なくとも約47万リットルが海に流出し、地元当局は周辺の海岸を閉鎖して回収作業を急いでいる。同州ハンティントンビーチ市が3日、明らかにした。鳥や魚の死骸が打ち上げられるなど環境への影響が広がっている。沖合の石油プラットフォームとのパイプラインの破損が原因とみられ、米メディアによると、施設を所有する会社がパイプラインの使用を中止、流出は止まった。同市は、海岸に近づかないよう住民に呼び掛けた。米沿岸警備隊が原油流出を覚知したのは2日朝で、3日早朝までには一部が海岸に到達した。(共同通信)


2021年10月4日:カリブ海のリゾート襲う茶色い海藻の除去と転用作戦/メキシコ沿岸デサーガサムと呼ばれる海藻が異常繁殖している。アレハンドロ・ロペス・ゼンテノ海軍将校の指揮下、メキシコ海軍は州・地元政府と協力し、コロナ禍前には年間150億ドル以上の経済規模を誇った観光地を守る作戦を展開している。同州の観光事務局が明らかにした。海藻は、海岸に打ち寄せると黒く変色し、下水のような悪臭を放つ。あまりの強烈な臭いに観光客が体調を崩すこともある。昆虫を引き寄せ、シュノーケリングが楽しめるターコイズブルーの海を汚い茶色に変えてしまう。2011年以来、この地域とカリブ海一帯で爆発的に増え、原因として気候変動が疑われているが、完全に解明されていはいない。メキシコ海軍は3月以来、キンタナロー州だけでも3万7000トンを超えるサーガサムを砂浜や周辺の海から除去した。エッフェル塔3本分を超える重量だ。一方、地域一帯の企業家らは腐敗した海藻の山を金に換える方法をあれこれと探っている。飼料、燃料、建設資材からご当地カクテルまで、アイデアは多様だ。ウエスト・インディーズ大学の環境科学者、スリニバサ・ポプリは海藻から抽出した成分を医薬品や食品に生かす研究に取り組んでいる。茶色い海藻から抽出される成分のうち、用途として最も大きな可能性を秘めたものの1つがアルギン酸塩だ。ジェル状の特性から、食品の増粘剤や傷の手当て、防水物質として広く利用され、需要が大きい。コンサルタント会社、グローバル・マーケット・インサイツによると、2020年のアルギン酸塩の世界市場規模は約6億1000万ドルで、2027年には7億5500万ドルに増えると予想されている。サーガサムを建設資材に活用した人もいる。カンクンに近い海辺の街、プエルト・モレロスで幼稚園を営むオマール・バスケスは数年前からサーガサムを肥料に利用してきたが、2018年に建設資材に転用するアイデアが浮かんだ。結果としてサーガサムを焼いてできた「れんが」を使い、セメントのブロックを使うより6割安いコストで家を建てることができたという。「サーガブロック」として資材の特許を取得済みで、営利目的のフランチャイズにしたい意向だ。またカンクンのリッツカールトン・ホテルは、衛生処理したサーガサムのシロップをテキーラなどに加えたカクテルを提供した。サーガサムは北大西洋のサルガッソ海に何百年も前から存在することで知られる。それが熱帯のカリブ海に移動してきた経緯は明らかになっていない。2010年の強烈なハリケーンで一部が大西洋中西部に運ばれ、その種から新たなサーガサム帯ができて今では9000キロメートル近くの長さに広がったという説などがある。カリブ海に達したサーガサムがここまで爆発的に増えた理由も不明だ。科学者らは仮説として、気候変動・水質汚染・アマゾンの森林破壊・サハラ砂漠から吹き寄せたほこりなどの要因を挙げている。(ロイター)


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