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【時事評論2021】

【時事短評】日本の親中国亡国政治家

2021-06-30
  今朝のニュースで、親中国の政治家が中国共産党100周年に合わせて祝電を送った、というものがあった。そのほとんどが普段から親中国姿勢だったことから、さもありなんと思ったが、知らない者もいた。こうした公式の式典への関わり方で立場がバレてしまうことはよくあることだが、これを機に日本の中の亡国政治家を明記しておくのは意義があることだろう。出典はヤフーニュースとNEWS WEEKの両サイトに遠藤誉が書いた記事である。なお新聞として産経新聞にも「小沢氏 中国に祝意」というタイトルの記事が掲載された。

  彼女の経歴がとても興味深い。現在は筑波大学名誉教授・理学博士・中国問題グローバル研究所所長であり、中国の内部的問題点を鋭く指摘している。以下に紹介文を掲げる。

《1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史  習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』(3月22日出版)、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』、『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』,『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数》

1.公明党(祝電を送ったかどうかは7.1に判明):議員の中に熱烈な中国礼賛議員がおり、党としても中国批判に反対の立場を取っている。与党でありながら、G7との歩調を合わせて中国批判の動議を出した自民党有志の案に反対してこれを廃案に持ち込んだ。公明党は、「中国共産党側から要請があり、山口那津男代表名で、お祝いのメッセージを出した」と言うが、要請があれば何にでも応ずると言うのか?

2.二階俊博・自民党幹事長(祝電を送ったのが分かったのは7月1日) :自民党議員の中で最強の親中議員。数百人規模の遣中議員団を送っている。

3.河野洋平:元衆議院議員。「慰安婦問題」に関して官房長官だった時に「河野談話」で謝罪したことで有名。憲政史上最長の6年間、衆院議長を務めた。首相にならない自民党総裁であったこともある。長男の太郎に引き継いで2009年に引退。今回中国につぎのような祝辞を送った。
  「中国共産党は団結して中国人民を指導し、社会主義制度を打ち建て完全なものとしてきた。これは目を見張るばかりの輝かしい成果である。中国共産党が中国の発展をさらに大きく推進し、世界の平和と発展を守るためにさらなる貢献を果たすことを期待している」
  河野洋平の祝辞は6月26日、中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTVで大きく取り上げられ、中国共産党新聞網でも中国共産党の宣伝として使われている。
  長男の河野太郎(自民党衆議院議員、行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣、内閣府特命担当大臣)も外務大臣だったころに、中国外交部の報道官・華春瑩とツーショットを撮り、SNS上で流したことで有名だ。

4.小沢一郎・立憲民主党衆議院議員:立憲民主党の小沢一郎衆院議員が、中国共産党創建100年の記念日となる7月1日を控え、中国側に祝意を表すメッセージを送っていたことが29日分かった。中国国営通信の新華社によると、小沢は祝辞で「国際社会が中国にかつてない大きな期待を寄せている」などと述べた。小沢は李克強首相と親交を結ぶなど、自民党に在籍していた時代から中国共産党とのパイプを築いてきた経緯がある。

5.近藤昭一・立憲民主党議員(祝電を送ったかどうかは不明) :立憲民主党の現職議員で、日中友好議員連盟幹事長の近藤昭一氏は、6月10日に中国政府の通信社である新華社の取材を受け、尋常ではない中国共産党絶賛を展開している。これは中国網の日本語版で紹介されているので、そちらをご覧になると全容がわかる。「人民のために服務するというのが、中国共産党の貴い精神である」と発言するなど、その絶賛ぶりが尋常ではないことが見て取れるだろう。この時の映像はCCTVでも大々的に放映されている。このことは近藤昭一に関する日本語のウィキペディアの「中華人民共和国」の項目でも紹介されている。

6.藤田高景(祝電を送ったかどうかは不明) :「村山談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長のインタビュー記事は、中国共産党のウェブサイトの一つである「人民網」の「百年大党、信仰が未来を照らす(百名の外国政党政府要人が見る中国共産党)」というシリーズの中に掲載されている。この「信仰」というのは「中国共産主義」のことで、中国での履歴書には「信仰」という欄が設けられているものがあり、そこに「中国共産主義」と書くと就職しやすい。彼は冒頭で「中国共産党は遠大なる理想を持っていて、自己の特殊利益を求めない。すべてが、人民に良い生活を送らせるためだ」と回答している。

7.日本の霞山会(かざんかい:一般財団法人):中国共産党建党百年を祝賀するメッセージを送った。霞山会の前身は1898年に設立された東亜同文会だが、上海に高等教育機関として東亜同文書院を設立した時期があった。毛沢東が派遣したスパイ藩漢年が親密にしていた岩井英一は、この上海同文書院と深く関係している。現在もなお、毛沢東が建国した中国共産党の国家に対して協力的である。

8.枝野幸男・立憲民主党党首:「香港やチベットなどに対する人権侵害については甚だ遺憾だ。もろ手を挙げてお祝いする状況ではないが、北京政府(中国政府)とわが国は物理的に避けられない近い距離にある。その政権を担う政党に対する儀礼的なメッセージは用意している。私の名前で出す」と6.30の記者会見で述べた。同党幹部は会見直後、「うちは、あくまで中国側からの打診(要請)に儀礼で応じたまでだ。そこは分かってほしい」と、繰り返し記者に念を押した。

9.福島瑞穂・社民党党首:社民党も「福島瑞穂党首が出した。これをもって『党として出した』と言っていい」(福島氏の国会事務所)と回答した。

  中国の党の記念日に祝意を示さなかったのは日本維新の会・国民民主党・共産党だけのようだ。志位和夫委員長率いる日本共産党は「中国側からの要請もなく、お祝いは出していない。そもそも、東・南シナ海での力による現状変更、覇権主義的振る舞いや、人権弾圧を見ると、中国共産党は共産党の名に値しない」と言い切った。立派な態度だ。なぜ他党はこうした発言ができないのか? 福井県立大学の島田洋一教授(国際政治)は「国際社会の批判を浴びるなか、祝意を示す政党があるとは、実に情けない話だ。あり得ない。日本共産党が、よほど筋が通ったことを言っている。祝意を伝えたことだけが歴史に残る。中国側の宣伝にも利用されかねず、問題だ」と語っている。 

  こうしてみると、日本では与野党や団体の中に多くの親中派を抱えており、各県にあると思われる日中友好協会などを通して中国礼賛のプロパガンダが繰り広げられている。筆者は昔、友人に誘われて某市の日中友好協会が主催した中国ツアーに参加したことがある。旅費は常識的であったが、会長などはタダだったのであろう。唯一不思議だったのは、旅行中に中国人や団体との交流が何も無かったことである。会長は恐らく市から補助金を得ていたのだろうし、中国からも便宜を図ってもらっていたはずである。筆者は単に利用されただけであった。その代わり、当地で台湾人旅行者団体と親しく挨拶を交わしたことは忘れられない思い出となっている。(7.1追記)


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