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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2021】

人間の心の評価

2021-03-16
  人間の心について考える学問は心理学などがあるが、学問は心の有り様やその変化については研究するものの、その価値については論じない。だが哲学ではそれが問題となり、道徳や倫理ではそれが最も重要な評価対象となる。また人間生活の上でも処世術の上でも人間の心(心理)について知ることは非常に重要なことであることは誰でも知っている。本項では人間の心の在り様を求めるために、また未来社会において心を評価の対象とするために、心の評価が可能かどうかを試す意味で議論をしてみたいと考えた。

  人間の心は、①本能・②感情・③思惟の3つから生ずると思われる。①の本能は正に生物として共通のものと、人間に特有な本能とがある。②の感情は主として動物脳としての生存本能から出てくるものが多く、③の思惟には人間脳(大脳の前頭葉)から生ずる信条・矜持・思想などがあると考える。この考え方は従来の心理学・道徳などの枠組みとは関係ない、筆者独自の捉え方であることをお断りしておく。心の有り様はこれら3つが複雑に絡み合って生ずるため、絶えず揺らぎを持っている。だが信念使命という高度な心的状況に至ると、これはかなり強固なものとなる。

  人の心は現代の科学技術をもってしても窺い知ることはできない。だが①の感情については表面的にも身体的にも現れやすく、しばしば実験では心電図計や脳波計が用いられるが、嘘発見器はその応用であろう。だが感情は意思で制御可能なものなので、うそ発見器は万能ではない(1.7「制御思想」参照)。未来において心の中で考えていることが、外部に言葉として検出可能になれば、多くの知見が得られるとともに、危険な応用も当然考えられることになる。人間が嘘を付けなくなることが果たして良いことなのかどうかまでは筆者には現時点では判断できない。

  だが人間の心が表に言葉や行動となって出てくるものを評価することは可能である(20.10.11「評価・認定・資格 」参照)心を直接評価することはまだ難しいことから、言葉や行動から心を推察し、それを評価してみたいと考える。最終的に①本能を6項目に絞ったが、②感情は53項目に拡大してしまった。③思惟は5項目に絞った。人の心はこれらが複雑に絡み合って出てくると思われる。結果は以下に示すリンクからエクセル表を参照してもらいたい。

  参照リンク:「人の心の評価

  表に挙げた心の分類を、様々な対象に当てはめて解析してみたい。たとえば犯罪者の心の有り様を分析して評価してみるとか、政治家の心の有り様を分析して評価するとかなどの応用が考えられる。今回はここまでで終わりにしておきたい。また改めて別のテーマでこの表を引用して解析してみたい。ここまでの作業で気が付いたことは、評価を5点を境として良い心と悪い心を分けてみたが、それらを評価順に並べることで、良い心と悪い心を分類することができることが分かった。またそれぞれに共通するものがあることも発見できるだろう。そして人の行動をその心理面から分析する際に、この表の評価が役に立つかもしれない。その考察を含めて、別項で論じてみたい。


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