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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

北朝鮮

2021年12月

2021年12月31日:ヨジョンが軍後方支援総司令官に就任/北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹であるキム・ヨジョン(金与正)党副部長が、朝鮮人民軍の兵站などの総後勤部門を総括する人民軍最高司令部後方支援総司令官に任命されていたことが明らかになった。すでに、与正氏は朝鮮半島の南北問題と外交問題全般の責任者に就いているのに加え、近く開催の党中央委員会で党内序列が上がり、党中枢の党政治局員に昇進する可能性が強まっている。今後は党・軍・外交という極めて重要な部門を任されることで、実質的な金正恩氏の後継者としての地位に就くとの観測も出ている。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は20121年12月18日、金正恩・与正きょうだいの父、金正日総書記の死去から10年となったことを受け、前日の17日に開かれた中央追悼大会出席の幹部として8人の党政治局委員に続いてヨジョンの名前を挙げた。ヨジョンが政治局候補委員よりも先に紹介されたため、政治局の委員または候補委員に選出されたとの見方が強まっている。ヨジョンは昨年まで組織指導部第1副部長兼政治局候補委員だったが、2021年1月の党大会で宣伝扇動部副部長、中央委員会委員に降格。しかし、最高指導者の妹として対韓・対米などの外交業務全般を取りまとめながら対外メッセージを発信し、影響力を誇示してきた。これを裏付けるように、ヨジョンは今年9月の最高人民会議(国会に相当)で8人の国務委員の1人に選出されている。韓国の情報機関、国家情報院は、ヨジョンの2021年の公開活動の回数が34回と2020年の17回に比べ急増し、外交業務を担当しながら非公開で地方を訪れ、住民生活の動向を把握し、ジョンウンに報告していることを明らかにした。このようななか、RFAはこのほど、金正恩総書記が2021年10月中旬、ヨジョンを人民軍最高司令部後方支援総司令官に任命していたと報じた。ジョンウン総書記は軍最高幹部と懇談した際、一部の部隊幹部が食糧などの兵站物資を横領しており、地方部隊を中心に物資が不足し、栄養障害で戦闘などに参加できない兵士が多いと軍の実情を訴えられた。ジョンウンは「不正を糺すために、信頼すべき人物が必要だ。これまで軍とは関係が薄かったヨジョンに後方支援総司令官を任せて、問題を解決してもらおう」と述べて、与正氏の軍幹部登用を命令したという。韓国の国会情報委員会は、ヨジョンが国務委員会委員などに任命されたことについて、ヨジョンに金総書記の妹という地位にふさわしい公式の肩書が与えられたとしたうえで、軍を含む外交・安全保障を統括していると説明している。(NEWSポストセブン)


2021年12月30日:北が核兵器の法制化へ・ジョンウンの意向/(デイリーNKジャパン)(22.10.8記) 北朝鮮当局は、戦略軍司令部・国防省・総参謀部など軍の主要幹部を対象に「核戦力の法制化が必要だ」とする特別講演会を実施したという。 この動きはジョンウン唯一人の意思で核兵器を発射できるようにするためのもので、後に分かった情報では、その後軍総政治局と国家保衛省(秘密警察)は幹部たちの間でどのような世論が形成されているかを調査し、法制化を批判した幹部らをブラックリストに載せた。その上で反対の動きを示した幹部ら3000人が粛清されたという。


2021年12月29日:北では「コロナ」という単語は使えない/北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)市郊外にある白土里(ペクトリ)にある3号教化所(刑務所)から今月18日、煙が上がった。市内中心部から南へ数キロ、新市街地に隣接した地域だけあって、時間帯がもし昼間だったら、その光景を目の当たりにした市民の間に動揺が広がったことだろう。この煙の正体は、70体もの遺体を火葬した際のものだった。3号教化所と近隣にある労働鍛練隊(軽犯罪者を収監する刑務所)で、発熱・咳・嘔吐などを症状を見せ、死亡する者が相次いだ。いずれの情報筋も「コロナ」という言葉は使わずに、「伝染病が広がったようだ」と伝えた。北朝鮮では「コロナ」という言葉の使用が徹底的に避けられることもあり、コロナなのか別の伝染病なのか、情報筋の話だけではどちらかは判断できない。労働鍛練隊の受刑者が受刑中に死亡した場合、遺体はそのまま家族に引き渡されるが、コロナの疑いがある場合は火葬を行う。これが噂の根拠となっているようだ。つまり、人々の使われる用語は「伝染病」だが、実際は「コロナ」を指していることが充分考えられる。(デイリーNKジャパン)


2021年12月27ー31日:朝鮮労働党中央委員会総会開催/金正恩党総書記は総会で、不安定化する朝鮮半島の軍事的環境と国際情勢は「国防力強化を求めている」と述べ、軍強化を指示したほか、農業の生産拡大が「切実な課題」だと訴えた。外交方針も示したが、報道では対米政策や核・ミサイル開発の具体的内容は明らかにしなかった。これは珍しいことである。(共同通信) 対米政策に行き詰ったということだろう。権威が失われていく1過程であると観るべきである。


2021年12月22日:ピョンヤンで「キムのイヌ野郎」の落書き/デイリーNKの現地情報筋によれば、平壌・平川(ピョンチョン)区域で22日、マンションの外壁に「金正恩の犬野郎、人民がお前のせいで餓死している」とする落書きが見つかったという。北朝鮮において、このような行為は国家に対する反逆とみなされ、犯人が捕まれば極刑は免れない。北朝鮮で反体制的な落書きが見つかることは過去に何度もあったが、党総会を控えた厳戒期間中、金正恩氏を名指しした落書きに当局は衝撃を受けているようだ。(デイリーNKジャパン)  落書きは「豚野郎」とすべきだった。


2021年12月21日:ジョンウンが逸話を真似てピョンヤン市民に魚配布/朝鮮中央通信は21日、北朝鮮の金正恩総書記が平壌市民に魚を供給するよう指示したと伝えた。人民軍の水産部門が捕獲した数千トンの魚を載せた列車とトラックが平壌に到着したという。ジョンウンの父、ジョンイル(金正日)は死去前日の2011年12月16日にピョンヤン(平壌)市民への魚供給を指示したと宣伝されている。この逸話を踏まえ、ジョンウンが正日死去10年に合わせて同様の指示を出したもようだ。(時事通信) 自分が死にそうになってからやるべき事を、今やるというのはピョンヤン市民に相当不満が募っていることなのだろう。それにしても腐りやすい魚をどうやって大量に仕入れたのか、その裏舞台を知りたい。まさか強制的に徴収したのではあるまい?


2021年12月14日:機密文書所持の軍官が買春で厳罰/北朝鮮の駅周辺には、「待機宿泊」と呼ばれる民泊が数多く存在する。停電などで運転見合わせや遅延が多発する中、列車を待つ間に食事や休憩、宿泊するための施設で、売買春の温床ともなっている。このような宿泊施設が多数できた背景には、国営の宿泊施設の数が非常に限られている上に、公務で出張する人でなければ泊めてもらえないという事情があるが、国営施設でも売春が行われている点では待機宿泊と変わりない。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の30代軍官(将校)が、任務遂行中に咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)駅前旅館に宿泊したのだが、旅館前で客引きから声をかけられ、21歳の美貌の女性を連れて、チェックインした。女は売春組織の親玉とグルになって、強力な麻薬性睡眠剤を入れた飲み物を軍官に飲ませ、1分後に気を失ったのを見計らって、所持品すべてを盗み、軍服と軍靴は市場の中古品売り場で売り払い、証拠隠滅のため、軍官の身分証とバッグ、中に入っていた書類は、台所のかまどで燃やしてしまった。軍官は、機密文書紛失に加え、軍事任務遂行中に買春を行ったかどで、軍法により重い裁きが下されるだろうと情報筋は伝えた。(デイリーNKジャパン)


2021年12月13日:北朝鮮軍が戦略軍と建設団に注力/北朝鮮が朝鮮人民軍で核・ミサイル兵器を扱う戦略軍に新兵を集中投入している実態が、韓国の専門家の研究で分かった。旧来の陸海空軍への配置を抑える一方、新兵を経済建設にも動員。韓国の民間組織「北朝鮮民主化ネットワーク」のキム・ヨンファン(金永煥)研究委員が北朝鮮内の協力者を通じて入手した今年の新兵募集に関する内部情報によると、新兵の約3分の1を戦略軍に配置するという。残る3分の1をアパート建設など土木工事を担う建設団に投入。従来の陸海空軍部隊への配置は3分の1に抑えるとされる。ジョンウンは2011年12月の軍最高司令官就任以降、戦略軍拡充に力を入れてきた。韓国国防省は2020年版国防白書で、戦略軍の兵力は1万人を超え配下のミサイル旅団数を9個から13個に増やしたと明らかにした。韓国軍の政策諮問委員を務めるクォン・テファン(権泰煥)韓国国防外交協会長は「北朝鮮は在来兵器では米韓に追いつけず、核・ミサイルに集中するほかない」と指摘する。金永煥は、北朝鮮には経済を圧迫してきた兵力維持のための軍事費を削減したい本音があるとみる。全兵力は約128万人と推算されるが、韓国の情報機関によると、北朝鮮は今年、男性で8~9年、女性で6~7年だった兵役期間を最長で2年短縮した。金永煥は、実質的には100万人を割り込んでいる可能性があるとも分析する。一方で、有事に韓国を急襲するための特殊作戦軍に約20万人を擁し、サイバー攻撃の要員も約6800人に上るとされる。北朝鮮の軍事に詳しいユ・ドンヨル(柳東烈)韓国自由民主研究院長は「余分な兵力を経済建設に回す半面、戦略軍や特殊作戦軍には精鋭を配置するエリート主義にシフトしている」と説明する。相次ぐ実験による新型ミサイルの多様化と合わせ、日韓への軍事的脅威はむしろ高まっている。(産経新聞)


2021年12月11日:ジョンウンの革コート疑似品を販売禁止/革製のトレンチコートは、金正恩氏がそれを着用した映像が朝鮮中央テレビで流されたことで、2019年に人気が出た。妹の金与正・党副部長ら幹部も着用するようになり、それを見た市民の多く、女性までもが真似をするようになったという。しかし、北朝鮮当局は「国家の指導者である金正恩氏のファッションを真似ることは無礼である」として、革製のトレンチコートを着ている住民を取り締まるよう警察に指示。警察は「ファッション取り締まり部隊」を創設して、市場を中心に取り締まりを強化し、革のコートを見つけると「不敬罪」で没収している。しかも、没収されたコートは警察のルートで闇市場に流れて、また市場に出回るなどの堂々巡りになっており、結局は警察が私腹を肥やしているだけという顛末になっているという。(NEWSポストセブン)


2021年12月10日:北で「黄色文化」が再興・ジョンウン命令も効果なし/最近、食堂をはじめとした一部の社会奉仕施設(サービス業)が、規定に背いて密かに個室・マッサージルーム・チムジルバン(サウナ)を設置し、客を引き入れ、一部な退廃的な行為(売春)まで繰り広げている。北朝鮮の刑法249条「売淫罪」は「売淫行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に処し、罪状の重い者には5年以下の労働教化刑に処す」と定めている。また、行政罰を定めた行政処罰法220条「売淫行為」は「売淫行為を行ったり、それを助長、仲介、場所を提供した者には罰金または3ヶ月以下の労働教養処分とする」としている。かつてレストラン・マッサージ屋・銭湯(サウナ)・カラオケなど社会奉仕施設では、不倫や売春を含めた「黄色文化」(いかがわしい行為)が広く行われていたが、2016年に金正恩総書記の厳命を受けて全国的な検閲(監査)が行われ、多くの関係者が処罰され、下火になっていた。ところが、「コロナ禍で漂い続ける重苦しい空気にストレスを溜めた一部富裕層の間で、これらの行為が再び横行するようになった」とのことで、当局は取り締まりに乗り出した。取り締まりの対象は、主な顧客層である高位幹部・トンジュ(金主、新興富裕層)・業者・従業員だ。寒さと空腹に耐え日々を過ごしている一般庶民は、当局がいかなる処分を下すか、怒りをもって注視している。(デイリーNKジャパン)


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