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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

北朝鮮

2021年11月

2021年11月28日:ジョンウンが国営商店で市場経済を抑圧/1990年代からなし崩し的に進んだ北朝鮮の市場経済化。それを押し留めようとする国の政策はことごとく失敗している。2009年の貨幣改革(デノミネーション)はその最たるものだ。私経済に流れ込んだ資金を無効化し、経済の主導権を国の手に取り戻そうとしたものの、国中が大混乱に陥った。ジョンウンは、父・金正日総書記のそんな統治を見て育ったせいか、最近に至るまで市場に対する統制をかけようとしなかったが、ここに来て政策に変化が現れている。国営商店の増設と市場の縮小という政府方針だ。「委託販売人民奉仕経営体系」という名称は事実上の国営商店による市場の支配である。商品を持っている人が自ら市場で販売するのではなく、国営商店が買い取って、小売りをするというものだ。これは、2021年1月の朝鮮労働党第8回大会で示された、今後5年以内にすべての工業製品、食料品、電化製品、衣服など人民消費品(生活必需品)を国家経営の商店で安く販売する体系を立ち上げるという計画に基づいたものだ。個人の商売をだめにして、ごく一部の層が利益を独占する結果になりかねないとの見方もある。最悪の結果が目に見えるようだ。(デイリーNKジャパン)


2021年11月24日:「速度戦」などにより過負荷の工場で事故多発/北朝鮮で11月24日午後、咸鏡北道の古茂山(コムサン)セメント工場の焼成炉が突如として爆発。労働者2人が即死、6人が重傷を負う大惨事へと発展した。国家経済発展5カ年計画の初年度の計画を完遂するために力強い闘争を繰り広げるとして、補修を行う暇もないほど炉をフル稼働させ計画達成に邁進していた。工場の朝鮮労働党委員会が「計画未達成は絶対に許されない」として、いかなる艱難辛苦があろうとも、計画を無条件で将軍様(金正日総書記)の亡くなった日である12月17日までに達成する目標を立て、通常の2〜3倍の稼働を強いていた。事故で障害を負っても、国からのまともなケアが得られず、経済的に困窮することになった家族は、深いため息をついているという。(デイリーNKジャパン)


2021年11月21日:北朝鮮が国連の人権侵害非難決議に反発/北朝鮮外務省は21日、国連総会第3委員会(人権)が同国の人権侵害を非難する決議を行ったことに反発し「わが国のイメージに泥を塗ろうとする重大な主権侵害行為で、強力に糾弾、排撃する」とする報道官談話を発表した。朝鮮中央通信が報じた。人権侵害は存在しないとし、国連が内政干渉と体制転覆を図る場に悪用されていると指摘した。談話は、北朝鮮が「人民大衆第一主義」を掲げ、住民の権益を最優先に考えていると強調。決議採択を進めた国々こそ人種差別などが横行していると主張した。人権の定義そのものが異なるのだから、北の言うことにも一理はある。人道という言葉を使えば、北は明らかに人道に反する政策を取っていると言えるだろう。(共同通信)


2021年11月21日:北が中国から10月に乳製品輸入急増/中国税関総署が21日までに発表した10月の貿易統計の内訳によると、北朝鮮は同月、中国から乳幼児向けの乳製品を約8.9トン輸入した。9月は13キロしかなく、急増している。食品類では他に目立って多いものや増えたものはない。北朝鮮では新型コロナウイルス対策での中朝国境封鎖による貿易減少で、国内の物資や食品不足を懸念する声が出ているが、実態は分かっていない。輸入品のうち金額ベースで最も多いのはゴム製品の約700万ドル(約8億円)。プラスチック製品とたばこ類が続いた。北朝鮮から中国へは約2万7千ドルのビールの輸出があった。(共同通信) 
北の飢餓状況は乳児にも及んでいると見られる。母親が栄養不足になると、母乳が出なくなるからである。興味深いのは、ゴム製品(コンドームだろうか)・タバコという嗜好品が飢餓状況でも最も必要だということだろう。人間の心の安定に必要だからだ。北は庶民にビールという嗜好品を提供せず、外貨を稼ぐために使っているように見える。


2021年11月21日:北政府が外貨回収のためトンピョ利用/北朝鮮で1979年から2002年まで使われていた「ウェファワ・パックン・トンピョ」のことだ。外貨を両替する際に北朝鮮ウォンの代わりに渡された外貨兌換券で、北朝鮮ウォンと同じ価値を持つとされていたが、当時は実際には額面の数十倍で取り引きされていた。だが今回発行されたトンピョは額面の2/3か半分程度の価値しかない。外貨が国内にわずかしかないところへ、それを上回る量が発行されているからと見られる。商人だけでなく、国営の商店でさえ、トンピョの取引を拒否する事例があるという。政府はトンピョの受け取りを拒否したり、額面より低く扱った者を取り締まっているが、「強制より教育が優先」との方針から、政治学習資料を配布したりして認識改善教育に力を入れている。重罪に処すという手法では自発的使用をしなくなることを見越した措置である。国から予算を現金ではなくトンピョで受け取った各企業所の財政課は、すぐに北朝鮮ウォンや外貨に両替したり、銀行に入金したりして、早く使い切ろうとしている。信用がなく、政策次第では紙くずになりかねないため、手元に長く置いておこうとしないのだ。同様なことが「公債」にも起こっており、2021年上半期に発行されたものの発行中止に追い込まれている。国家経済が破綻している北朝鮮で、超インフレが起こっていないというのは奇跡であろうが、必ずそれは起こるだろう。トンピョとは外貨との兌換可能な金券であり、(ノム通信・デイリーNKジャパン参考)


2021年11月14日:中国電力不足が北朝鮮を苦しめている/深刻な電力不足に苦しんでいる中国が、北朝鮮に電力の販売量増加を強く要求している。北朝鮮は、要求に応じなければ、パイプラインを通じて中国から入ってくる原油を止められると恐れを抱いている。北朝鮮は劣悪な自国の電力事情そっちのけで、中国に電気を「飢餓輸出」している。家庭用の電力だけならまだしも、国家経済発展5ヵ年計画の達成に欠かせない工場の稼働すら止めてでも、電力を輸出に回すほど、北朝鮮の懐事情が深刻な状態になっていることを示す。平安北道では水豊(スプン)ダムがメインの発電所だ。だ。朝鮮が日本の植民地支配下にあった1943年に完成し、朝鮮戦争で破壊されるも、旧ソ連の援助で復旧、1955年4月に北朝鮮と中国が結んだ「鴨緑江水力発電所に関する協定」で、発電した電気は両国が半分ずつ使うことになっていた。2018年になって、全量を北朝鮮が使えることとなったが、それにもかかわらず電気の供給時間が短縮された。最近に入って一般家庭に供給される電気が1日2〜5時間から1〜2時間に減り、周囲の工場では交差生産(時間帯をずらしての操業)に入ったと伝えた。情報筋によると、このような交差生産は、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころを除き、いくら電気が不足していても行われていなかった。しかし、最近では定州(チョンジュ)精錬所、清水(チョンス)化学工場でも電気が供給されず、生産に支障をきたしている。(デイリーNKジャパン)


2021年11月13日:北朝鮮の「喜び組」システム/独裁国家のトップは必ず女性を独裁的に選別し、性欲の解消策として用いる。北朝鮮ではそれが通称「喜び組」という形でシステム化されており、公然と娼婦団を形成しているのである。彼女らは強制的に選択され、数々のチェックを通じて最終的にジョンウンのおめがねに適うものが選抜される。そして公的には取り巻き女性群として写真に納まる他、個人的な付き合いを強制させられる。だが彼女らの大分部はそれを非常に名誉としているようだ。それこそ、喜んで身を奉げているのである。「喜び組」の歴史は1970年代中盤まで遡る。1976年ごろに中央党の5課が誕生した。当時、公式の後継者として選ばれて間もなかった金正日氏が、父・金日成主席の長寿のためだとの口実で、全国から女性を選抜するために作った部署だ。実際に動いていたのは、金正日氏の妹のキム・ギョンヒ(金慶喜)の夫に当たるチャン・ソンテク(張成沢)であった。選抜のシステムは以下のようである。5課の要員は、全国の学校を回り、美女と呼ばれる女性の1次審査を行う。続けて、郡・区域レベルで身体検査を行い2次審査を行う。ちなみに選ばれるのは女性だけではなく、男性も含まれ、彼らは金正日氏の親衛部隊となる。2次審査を受けたことがあるというチュは、その様子を次のように語っている。「私も学校に通っているころ、2次審査を受けたことがある。授業時間に男性数人が入ってきて、周りを見渡して『お前、立て』と言って、教室の後ろに立たせる。背格好を見定めて、午後に校長室に来るように言って出ていく」「校長室に行ってみると、卒業を控えた生徒と、下の学年の生徒も来ていた。学校で美人だと言われていた女性は全員来ていた」という。学校での審査が終わると、郡や区域の病院で結核や感染症にかかっていないかを検査する。合格した者は道レベルで身体検査を受ける。検査項目には処女であるかどうかも含まれる。そこで選ばれた者は首都・平壌でさらに検査を受ける。この時点で50人ほどが残っている。彼女らの情報は冊子にまとめられる。1人あたり3ページを使い、最初のページには正面・側面・全身の写真数枚、2ページ目には生い立ちや家族に関する情報、3ページ目には「将軍様に忠誠を尽くす」という血書という構成だ。ジョンウンは、50人分150ページの冊子に目を通し、そこから10人を選ぶ。そして、2〜3人ずつ呼んで共に食事をした後、最終的に2人を選ぶ。彼女らは金正日氏の身辺の世話はもちろん、狩りに出かけたり、水泳をしたり、カラオケに行ったりするなど、金正日氏と共に時間を過ごす。まさに大奥の奥女中のような存在だ。一方、最終審査で脱落した者は、交通安全員(交通警察)や海外派遣要員になる。党幹部たちの愛人として囲われるケースもあったようだ。(ノム通信・デイリーNKジャパン参考)


2021年11月12日:北が日本の大学受験資格に難癖/北朝鮮外務省は12日、日本の大学受験を希望する朝鮮高校の卒業生が、大学ごとに入学資格審査を課せられている状態について「日本政府の極端な民族差別であり、学ぶ権利を踏みにじる非人道的行為だ」と批判し、こうした政策をやめるよう日本政府に求めた。同省日本研究所のミン・ギョンム研究員名義の同日付記事をホームページに掲載した。日本政府は2003年に外国人学校卒業生の大学受験資格を原則的に認めたが、朝鮮学校は対象に含めず、「本国の教育課程の確認が困難」として各大学に個別に受験資格を判断するよう求めている。(共同通信) 非人道的国家がよく「人道」を理由にしたものだ。こんな発言は許されるものではない。日本政府のやり方は甘い。朝鮮学校の卒業生には大学受験資格を与えるべきではない。そもそも朝鮮学校は反日教育をしており、存在そのものが許されるべきではない。


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