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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

北朝鮮

2021年10月

2021年10月30日:北は盧泰愚死亡を報道していない/北朝鮮メディアは30日まで、韓国の盧泰愚元大統領の死去を報じていない。韓国政府は南北関係改善への貢献を理由に「国家葬」としたが、盧泰愚政権期の南北合意はいずれもほごになっており、北朝鮮は盧氏の役割を評価していない可能性がある。北朝鮮メディアは韓国の歴代大統領に関し、在任中に関係が悪化した金泳三氏が2015年に死去した際も報じなかった。一方、南北首脳会談を行った盧武鉉氏が09年5月に自殺した後には金正日総書記が弔電を送ってその事実をメディアが伝え、同年8月の金大中氏の死去に際しては弔問団も送った。(共同通信)


2021年10月29日:北では紙幣用の紙も枯渇・臨時紙幣発行/新型コロナウイルス対応で国境封鎖を続けてきた北朝鮮で、紙幣用紙や特殊インクの輸入が滞り、苦肉の策として、国産用紙で臨時紙幣を発行していることが分かった。韓国の情報機関、国家情報院(国情院)による非公開での国会報告に出席した議員が29日までに明らかにした。医療品不足で腸チフスなどの伝染病も蔓延。食糧難から、ジョンウンは「薄氷の上を歩く思いだ」と吐露しつつ、「米一粒残さず収穫せよ。飯を食う者は全員、農村支援に行け」と軍や国民の動員を命じたという。例年より早く10月20日ごろには稲刈りを終え、今年の収穫量は水害に悩まされた昨年を上回ると予測されている。国情院は、北朝鮮が経済難の深刻化を受け、11月から中国との間の鉄道運行を再開する可能性があるとの見通しも示した。7月以降は、船舶による緊急物資の搬入を増加させてきた。(産経ニュース)


2021年10月29日:北が「終戦宣言」に条件を付けてきた/韓国が提案している朝鮮戦争(1950〜1953年)の終戦宣言について、北朝鮮は議論に応じる先決条件として、米韓合同軍事演習の停止や、主要な経済制裁の解除を要求した。韓国の情報機関・国家情報院が28日、国会に報告した。米国が条件を認める可能性はほとんどないとみられる。(読売新聞)


 
2021年10月29日:韓国が法王から北訪問を願っていると言質をとる/韓国のムン大統領は28日午前、イタリア・ローマで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席などに向けて出発した。ムンは欧州でまず、29日にバチカンのフランシスコ教皇と会談し、法王の北朝鮮訪問を依頼した。これを受けて法王は「招請状を送ってくれれば、皆さんを助けるため、平和のため、喜んで向かう」と述べたそうだ(韓国大統領府発)。ムンは2018年10月に初めて教皇庁を訪問した際にも、教皇に北朝鮮訪問を提案した。その際に教皇は「北朝鮮から公式に招待状が届けば訪問も可能」と答えている。しかし、北朝鮮が韓国との対話も再開していない中、教皇を招請する可能性は極めて低いとみられている。(デイリーNKジャパン・産経ニュース)(10.29訂正)


2021年10月28日:ジョンウンが独自体制へ移行を画策か?/韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は28日、国会情報委員会による国政監査で、北朝鮮の金正恩総書記が党の会議場に飾られていた祖父の故金日成主席、と父の故金正日総書記父子の写真を撤去し、「金正恩主義」という用語を内部で使用するなど、独自の思想体系の確立を始めたと明らかにした。 また、妹のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長が国家の重要政策を決定する国務委員会の委員に任命されたことに関しては、立場にあった地位が与えられたものだとし、「外交や安全保障を統括している」との分析を示したという。ジョンウンが、祖父や父の存在を押しのけ、独自路線を行く兆候は以前から表れていた。正日は、1994年に金日成氏が死んだ後、「遺訓統治」を強調した。「建国の父」である金日成氏のカリスマを、自らの統治に利用したのだ。それと比べ、ジョンウンは遺訓を強調したことがごく少なく、最近ではほとんど言及がない。(デイリーNKジャパン)


2021年10月27日:北が国連の評価に反発・余計なお世話と非難/北朝鮮の「朝鮮人権研究協会」の報道官は26日、国営の朝鮮中央通信(KCNA)を通じて談話を公表し、国連が今月まとめた報告書で北朝鮮の人権・人道状況に懸念を表明したことについて、「悪意のある中傷だ」と反発した。トマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権状況特別報告者は、新型コロナウイルスが流行する中、国際的に孤立している北朝鮮で飢餓が起きるリスクがあり、同国の核・ミサイル開発に対する国連の制裁を緩和すべきだとの報告書をまとめた。朝鮮人権研究協会の報道官は「わが国は人民の生活保障と暮らしに全面的な責任を負っており、人民の生活状況を心配してくれと誰かに頼んだことはない」と反発。制裁緩和を提言した報告者に感謝する気持ちは全くないようだ。(ロイター)


2021年10月24日:弾圧一辺倒のジョンウンが軟化か?/北朝鮮には事実上、国民の意思を政治に反映させる仕組みが存在しない。だからといって、北朝鮮に世論が存在しないわけでもなければ、世論が政治に全く反映されないわけでもない。人々が何を考え、何を語っているかは、国家保衛省(秘密警察)が各地に送り込んだ情報員(スパイ)を通じて集約されるようになっている。それが時には金正恩総書記を動かすこともある。人々が著しいストレスを受け、不満がたまる一方の現地の情報が、ジョンウンの耳にも入ったようだ。彼は民の反乱を恐れている。会議では民への配慮を初めて指示した。ジョンウンは9月11日、脱北者家族への監視、締め付けをさらに強化せよとの方針を下しているが、9月29日に下した方針は住民に対する配慮を指示している。先の指示を朝令暮改のように撤回したのか、両方の方針を併存させるのか、詳細は今のところわかっていない。(デイリーNKジャパン)


2021年10月23日:飢餓に苦しむ北朝鮮軍・「空腹で動けない」/北朝鮮では1日の摂取すべきカロリーは1954年に3800キロカロリーに定められたが、横流しなどで量が減り、末端の兵士の元に届くころにはすっかり目減りしている。兵士たちは飢餓という敵との戦いを迫られ、空腹に耐えかねて、民間人の家や農場を襲撃する有様だ。そんな状況に対して、金正恩総書記が2021年5月、栄養失調者を収容する保養所の開設を指示した。これを実施する準備として検閲団は、11月末までの期間に、兵士の食事の状態、体重などをまとめた報告書を完成させようとしている。具体的には、定められたとおりに大豆粉に水を混ぜたものを1日3回、おからを週4回提供しているかをチェックするという。軍の5つの訓練所では止む無く市場で大豆を買い入れるという選択をしたが、大豆1キロの値段は5日には4300北朝鮮ウォンだったのが、18日の時点で5000北朝鮮ウォンまで上がっている。軍の問題で、庶民にしわ寄せがいっているのだ。(デイリーNKジャパン)


2021年10月22日:国連が米に北朝鮮制裁緩和を要求・米は拒否/北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者は22日、新型コロナウイルス禍により北朝鮮で飢餓が広がる恐れがあるとして、安全保障理事会に制裁の緩和を検討するよう求めた。ニューヨークの国連本部で開いた記者会見で語った。これを受け、米国務省のプライス報道官は22日、「北朝鮮の体制が同国の人権状況に責任を負うのは単純な真実だ」と強調。「安保理の対北朝鮮(制裁)決議は引き続き有効であり、全ての加盟国が決議に縛られる」と述べ、要請に応じる構えは示さなかった。キンタナは会見で、海産物などの輸出が禁止されて市民が職を失うなど、制裁が「意図しない不利益」を市民に与え、生活を困窮させていると語った。さらにコロナ対策として北朝鮮が対中国国境を閉鎖したことで、食料事情が悪化していると指摘。「パンデミックの状況を再評価」し、必要に応じて制裁緩和に踏み出すよう安保理に促した。キンタナによると、北朝鮮は同氏の活動を認めておらず、北朝鮮に国連職員はいないという。金正恩総書記は6月、「人民の食料状況が緊張している」と述べ、食料不足を認めている。(時事通信)米の対応は当然のことであり、キンタナの方に問題がある。北朝鮮の体制が一切の協力を拒否している限り、自業自得の問題だと理解すべきであろう。


2021年10月19日:北がまたミサイル発射・潜水艦発射SLBMか?/北朝鮮は19日午前、弾道ミサイル2発を発射した(後日11月9日、日本は1発であったと訂正した)。このうち1発はSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの可能性があり、変則的な軌道でおよそ590キロ飛んで、日本の排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。高度は60キロと推定される。これについて日米間情報当局トップが19日に協議を行い、情報を交換した。米国からはヘインズ国家情報局長・日本からは船越アジア太平洋局長・韓国からはパク・チウォン(朴智元)国家情報院長が参加した。20日のNHKニュースの続報で、北朝鮮は潜水艦発射に成功したことを発表した。北朝鮮は8.24英雄艦について「5年前に初めてSLBM発射に成功した」と紹介し、2016年には「水中発射成功」を発表している。またヘインズが出てきた。全く情報を正確に把握できない女性局長である。船越も情報専門部門がないためトップとは言えない。北朝鮮の兵器開発の速さに驚いている面々である。(NHKニュース・時事通信)(10.20・11.10追記)(8.29「アフガン撤退のお粗末さと民主主義の劣等性 」)


2021年10月18日:7人の犯罪者と極刑と家族の追放をヨジョンが指示/北朝鮮では重罪とされる金(ゴールド)の密輸。昨年、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)では、58キロもの金の密輸事件が摘発され、密輸業者、国境警備隊の副小隊長、中隊の保衛指導員ら7人が逮捕された。いずれもその後に処刑されたようだが、その家族とて無事ではいられず、「陸の孤島」とも言える山奥の農村や炭鉱に追放された。
米政府系のラジオ・フリー・アジアが5月、北朝鮮の幹部の証言として報じたところでは、処刑も追放も金正恩総書記の妹・ヨジョン朝鮮労働党副部長が指揮したという。現地のデイリーNK内部情報筋が、彼らのその後について伝えている。国家保衛省(秘密警察)が実態調査を行ったところ、7割が追放先の生活に適応できずに餓死したという。追放先は明らかにされていないが、想像を絶する生活環境であることに違いない。生き残った残りの3割はあちこちを転々として暮らしており、生きているのか死んでいるのかもわからないという。追放先よりさらに山奥に入って自給自足の生活を営んでいるか、あるいは追放先から逃げ出して、仕事のある都会に紛れ込んだのだろう。(デイリーNKジャパン)


2021年10月16日:ジョンウンの無慈悲な粛清は身内にまで及ぶ/金正恩政権はもうすぐ発足から10年となる。この間の歩みの中で、特筆されるべきはその無慈悲な粛清政治だ。金正恩氏の本格的な粛清政治は2013年から始まった。叔父のチャン・ソンテク(張成沢)元朝鮮労働党行政部長の側近らが処刑場に送られ、続いて張本人と、彼に連なる人々が処刑されたり政治犯収容所に送られたりした。彼が処刑された後、愛人だった元トップ女優も粛清されたと言われる。一説に、その数は1万人にも達すると言われる。さらに2015年春には、ヒョン・ヨンチョル(玄永哲)人民武力部長(日本の防衛大臣にあたる)が突如として公開銃殺された。公開銃殺が当たり前に行われている北朝鮮においても、張成沢氏や玄永哲氏ほどの権力者が殺されるのは、そうあることではない。このような金正恩氏の恐怖政治は、実は権力層だけでなく芸術分野にも及んでいた。張成沢事件に先立ち、金正恩氏の妻であるリ・ソルチュ(李雪主)が所属していた銀河水(ウナス)管弦楽団の芸術団員ら10人が2013年8月に処刑された。処刑の理由は、リを中傷したり、皮肉ったりしたことと、ポルノ映像を撮影し、金銭目当てに頒布したとされている。自分の妻がポルノ女優であったことを仲間のせいにしようとしたのである。恐怖政治を激化させる中で猜疑心やストレス、プレッシャーに苛まれたことが極度の肥満をもたらした。(デイリーNKジャパン)


2021年10月13日:ジョンウンのこれまでの所業/北朝鮮のジョンウンは10日、朝鮮労働党の創建76周年を迎えて演説した。ジョンウンがこうした形で、党創建日の記念演説をするのは初めてだ。演説でジョンウンは、「向こう5年間で人民の衣食住問題を解決する」と強調した。これは北朝鮮の最高指導者が常に言ってきたことで、繰り返し同じ言葉が出るのは目標がまったく達成できていないことの反証だろう。その理由は何か。自然災害や国際情勢に起因する「不可抗力」か。そうではなかろう。そのことは、金正恩政権下でこれまでに起きた主要な出来事を見ればわかる。

2012年 黄海道で大量の餓死者
2013年 叔父・張成沢氏を処刑
2014年 ハリウッドにサイバー攻撃
2015年 地雷爆発…韓国と戦争の危機
2016年 水爆実験を強行
2017年 ミサイル連射、核実験も
2018年 史上初の米朝首脳会談と南北首脳会談
2019年 米朝首脳会談が決裂
2020年 金正恩「死んだふり」事件

各年の詳細については今後、詳しく振り返っていくが、これ以外にも大量の公開処刑など深刻な問題がある。(デイリーNKジャパン)


2021年10月11日:北が異例の兵器展示会開催・韓国に対抗/北朝鮮で11日、兵器を展示する「国防発展展覧会」が開幕した。韓国が最新兵器などを集めて19日から開く「ソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会」(ADEX)の直前のタイミングでの開催で、北朝鮮がこうした展示会を催すこと自体、非常にまれだ。2つの兵器展示会は、すでにかなりの軍事力を持つ両国による軍備拡張の最新動向を示すものでもある。韓国航空宇宙学会の元会長、チョ・ジンス氏は「北朝鮮はタイミングを狙いすまして展示会を開催したに違いない。韓国が自国の兵器システムを海外に売り込むために予定しているADEXの前に開催時期を設定し、国際社会の目を引き付けるのが狙いだ」と分析。ADEXは2009年以来、2年に1度開催されている。北朝鮮の兵器展示会の開催は、事前に発表されなかった。国際戦略研究所のジョセフ・デンプシー氏は、通常は軍事パレードで武器を誇示する北朝鮮が各兵器のデータを記したカードを完備した展覧会の実施を決断したことは「非常に珍しい」ことだと指摘する。国営メディアによると同国の展示会を訪れているのは国内の関係者だけで、国外の主要な代表は来ていない。一方の韓国のADEXは、主催者の発表によると28ヵ国から企業440社が参加し、45ヵ国から国防相など約300人の軍事・防衛関係者が訪れる予定。水素を燃料とするドローン・バーチャルリアリティー(仮想現実)を利用した訓練システム・レーザー兵器・多目的無人車両など、韓国の最新の防衛技術が紹介される。専門家によると、目玉は次世代戦闘機KF-21の試作機などだ。韓国は近年、国防予算を大幅に増額している。北朝鮮に対抗するとともに、米国の支援からも脱却し、さらには軍事輸出産業を拡大するのが狙いだ。国防省は2022年の国防予算として、前年比4.5%増の55兆2300億ウォン(476億ドル)を求めている。ロイターは重要な点を見逃している。1つは前日が党創建76年記念日だったこと、もう1つは北が外貨に瀕しており、外貨獲得の手段として兵器輸出を目論んでいることである。今回の展示会はその予行演習とも見られる。(ロイター)(4.3「韓国と北朝鮮の飽くなき兵器開発競争 」)


2021年10月10日:党創建76年のこの日、ジョンウンが重大決断/北朝鮮の朝鮮労働党は10日、党創建76年の記念日を迎え、党機関紙の労働新聞は、党の指導の下に団結して1月の党大会で策定した新たな経済5ヵ年計画の目標達成を求める社説を掲載した。社説では金正恩党総書記が「重大決断」を下し「この上なく強大な力を備蓄した」とも指摘した。既に公になっている戦略兵器開発の成果を強調している可能性もあるが詳細は不明。社説には対外関係や核・ミサイルについての具体的言及はない。12日の産経新聞の続報によれば、5ヵ年で「人民の衣食住問題解決」を提唱したそうだ。人民生活を優先させる姿勢を示さなければ、結束を図れない状況となっていることが透けて見える。いつも何を言っているのかさっぱり分からない。目くらまし戦法なのだろうか?(共同通信)


2021年10月9日:配属先を米ドルで部下に売る北朝鮮の腐敗/「教育は無償」を謳う北朝鮮。しかし、その現実は正反対だ。幼稚園の入園から大学の卒業に至るまで、教育の様々な段階でワイロを必要とする。名門大学に入るには、試験用紙を密かに購入、入試担当者にワイロを掴ませ、晴れて合格したとしても、教授から試験、論文審査などでワイロを要求される。軍のエリート養成機関である軍事大学や軍官学校(士官学校)は秋に卒業式を迎えるが、今年の卒業生たちは軍官(将校)となり、新設された建設専門部隊の指揮官として大挙配属されることになった。これは、今年はじめの朝鮮労働党第8回大会で、金正恩総書記が、専門建設区分隊の編成を拡大することで、党の社会主義経済建設集中路線の裏付けにせよなどと述べたことに起因する。第9軍団の指揮部の幹部部(幹部の人事を司る部署)の操動課(配属を担当する部署)は10月2日、軍事大学の軍官学校卒業生を軍団に新たに設けられた建設専門部隊に配属させる「2021年卒業生幹部事業配置方案」を作成、軍団内の党委員会の決定に基づき、実際に配属させることにした。しかし、軍でバリバリと活躍することを期待していた卒業生にとって、建設部隊行きは極めて不本意なようだ。それを知っている幹部部は、建設以外の別の部隊の指揮官になることを望む卒業生に対して「スクチェトン」(宿題のカネ)、つまりワイロを露骨に要求しているという。「経済建設路線の貫徹」という党の政策は、裏に回るとカネ儲けの絶好の機会になっているということだ。(デイリーNKジャパン)


2021年10月4日:韓国と北朝鮮が通信を再開/韓国統一省によると、南北間で不通となっていた通信線による当局間の連絡が4日午前9時に行われた。定時連絡が行われるのは約2ヵ月ぶり。北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党総書記が9月29日、最高人民会議(国会)での施政演説で、10月初めに復旧させる意向を表明していた。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日、通信線の再開について報じ、「南朝鮮(韓国)当局は、北南関係の重大課題を解決するため極力努力すべきだ」と指摘した。南北関係の改善に向けた姿勢を示し、経済制裁解除に慎重な米国に比べて対北融和に前向きな韓国を引き寄せる狙いがある模様だ。北朝鮮は2020年6月、韓国で正恩氏の批判ビラがまかれたことに反発し、連絡を遮断した。今年7月に一時再開したが、8月の米韓合同軍事演習を機に、北朝鮮側が連絡に応じなくなっていた。(読売新聞)


2021年10月3日:北朝鮮にはびこる精神的腐敗/かつての旧共産圏同様、北朝鮮で蔓延しているのが、地位や職責を利用した横領や窃盗の類だ。1990年代の大飢饉「苦難の行軍」のころから深刻化したが、今でも状況は変わっていない。協同農場から軍部隊に食糧を輸送する担当者は、中身を市場に横流ししたり、安物に入れ替えたりし、配電担当者はカネを受け取って工場向けの電気を勝手に個人に売り払う、といった具合だ。さて、今回紹介するのは、部下や上司からの評判がよかった駅長による多額の横領事件だ。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、今月初めに恵山(ヘサン)駅の営業所のキム支配人(50代)が横領容疑で取り調べを受けたと伝えた。2014年3月に任命されたキム支配人は、非常に評判のよい人物だった。崩壊して久しい北朝鮮の配給システムだが、この営業所では、駅員に対して給料と配給をきちんと支給していたからだ。国からの予算が得られない状況で、いかにして配給システムを維持したのかについて、情報筋は触れていない。考えられることとしては、ダフ屋にきっぷを割り当て、その見返りにワイロを得るやり方がある。ところが、何らかのきっかけでそれがうまくいかなくなったのだろう。彼を慕っていたはずの部下の駅員は、支配人が給料と配給の支給ができなくなったことで態度を一変。それをきっかけに上部に信訴(内部告発)したのだという。検察所が検閲(監査)に乗り出したところ、支配人は今までに1500北朝鮮ウォン(約34万5000円)もの金を横領していたことが判明した。今回下された処分は横領額の3倍にあたる4500北朝鮮ウォン(約103万5000円)を弁償せよというものだった。今回の賠償額は一般生活者の7年6ヶ月分にあたる。国家もまた犯罪を理由に国民を相手に商売をしているのである。(デイリーNKジャパン)


2021年10月3日:北朝鮮が外貨兌換券発行・外貨不足が原因か?/北朝鮮で外貨と交換する「外貨兌換券」が発行されたようだ。「トンピョ」と呼ばれる外貨兌換券が発行されたことで、北朝鮮当局の外貨保有高がかなり減少したのではないか、ひいてはそれだけ経済状況が悪化しているのではないかとの疑念が高まっている。これまで外貨兌換券は、とくに低位の開発途上国や旧社会主義国などで発行されたことがある。目的は国内での自国の通貨が信用されていない国で金融政策の管理統制を政府が強化するため、さらには国民が保有する貴重な外貨を効率よく国庫に回収できるようにする手段として発行されたケースが多い。そのため、北朝鮮でもこのような目的のために発行された可能性が高い。(東洋経済オンライン)


2021年10月2日:北朝鮮の党中央にまで及んだ麻薬取引/北朝鮮の最高人民会議第14期第15回全員会議で、麻薬犯罪防止法が制定されたのは2021年7月。以前から刑法に「不法アヘン栽培・麻薬製造罪」が存在したが、新たな法律を制定することで違法薬物、中でも覚せい剤に対する取り締まりを強化しようとする姿勢を改めて示した形だ。実際に取り締まりは強化されており、平壌のデイリーNK内部情報筋は、反社会主義・非社会主義連合指揮部が違法薬物を取り締まりの対象とするや、社会安全省(警察庁)麻薬局が血眼になって次々に事件を摘発していると伝えた。実際に取り締まりは強化されており、反社会主義・非社会主義連合指揮部が違法薬物を取り締まりの対象とするや、社会安全省(警察庁)麻薬局が血眼になって次々に事件を摘発していると伝えた。その過程で「ワンチョ」(ボス)と呼ばれる製造業者一味を逮捕したが、思いもよらぬ大事件に発展してしまった。偽札絡みの薬物取引で犯人とされたピョンヤン出身のキムが、愛人のパクとピョンヤンに住み続けるための賄賂を社会安全省に上納していたことが発覚し、パクが中央党(朝鮮労働党中央委員会)の複数の幹部に、ツケで覚せい剤を販売していたという。間に入ってブローカーの役割をしていた貿易会社の社長のチェも逮捕された。だがチェは国家保衛省(秘密警察)とも繋がりを持っており、この事案は密かに中央党に方向されたという。チェは口封じされるだろうという。(デイリーNKジャパン)


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