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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

北朝鮮

2021年8月

2021年8月31日:北朝鮮が国際協約違反の寧辺核施設再稼働/北朝鮮が、北西部、寧辺(ニョンビョン)の核施設で原子炉や再処理施設を再稼働させたとみられることが国際原子力機関(IAEA)の報告書で明らかになった。核兵器原料のプルトニウムを抽出した可能性がある。核開発の進展を誇示し、バイデン米政権との今後の交渉を優位に進める狙いもうかがえる。IAEAは8月27日付の報告書で、寧辺の中心施設である5000キロワットの原子炉で7月初旬から冷却水の排出など稼働を示す兆候が確認されたと明らかにした。原子炉は2018年12月以降、活動が見られなかった。使用済み核燃料棒の再処理施設でも7月初旬まで約5ヵ月間、蒸気プラントが稼働した。過去に原子炉から出た使用済み燃料の再処理に要した期間と一致するという。IAEAは、国連安全保障理事会決議に明白に違反するとして、深い遺憾の意を表明した。北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記は2019年2月のトランプ前米大統領とのベトナム・ハノイでの首脳会談で、寧辺の核施設を廃棄する見返りに、主な経済制裁の解除を求めた経緯がある。トランプは他の核施設の廃棄も迫り、会談は物別れに終わった。米韓の専門家の間では、北朝鮮が寧辺の核施設が〝現役〟であることを見せつけ、米国との交渉カードにする思惑があるとの分析も出ている。北朝鮮外務省は8月28日にホームページで、米国に対抗し「最強の戦争抑止力を不断に蓄えていく」と主張した。(産経ニュース)


2021年8月29日:ジョンウン宛ての嘘の感謝の手紙を強要/北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は21日、「全国の大家庭の慈悲深いオボイ(親)であらせられる敬愛する金正恩元帥様に謹んで申し上げます」というタイトルのつけられた長文の手紙を掲載した。だが、どうやらこの手紙、いわくつきのようだ。朝鮮労働党咸鏡南道委員会は今月10日、新興郡の老党員と幹部の家族を呼び集め、元帥様への感謝の手紙を書くよう伝えた。美辞麗句で埋め尽くされたこの手紙、実情とは全く異なり、住民は激怒している。手紙では「送られてきた」とされている物資だが、実際には届いていない。住民は復旧作業に動員され、喜びと幸せの涙どころか「苦しみの涙」を流している有様だ。伝染病も広がっているようで、腹痛、下痢、発熱で苦しみ、飲み水すらまともに得られず、絶望している。住民は口々に、その責任は道の党委員会にあると語っている。(デイリーNKジャパン)


2021年8月27日:北のジョンウンの無能が明らかに・1400キロのコンクリート壁計画無残/昨年1月のコロナ鎖国以来、北からの脱北者は増えるばかりである。また厳戒態勢下にも拘らず、密輸もまた無くなりそうにない。これを食い止めるためにジョンウンは中国との国境1400キロに高圧電離流装置を施したコンクリート製防壁を建造するように命じた。だがガラスやセメントなどの基本的資材にさえ事欠く状況でそのようなものができるわけがない。ジョンウンの計画能力がゼロであることが明白になった。案の定工事を兵士にやらせようとしたところ、脱北者が増えてしまう結果になり、工事は家族のいる少佐以上の将校にやらせることになった。だが彼らもまた食糧不足で痩せこけており、それを見た国民から嘲笑の的になっているという。家族は脱北に備えての人質となっている。資材のない現地では、空き缶と空き瓶を使った鳴子のような仕掛けに加え、地元に多く生えているカラマツやクヌギの木を切って、X字型に組んだ障害物で接近を防ぐという、これまた原始的な手法が使われているという。(ノム通信・デイリーNKジャパン参考)


2021年8月25日:労働新聞が国民に嘘の虚勢と自画自賛・ジョンウンは姿見せず/北朝鮮は25日、故金正日総書記が軍優先の「先軍政治」を始めたとされる日から61年の記念日を迎えた。朝鮮労働党機関紙、労働新聞は論説で金正日氏が同国を世界的な軍事強国の地位に押し上げたとたたえ、「軍事力こそ国力だ」と強調した。平壌では故金日成主席と金正日氏の銅像が立つ万寿台の丘に軍人や市民らが献花に訪れたほか、市内の広場などで若者らによる舞踏会が行われた。労働新聞は、金正日氏が党に絶対服従する軍をつくりあげ、国防工業は「どんな武器装備でも製造できる現代的で自立的な工業」に発展したと称賛した。資材にも困窮し、国民が餓死状態にあるのに「自立的」とよくこんな嘘が言えるものだ。核兵器やミサイルへの言及はなかった。(ノム通信・共同通信参考)


2021年8月15日:北にいる華僑が見限って脱北/北朝鮮には3000人とも言われる華僑が在住している。変化する中朝関係に翻弄されながら、比較的自由に出入国できる立場を利用し、中国で買い付けた商品を北朝鮮で販売するなどして暮らしてきた。そんな彼らにとって、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は死活問題となった。北朝鮮当局は昨年1月、ウイルスの流入を恐れ、国境を封鎖してしまったのだ。食い詰めた彼らは、ワイロを積むなどして出国許可を得て、かろうじて中国に逃げ出していた。留まった者は中国に住む親戚や知人からの仕送りを受け取り、北朝鮮で耐え忍んでいたという。先月中国に出国した150人の華僑は、平安南道(ピョンアンナムド)と黄海道(ファンヘド)在住で、当局は出国希望者を集めて一度に出国させたとのことだ。相当な賄賂が支払われたのだろう。また当局もそうまでしなければ、自分達が生きていくこともできないほど切羽詰まっているということだ。脱北者からの情報と華僑による情報が、北朝鮮の唯一の情報源とされる。また反体制派と目される上層部から漏れ出る情報を「デイリーNKジャパン」のような通信社が伝えている。華僑が出てしまうと言うことは、情報源が限られてしまうことにもなる。(ノム通信・デイリーNKジャパン参考)


2021年8月15日:北が日本に「血で報復」と声明/北朝鮮の朝鮮日本軍性奴隷・強制連行被害者問題対策委員会(被害者対策委)は15日、日本が第2次世界大戦で敗北して76年となったのに際して、日本を非難する声明を発表した。76年前のことをネタにしていつまでも反日の材料にしようというジョンウンの戦術的プロパガンダについては無視するしかない。だが「血の代償を必ず払わせる」というのは外交的には宣戦布告に相当するもので、日本は座視することは許されない。一切の関わり(人道援助を含む)を断つべきである。(ノム通信・デイリーNKジャパン参考)


2021年8月14日:韓国司法の対日・対北朝鮮の二重基準/韓国では朝鮮戦争(1950~53年)での戦争犯罪に関し、韓国国内の北朝鮮資産を差し押さえ、韓国人被害者への賠償に充てるための司法手続きが進んでいる。韓国国内にある外国資産の差し押さえを求めるという意味では日本に対するいわゆる徴用工訴訟と似た構図だ。一方で、韓国政府は北朝鮮資産に関しては「国益」を理由に裁判所手続きへの協力を拒んでおり、「司法尊重」を名目に外交解決に動かない徴用工問題と異なる〝二重基準〟を露呈している。 (産経ニュース)


2021年8月11日:北が米韓軍事演習に対抗してSLBM発射か?/朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金英哲キムヨンチョル・朝鮮労働党部長は11日に談話を発表し、米韓合同軍事演習の事前訓練が10日に始まったことを受け、「善意に敵対行為で応えた代価を分からせなければならない」と警告した。10日の金与正キムヨジョン党副部長の談話に続き、軍事挑発の可能性をちらつかせたものだ。金英哲氏は金正恩キムジョンウン政権の実力者で、今年1月に党統一戦線部長に復帰し、対韓国政策を統括している。談話では、「(米韓が)対決を選択した以上、我々も他の選択はできない」と主張し、演習への対抗措置を取ることを示唆した。 韓国統一省によると、北朝鮮は7月27日の南北通信線復旧以降行っていた韓国との定期連絡について、8月10日午後に続き、11日午前と午後も応答しなかった。米韓は13日までの事前訓練と、16〜26日の本演習を予定通り行う方針だ。ネッド・プライス米国務省報道官は10日の記者会見で「米韓同盟に沿った防衛態勢を維持する」と強調した。本演習が始まれば、北朝鮮は態度を一層硬化させる可能性が高く、韓国では、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に踏み切るとの観測が出ている。北がそのような暴挙に出たら破滅は必至であろう。それに潜水艦もまだ完成していないとみる。(読売新聞)


2021年8月10日:北は韓国との通信線に応じず/韓朝間では7月27日の通信線復旧で南北の雪解けムードが出始めたばかりだが、10日夕、北朝鮮は板門店の連絡事務所や軍の通信線による定期通話に応答しなかった。先行きに暗雲が漂っている。(時事通信)


2021年8月10日:米韓合同演習で北朝鮮が韓国に脅し/米韓両軍は10日、合同軍事演習の事前訓練を開始した。北朝鮮のキム・ジョンウンの妹、ヨジョン党副部長は同日朝に発表した談話で「必ず代価を支払うことになる自滅的な行動だ」と演習を非難。米国の軍事的脅威に対処するための「国家防衛力と強力な先制打撃能力の強化に拍車を掛ける」とし、核・ミサイル戦力の増強を警告した。ジョンウンは韓国のムン・ジェイン大統領と関係改善を進める方針で合意し、南北が7月27日に南北間の通信回線の復旧を発表していた。与正氏は今月1日にも談話で米韓演習の中止を迫っており、硬軟を使い分けて文政権を揺さぶり、米韓を離間させる狙いがうかがえる。ヨジョンは「侵略戦争演習を強行した米国こそ、地域の平和と安定を破壊する張本人だ」と批判。バイデン米政権の対話の呼び掛けについて「侵略的本心を覆い隠す偽善にすぎない」と断じた。文政権に向けては「背信的な行為に強い遺憾の意を表す」と強調した。「委任に基づく」発表ともしており、ジョンウンの意向であることを示唆した。米韓両軍は10~13日に演習の事前訓練に当たるテロなどを想定した危機管理参謀訓練を実施。16~26日には、コンピューターシミュレーションを中心にした本演習の合同指揮所演習を予定している。新型コロナウイルスの感染拡大などで3月の演習より参加人員がさらに縮小される見通しだ。演習をめぐっては、韓国与党代表が「実施は避けられない」と説明してきた一方、統一省高官は「延期が望ましい」と発言。与党議員ら70人余りが延期を求める共同声明に署名するなど、政府や与党内で足並みの乱れが露呈した。ヨジョンの相次ぐ警告は、金体制に融和的な文政権にかえって打撃を与えている。(産経ニュース)


2021年8月8日:ARFが議長声明で北の拉致問題を取り上げた/東南アジア諸国連合(ASEAN)各国や日米中、北朝鮮など27ヵ国・機関が6日にオンライン形式で開いたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議の議長声明が8日、発表された。北朝鮮に完全非核化と核・ミサイル実験の自制を促す一方、「全当事者による対話再開の取り組み」を評価した。声明は北朝鮮の拉致問題にも触れ、「拉致問題の早急な解決を含む国際社会の人道上の懸念に取り組む重要性について、一部参加国が見解を表明した」と指摘した。一部参加国が日本かどうかは不明。(時事通信)


2021年8月6日:北朝鮮で洪水発生・食糧不足が加速/北朝鮮で大雨による洪水が発生し、1000棟以上の住宅が損傷し、約5000人が避難した。国営朝鮮中央テレビ(KCTV)が明らかにした。農地も広い範囲で冠水している。KCTVによれば、咸鏡南道では川の堤防が決壊して「数百ヘクタールの農地」が冠水し、住宅や道路も著しく損壊している。キム・ジョンウンは今年6月、台風の影響が長引いているために国内の食糧事情が「緊迫している」と述べ、自然災害の影響を最小限に抑えるための対策を講じるよう指示していた。また国連食糧農業機関(FAO)は7月、北朝鮮で今年、約86万トンの食糧不足が発生する可能性を指摘し、食糧が「極めて乏しい時期」が始まるおそれがあると警告していた。(AFP時事)


2021年8月5日:北がついに中朝貿易再開に動くか?/6月15日から18日にかけて行われた朝鮮労働党中央委員会第8期第3回総会では、金正恩総書記が「人民の食糧状況が切迫している」と述べており、コロナ禍を異常に恐れていたキム・ジョンウンがついに中朝貿易再開に向けて歩み出す気配がある。韓国の情報機関にあたる国家情報院(国情院)が2021年8月3日に行った国会報告で、北朝鮮が国境近くに建設を進めてきた大規模検疫施設を8月中に稼働させるとの見通しを示した。2021年夏は干ばつの被害も見込まれていることから、厳しい食糧事情を背景に、本格的な貿易再開に向けてかじを切った可能性もある。(J-CAST・ニュース)


2021年8月1日:北の国営米屋が開店休業で破綻/北朝鮮国民は1980年代まで、日々の食糧、生活必需品から住宅に至るまで、ほとんどの物を国から受け取るシステムに依存して暮らしてきた。そんなシステムは、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を前後して崩壊。食糧の調達は国に頼らずとも、自力で稼ぎ出した現金で市場で購入する形へと変わっていった。北朝鮮は今になって、過去のシステムに似通った仕組みを取り戻そうとしている。それが、国家食糧販売所の開設だ。市場での穀物の販売を禁じ、食糧販売所での販売に一本化し、価格の安定を含めた食糧流通の主導権を国の手に取り戻そうとする野心的な計画だった。ところが、各地域の食糧販売所が開店休業状態になっている。いずれの販売所も毎日オープンしており、従業員も出勤しているものの、売り物である穀物が底をついてしまったのだ。平壌の食糧販売所は全国で最も販売実績が低調で、運営を停止してしまった。市場に手を突っ込んで思いのままに操ろうと企む北朝鮮当局は、市場経済化がもはや国の力では押し戻せないほど進展している現実を受け止めるべきだろう。(デイリーNKジャパン)


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