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【時事評論2020】

未来の司法制度(20.8.15追記)

2020-08-12
  4回に亘る「東京裁判」のドラマを見て、未来の司法制度を熟考してきたノムとしてはいろいろと思いを馳せることが沢山あった。ドラマ記録では言及出来なかったことを改めて本項で議論したいと思う。
 
  まず現在の法体系では、以下のような矛盾があることを指摘しておきたい。
 
  1.個人犯罪において、その個人の動機と犯行時の状況・行動・言動・背景を重要視しておらず、結果としての犯行をのみ取り上げており、そこに世間常識との乖離が生じている。
  2.犯罪が規定されていても、それに該当する案件であっても、提訴されない限り犯罪とはならない
  3.法の規定にない犯罪の場合、それが如何に人々の利益を損なうものであっても、犯罪とはならない(不遡及の原則と関係)。
  4.裁きに於いて、有罪か無罪かの二者択一を取っており、しかもその裁定(判決)がしばしば180度転換する。
  5.戦争という国家の主権に基づく行為は、現行法では裁くことはできず、戦争を合法化している。
  6.ニュルンベルク裁判、および東京裁判は戦勝国による軍事裁判であり、普遍性がないどころか悪い事例として残された。
 
  他にも挙げたいことは山ほどあるが、この問題に対して未来世界ではどう対処するのかを示したい。
 
  1.個人犯罪においては、犯人の言動を最も重要な証拠として採用する(IT時代の革新的考え方と手法:ボイスレコーダーおよびビデオによる記録・監視カメラによる記録を重視)
  2.あらゆる手段により犯罪と認定される行為が行われたことが判明した場合、それは訴追なしで犯罪と規定される(車載ビデオによる交通違反の取り締まり・監視カメラによる犯罪認定)。
  3.法律主義ではなく、道理主義を採用するため、「法」が無くても道理に反する行為(不正・犯罪)は摘発できる。ただし、それは法律オンブズマン(市民側)・AI・国民評価によって事後審問に付される
  4.裁きは調停→オンブズマン裁定→裁判所裁定→控訴審、という段階を設け、軽い犯罪から重い犯罪までに対応する。加害者・被害者の双方に按分の責任を問い、それは確率的表現(〇%有罪)となる量刑はその犯罪の与えた被害の大きさ・非人間性の度合い・影響の大きさで決まる。原則2審制であるが、上訴した場合に犯罪性確率が上がった場合は量刑は1.2倍に加算される
  5.未来世界では各国に主権がないため、国家間戦争は原理的に起こり得ないし起こってはならない(確率論からいえば0%ではない)。よって戦争は悪であり、犯罪である
  6.ニュルンベルク裁判・東京裁判における①平和への罪は無効とし、戦犯の名誉回復を図る。②戦争犯罪の罪は当然認められ、残虐行為を指示・実行したものにはそれ相応の刑罰が認められるが、再評価はなされるべきであろう。③の人道上の罪は②の中で扱われるべきであり、指導者の責任はその指示の文言、および日常的発言などから責任度合いを確率判断する。これも絶えざる再評価の価値がある。
 
  未来世界では戦争が無くなるため、連邦による暴動への戦闘という事態だけが想定される。その場合、連邦軍は絶対的存在であるから、その命令は合法とされる。非人道的命令と見做されるものであっても作戦上必要なものであると判断されれば、兵士がそれに従うことも合法とされる。作戦に関係のない非人道的行為は通常の犯罪として扱われ、軍事法廷によってではなく通常法廷で裁かれることになり、これも確率的表現によって裁定され、刑罰は上記と同じように、被害の大きさ・非人道性・影響度の大きさで決まる。
 
  なお未来世界では死刑制度というものは廃止する。それは自然の掟に反するからであり、動物世界では集団闘争はサルの世界にも見られるが、不必要な集団殺戮というものは存在しない。動物は自分の生存が確保されればそれで良しとしている。だが人間は知能を持つためそれ以上のものを求めて戦争に及ぶ死刑という制度は本来必要のないものであり、この世(人間界)から抹殺したければ、人間界から排除して自然界に戻してやればいいだけの話である。結果的に人間界から疎外された人間は一人で生きていくことは困難であり、死ぬしかないであろう。これをノム思想では「放逐(追放)」と呼んでいる。ただしこれは従前にあった「島流し・遠島」とは全く異なる。放逐先は絶海の孤島・砂漠などが考えられる。勿論文明から切り離すために、何も持たせず裸で置かれる。すでに先人がいれば、協力か生存闘争のどちらかが起こるだろう。それには関知しない。
 
  大雑把ではあるが、以上のような未来社会の司法制度を論文で提唱している。その関係論文は多数あるのでここでは全てを紹介できないが、そのいくつかを列記する。なおこれらは公開していない。(オレンジは未完・未着手)
  〇 №067「戦争論」31852文字
  〇 №088「裁判員制度」1851文字
  〇 №089「事後評価・責任遡及主義」24文字(未完)
  〇 №101「証拠主義と状況主義」343文字(未完)
  〇 №146「直接制裁と代行制裁」75文字(未完)
  〇 №185「法律主義と道理主義」10818文字
  〇 №198「量刑判断の根拠」7920文字
  〇 №204「裁定・裁き・裁判」4651文字
  〇 №265「犯罪者の扱いと犯罪防止」10392文字
  〇 №305「自由と規制」7137文字
  〇 №337「社会ストレスと戦争」9555文字
  〇 №376「世界史における戦争とその未来」8241文字
  〇 №387「犯罪と刑罰」18585文字
  〇 №440「死刑制度の是非」8950文字
  〇 №473「犯罪」4934文字
  〇 №482「自己責任」8487文字
  〇 №489「偽証」4223文字
  〇 №504「義務と権利と責任」10015文字
  〇 №506「基本的人権と人権主義」441文字(未完)
  〇 №551「法治主義と道治主義」(未着手)
  〇 №552「主権論」7958文字
  〇 №609「四権分立」(未着手)
  〇 №615「司法論」4742文字(未完)
  〇 №619「警察」(未着手)
  〇 №681「治安」(未着手)
  〇 №702「犯罪の軽重」9258文字
  〇 №742「掟・規則・規律・法(法律)」8135文字
  〇 №757「犯罪における更生の限界」3917文字
  〇 №792「真社会主義と道理主義の判例」1532文字(続く)
  〇 №812「未来社会の司法システム」4552文字
  〇 №815「市民運動・政治運動・デモ・テロ」260文字(未完)
  〇 №959「思想犯罪」1120文字(未完)
  〇 №989「罪刑確率主義」1852文字(未完)
 
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