本文へ移動
【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2020】

アメリカの自由主義が崩壊するか?

2020-06-04
  【時事通信】のアメリカ篇にも書いたが、5月25日以来米国での暴動は10日目を迎えたが収まりそうにない。当初、人種的差別意識と失業・貧困が背景にあると考えられたが、報道によると暴力的デモが発生しているのは一部であり、特に民主党を支持する州に多いとも聞く。また黒マスクと黒装束の一団が暴力を扇動しているという。この集団は極左過激派の「アンティーファ」と呼ばれているアナーキスト集団だという。自由主義の国にはこのような暴力的集団も存在し得る。それが自由主義の最も大きな弱点になりつつある。
 
  アメリカは移民国家であり、その民族・宗教・思想の多様性が強みであるとされてきた。だが近年のアメリカはその大義を失いつつある。トランプの功利主義による「アメリカ・ファースト」による政策は場当たり的で一貫性がなく、全て選挙目当ての衆愚政治に陥っているという観方もある。元々キリスト教国家として一定の倫理観を持っていたが、今やキリスト教自体が形骸化してアメリカ人の中に信仰心を見るのはわずかになっている。トランプはその福音派と呼ばれるキリスト教徒を取り込もうと聖書をかざしたりしてパフォーマンスに余念がないが、イスラエルではユダヤ教徒の真似をして、キッパ(ユダヤ教徒男性が被る帽子)を被った。これは一神教に対する裏切り行為である。
 
  アメリカは自己防衛を正当化して銃規制をしようとしないことで、過去に何度も大量殺人事件を繰り返してきた。また災害や白人警察官による黒人虐待事件などでは必ず暴動を引き起こしてその度に略奪が起こった。これまでは一部の暴徒の仕業と片付けることができたが、現在起こっている暴力的騒乱はどうも背景に思想的・組織的なものがありそうである。だが自由主義というイデオロギーはどんな過激思想であっても、犯罪を犯さない限り「思想の自由」からその存在は許されている。だが国家が様々な思想で分断され、価値観が多様化してくると、それが原因で自由主義国家は存立が危うくなる。正にアナーキスト(無政府主義者)や外国勢力(中国)はそれを狙っている。
 
  黒装束のデモ隊の一人に記者が話しを訊こうとしたところ、「資本主義を叩き潰す。それだけだ」と言い捨てた。またデモ隊の参加者が破壊行為を扇動していた人物を捕まえて警察に突き出すという場面もあったという。暴力を扇動しているのがこれら思想集団だとすれば、それはオウム真理教と同様な狂信者であろうが、その背後にもしかしたら中国の資金があるかもしれない中国はあらゆる手段を用いて自由主義国の弱点を突いてくるからであ(2020.5.28:中国の世界制覇戦略に見る「孫子の兵法」参照)。カナダの感染症研究所からコロナウイルスが盗まれたのも武漢の研究者の仕業によるものだった(【時事評論】2019年3月「中国の生物兵器がコロナウイルス・パンデミックの原因」参照)。それはアメリカが中国を含めてあらゆる国家の留学生・研究者に門戸を開いているという「自由主義」を実践しているからである。中国はそれを明らかに悪用している。
 
  これからの時代では、アメリカは中国やロシアなどの敵対国家に対しては、研究者・留学生を認めてはならない。それは自由主義の放棄に繋がることであるが、現在の状況ではそうせざるを得ない。ノムの経験から言っても、中国留学生は派遣された先の国でスパイ行為を強要されているからである。中国は海外から得た情報・技術を最大限に生かすために「千人計画」というプロジェクトを推進している。これは正に海外から情報・技術を盗むための政策を始めていることを示している。既にアメリカはその意図を察知しているが、まだ具体的な動きはわずかである。だが5月30日に明らかになったビザ無効化政策の検討はその第一歩だろう。いよいよ米国は中国囲い込みに動き出した
 
  ちなみに「未来世界」では自由主義は採用されない。人々は自由であり、法律で罰せられないがが相応に評価される。その評価でその人の人格点が定まり、その人格点に応じて権利が異なってくる。悪い心根を持つ人や悪だくみをする人は人格点が下がり、パソコンやMD(モバイルデバイス)で送信は出来なくなる。また受信にもAIによる制限が掛かる。人格点が50点以上ならばそのような制約はないが、高度な情報を得るためにはそれ相応の人格点を持たないと得られない。それは悪い集団から情報の自由を奪い、健全な社会を構築するためのゲーム理論に基づいた手法である。このような未来社会は「義務→権利・主義」と呼ばれる。

 
TOPへ戻る