本文へ移動
【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2020】

武漢コロナの治療法情報・その3

2020-05-06
  5月1日のニュースであるが、日本で開発された抗寄生虫薬が武漢コロナにも効いたと、オーストラリアの大学研究チームが発表した。まだ研究は進行中だが、思わぬところに福音があったことに驚かされた。開発したのは2015年にノーベル賞を受賞した北里大学の大村智である。当の本人も「効くと思っていた」と語っているそうだが、なぜ日本で治験されなかったのか不思議である。
 
  この薬は「イベルメクチン」という寄生虫による感染症の治療薬であり、試験管実験では48時間以内にウイルスの増殖が止まり、抑制効果が確認されたという。アメリカのユタ大学など世界の169病院で行った研究でも、致死率が1/6に、重症者の致死率でも1/3に下がったという。北里大学でも3月から観察研究として感染者への投与を始めている。これまで5億人以上に投与されてきたが、重篤な副作用の報告はないともいう。
 
  北里大学では5月6日になって、イベルメクチンの武漢コロナ治療薬としての承認を目指す治験を始めると明らかにした。同意を得た患者に投与して効果や副作用を調べる。だがなぜ日本で1月段階にでも治験を始めなかったのか疑問が残る。前記事で指摘したような日本社会・システムの劣化が原因だとすれば、これはゆゆしき問題であると言えよう。日本社会に巣くう役人体質・責任回避体質はこの際払拭しなければならない。そのためには批判主義から評価主義への転換が必要である。これはノム思想の重要な指針になっている考え方である。

TOPへ戻る