本文へ移動
【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2020】

いのちの優先順位

2020-04-15
  コロナ禍が医療崩壊をもたらすリスクが迫ってくる中、いよいよ「命の選別」とも言われる治療優先順位を検討しなければならなくなってきた。既にアメリカでは2005年の鳥インフルエンザの際に検討をしたようであり、当初政府は医療従事者などを最優先にし、次に高齢重症患者を2番目に設定したが、国民から反発を受けて幼少児を2番目に設定しなおしたという。
 
  日本では首都直下地震のリスクを抱えながら、今もって本格的な議論がなされておらず、それが国民性から来るものであるにせよ、危機に対する考え方の甘さを露呈している。患者の診療優先順位(トリアージ)については、今回のコロナ禍はこれまでの事故・災害とは様相が異なっており、正に国家的・国民的判断が必要であり、一刻も早く議論が始められなければならない。
 
  ノムの想定する未来社会では「いのち」については自然の掟に従うことを優先するため、現代の「生命尊重主義」を放棄する。病気や死を自然の運命と考える立場から、人間界にとって最善の優先順位を考える。そうした考えの下では、当然高齢者は最後となるべきであり、問題は勤労者と若年層のどちらを優先すべきかという問題に絞られる。ノムの考えでは社会で実際に働いている勤労者を優先すべきだと考えるが、人間の感情からすると若年層を優先すべきだという考えにも一理はある。
 
  アメリカの国民アンケートでも高齢者側から自分より若い人を優先してほしい、という意見が多かったと言われる。ノムも同じ考えである。現在社会を支えている人を最優先するのが当然であろう。将来を担う子供ら若年層は今後増やすことが可能であるが、現勤労者を増やすことはできない。社会学的見地からも優先順位は自ずから明らかであろう。
 
  情緒主義(感情を最優先する考え方)は棄てなければならない。科学的に最善の選択をしなければならない。人間の自分勝手な「生命尊重主義」を破棄し、自然の掟を尊重しなければならない。コロナ禍は人類に対する自然の警告である。謙虚に受け入れなければ、人間社会そのものが崩壊する。そしてその兆候は刻々と明らかになりつつある。

 
TOPへ戻る