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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2020】

年末になりました(1742文字)

2020-12-31
  毎年この時期はやはり忙しい。年賀状の作成から始まり、床屋に行ったり、車に給油し洗車する。年越しそばの準備もある。大したことはないようだが、気ぜわしいというのが年末の独特な気分である。今回はコロナ下ということもあり、特殊なものになっているが、身の回りでは全ての人がマスクになっている位でそれほどの変化はない。だが今年1年を振返ってみるよい機会であろう。

  昨年末から始まったコロナ騒ぎは今年1年をほとんど覆い尽くした。その間に中国はこれを機に攻勢をより強化し、体制優位まで宣伝し始めた。各国はコロナ第1波に続く第2波・第3波に襲われており、息つく暇もないほど追われてきた。日本ではコロナとは関係のない持病で安倍政権が退陣し、後を継いだ菅首相は華々しい初動を見せたが、コロナ対応の遅れを指摘されて支持率が一気に18%ほども下がった。政治の乱高下もコロナに誘発されているかのようである。アメリカではやはりコロナ対応のまずさでトランプが敗退し、見苦しい権力保持のあがきを見せている。バイデン政権発足の脚を引っ張るようなことまでしている。

  世界ではあちこちで戦闘が激化しており、これまで戦闘が無かったようなところでもかなり大きな戦闘が続発している。これらはコロナとは恐らく関係ない動きであり、世界的なストレス上昇に伴うものであり、むしろ戦闘のない地域や国家でコロナ禍の影響が激しく出てきている。年末土壇場になってイギリスがEUと合意に達したことは好ましい唯一の出来事かもしれない。またプーチンがどういうつもりか、調和を求めるようなメッセージを早々と出したのは意外であった。だが安心することは禁物であろう。

  米中対立は「世界」対「中・露」の対立になりつつある。もっと言えば、「世界」対「中・露・イラン」の対立と言ってもいいだろう。対立する要因はそれぞれ異なり、中・露・イランは悪の枢軸であることに変わりはないが、同盟する素地もない。そこは幸いなことだが、不吉なことに中・露の軍事的共同作戦が繰り広げられているのは要注意であろう。その前面に立つ韓国と日本は本来ならば一致協力して対処しなければならないはずだが、韓国の一方的反日路線が相変わらずであり、ムン左翼政権のために一層ひどくなりつつある。

  幸い世界的反中包囲網は確実に拡大しており、オーストラリアが明確に加わり、インドも積極的である。ASEAN諸国は足並みが揃わないが、ヨーロッパはかなり反中姿勢が明瞭になってきた。中国の一帯一路が経営的に破綻すれば、それに期待を寄せた一部の勢力を除いて、ヨーロッパでは一気に反中勢力が強化されるだろう。

  31日の産経新聞ではジャック・アタリ、エドワード・ルトワック、細谷雄一の3氏に展望を聞いているが、大筋では筆者の意見と一致するものの、第三次世界大戦への言及が見られないのはなぜであろうか。現在の延長線にのみ将来を見ているのは片手落ちと言わざるを得ない。アタリは医療・教育など「命」に係わる分野を重視して「次の脅威に備える」ことを強調しているが、何の見識も見られない。ルトワックは技術革新の加速をコントロールしなければならない、と非常に深い見識を示した。政治レベルによる技術革新の管理を求めている。だが競争下の世界ではそれは不可能であろう。

  3氏は民主主義の衰退と中国の覇権確立の可能性を明確に否定した。その認識は筆者と一致しているが、その途中に第三次世界大戦が起こることは必至であり、なぜ3氏がこのことに触れようとしないのかが、最大の違和感であった。だが日本の役割が増すこと、独立した責任ある姿勢を取ることを求めている点では一致している。筆者はそれ以上に、日本精神が未来を決定づけるものとなるだろうと予測する。それは日本精神が協調と調和にあるからである。

  来年がどのような年になるかは予測不能だが、何があっても日本人としての矜持だけは守りたいものだ。そして自分もなにかしらの世界貢献をしていきたい。

  今年中の支援を有難く思っている。それを来年も引き続き期待したい。そして何よりも、来年が良い年であってほしいものだと心から願っている。
  Have a good Next Year!!!


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