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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20)

*004「人間の存在の意味」(16419字)

  (註)参照は本HPで公開した論文の場合は(*〇〇〇「・・・」)の形で番号とタイトル名を示します。現在執筆を続けている本論文の場合は(№〇〇〇「・・・」)の形で、雑論文の場合は(記〇〇〇「・・・」)の形で示します。ただし本HPの公開論文以外はまだ公開できません。
 
*004.人間の存在の意味(2019.10.30起案・起筆・終筆/11.6追記・20.1.13改題修正/16419文字)
 
  人類にとって最も重要なことは生存し続けることであって文明を高めることではありません。もし文明を高めることが生存に不利であると分かったならば、文明を犠牲にしてでも生存を優先させるべきでしょう。現代はその選択をすべき時でしたが、既に時は遅すぎます。人類は地球環境の耐え得る臨界点を超えて環境を破壊してしまい、もう元に戻ることはできません。ですがそれでも生存の可能性は残されています。そのためには人類が叡智を尽くして生存条件を自ら創り出すか、環境条件に適応して自らを進化させるしかないと思われます。そのためには多くの犠牲を伴うでしょうが、それを回避することを考えない方が良いのです。その意味、または筆者の言わんとする主旨は以下の議論によってお分かりになると思います。

  以下の議論で注意しなければならないのは、「絶滅」ということがどういう状態を意味するかということであり、これを誤解しないようにする必要があります。絶滅という表現は瞬間的にあるいは短期的にある種が絶えることを意味しません。また生物全部が消滅することをも意味しません。この絶滅という「種」の消滅を意味する現象は通常数百年から数十万年という極めて長い時間の経過の中で起こることであり、結果的にその「」が絶える現象であって、その後に類似の新種が現れることを指します。その経過中である現在であっても絶滅という言葉を使う必要が出てくるのです(人類が原因の他の動物種の絶滅では数年から数十年という期間が多い)。すなわちこれから議論することの中に絶滅という言葉が出てきた場合、それは少なくとも数十年から数百年先を見越した予想を述べているということになります。
 
  本項では前項(*003「地球温暖化と動物大絶滅」参照)で述べた絶滅という事象について、書き足りなかったことをまず捕捉しておきたいと思います。その上で、人間だけがなぜ高度の知能を持ったのか、にも拘らずその知能を乱用して自分の生存条件である環境を破壊してしまったのか、そんな人間に存在価値はあるのか?を問うことにします。
 
  生物が地球に発生してから40億年の時が経とうとしています。その間に生物は何度も大絶滅をしたとされています。それは地球規模の気候変動などが主な原因であったのですが、近い将来、人間の悪行(あくぎょう)によって生物全体に生存の危機がもたらされようとしているのです。この大事件はそれまでの原因とは全く異なる異質なものによって起こるのです。人類(ホモサピエンス)に視点を当てると、その誕生から絶滅(予想です)までの期間は数十万年そこそこに過ぎません。これは化石に残された証拠から推定される500〜1000万年という平均的な生物種の存続期間を考えると、少なくとも自然の状態での絶滅速度の10~50倍以上の速さでホモサピエンスが絶滅することが予想されるのです。その原因が人間の知能にあるとすれば、それは冗談に匹敵しない苦い笑い話になるでしょう。そこで、これまでの大絶滅についてその原因と結果を検証し、これから起ころうとしている人間が原因となる生物の危機がなぜ起こると予想されるのか、そしてその結果はどうなるのか、について自論を述べたいと思います。
 
  歴史上地球では何度も大絶滅が起こっていますが、過去の大絶滅においてはどの位の期間の間に絶滅が起こっているのでしょうか? たとえば最も有名な6550万年前の白亜紀における恐竜類の大絶滅においては、小惑星衝突から1年というような短い期間に絶滅が起こったのではなく、数百年という長い期間に絶滅したのであろうという説が最近は有力です。このときの絶滅はユカタン半島に衝突した隕石が原因ということは2010年に確定されていますが、当初は核の冬に相当する気候大変動により恐竜が食物不足に陥って絶滅したと考えられ、それは数年内に起こっただろうと予測されていました。しかし化石からはどう考えても数百年というかなり長い時間が掛かったと考えられるようになったのです。
  このことは絶滅に要する時間が予想よりも長かったことを示していますが、人間が原因である絶滅の場合にはもっと極端に短時間に絶滅が起こることが予想されます。一般にはほとんど知られていないことですが、炭酸ガス濃度の増加による窒息がその原因となるという仮説があります(後述)。その危機が到来するのは2080年頃であると日本の科学者である西澤潤一らは指摘しており、しかも数十年というかなり短期間に全ての動物が死に至る影響を受けるため、これは小惑星衝突以上の短期間絶滅ということになる可能性が大きいのです。さらに筆者はそれよりも早く大絶滅が起こることを予感しました。それは環境の劣化とともに世界中にストレスが増大し、世界大戦が核戦争という形で勃発することを予想したからです。大雑把な予測では2020年前後にそれは起このではないかと危惧してきました。この筆者の予感は35年ほど前に遡りますが、それは学生らの前で行った講義の中で触れたことです。そして昨今の世界の状況はそれを裏付けているように思えて仕方がありません。もし世界核大戦が起こったなら、それにより地球に大規模な気候変動が起こり、およそ生物の40%が死滅する可能性があると予想していますが、もし核の冬による寒冷化が起これば、前項で述べたメタンハイドレートの崩壊を免れることにより、人類はその叡智と技術により一部の人々は生き残るかもしれません。
 
  これまでに地球で起こってきた生物の隆盛と絶滅の原因については、環境の激変がほとんどであり、それを個別に見てみると、①氷期到来・②小惑星の衝突・③火山大爆発・④天敵生物の出現・⑤メタンハイドレートの崩壊、が挙げられます。
 
  おのおのについて例を挙げると、①氷期到来の最古の事例は24億〜22億年前 に起こったヒューロニアン氷期が知られており、8億〜6億年前には大規模な氷河時代がありました。この氷期に関してスノーボールアース仮説という生物進化に関わる仮説があります。この氷期に種々の生物の進化が見られたとするのがこの仮説です。この氷期はエディアカラ生物群やバージェス動物群のような生物多様性を形成したと考えられていますが、氷期後からカンブリア大爆発(新生物種の大量発生)までには3200万年を要しました。これは準備期間とみることもできるのかもしれません。そして5億4200万年前から5億3000万年前の間の1200万年の間に、突如としてカンブリア大爆発と呼ばれる生物の多様化が起こります。短期間に脊椎動物をはじめとする今日見られる動物界のほとんどの門 (分類学) が出そろった現象のことを指します。これはつぎのオルドビス紀(4億8830万年前から4億4370万年前)にも引き継がれ、生物の多様化が進みました。オウムガイに代表される軟体動物や三葉虫のような節足動物が知られています。また、オルドビス紀後期には顎を持つ魚類が登場しています。4億6000万〜4億3000万年前には一時的な氷河期があり、その直後に生物の大量絶滅(オルドビス紀末)が起こりました。先カンブリア時代の終わりから現在までにおよそ10回の大絶滅が起きていますが、オルドビス紀大絶滅は最初の大絶滅と言われています。
 
  ②小惑星の衝突の事例としては20億2300万年前の最大の小惑星衝突があります。これによってできた現在の南アフリカ共和国にあるクレーターはフレデフォート・ドームと呼ばれ、2005年に世界遺産に登録されています。これのお蔭で南アフリカは金やダイヤモンドの産出国となっているのです。これ以降では18億5000万年前 (古原生代) に衝突し、現在のカナダに残るサドベリー・クレーターがあり、これが2番目に大きいとされます。5億4200万年以降(顕生代)に形成されたメキシコのユカタン半島に残るチクシュルーブ・クレーター(恐竜絶滅の原因ともいわれている衝突)は3番目の規模ですが、この頃には大型爬虫類が闊歩していたために生物の絶滅の規模からすれば最大の絶滅となりました。
 
  ③火山大爆発は地球誕生以来数えきれないほど多くあったに違いありません。ですが地表が冷却してきたことによって地殻ができ、それがさらに内部から湧き出てくるマグマ対流によって裂け目ができて移動し始めると、そのプレートの衝突という現象が生れました。プレートのほとんどは海底にありますが、それが陸地とぶつかるとその下に潜り込みます。その時に摩擦熱で岩石が溶け、部分的にマグマが生じます。それが地表に吹き出す現象が火山ですが、ときにはそのマグマ溜まりに地球内部のマグマが加わることもあります。そうなると大量のマグマが集積されることになり、それはガスを発生しながら圧力を増し、ついには地表に裂け目を作ってそこから噴火します。これが巨大噴火をもたらすのです。わかっている巨大噴火として7万4千年前にスマトラ島で起きた巨大噴火は世界の人口を減少させたと言われています。近年においても535年に起こったクラカタウ巨大噴火はインドネシアのカラタン文明を消滅させ、世界各地に異常気象をもたらしたと言われています。この巨大噴火は東ローマ帝国の衰退やネズミを媒介とするペストの蔓延、イスラム教の誕生、蛮族によるヨーロッパ侵攻、中央アメリカのマヤ文明の崩壊、少なくとも四つの新しい地中海国家の誕生などに関連しているという推論が、1999年に放映されたイギリスのテレビ・ドキュメンタリーで語られました。1883年にもクラカタウは噴火しましたが、その噴煙は3~4万メートルにも達し、3万6千人が津波で亡くなりました。これによって北半球全体の平均気温が0.5~0.8℃降下したのです。フィリピンのルソン島にあるピナトゥボ山は1991年に20世紀最大規模の大噴火を引き起こしました。この噴火によって大量の粉塵が成層圏に撒き散らされ、それは何ヶ月にも亘って残留したため太陽の日射が地表にまで届かなくなり、それにより地球の気温が約0.5℃下がり、オゾン層の破壊も著しく進んだと言われています。日本では1993年に冷夏となり、農作物に多大な損害を与えました。アメリカのイエローストーンは国立公園となっており、多数の小規模な噴気孔と間欠泉、そして色とりどりな温泉によって知られていますが、これも200万年前に超巨大噴火をしており、クラカタウと並ぶ超巨大噴火とされています。現在も地下に大量のマグマを蓄積しているといわれ、それが爆発した場合にはピナトゥボ山の噴火の100倍に達し、5万メートル上空の成層圏まで噴煙が達するだろうと予測されているそうです。その場合には2週間で噴煙は地球を覆い、数年に亘って寒冷化をもたらすと言われています。地域によっては10℃もの気温低下が予測され、「火山の冬」が到来すると考えられています。日本の富士山は70万年前から形成され始め、10万年前から急速に成長しました。5千年前から新たな活動期に入ったとされています。最近では1707年の宝永大噴火がよく知られていますが、その噴出量は意外と少なく、上記2大超巨大噴火がいかに凄まじいものであったかが分かろうというものです。富士山も近年の巨大地震予想によって噴火が誘発される可能性が指摘されており、もしそれが起これば、東京は壊滅的打撃を受けるだろうと予想されています。産業技術総合研究所は解析の結果として、富士山は、巨大地震の強い力で内部にひびが入ると、そこから爆発的な噴火を起こしかねない状態だとする分析結果をまとめています。M9クラスの大地震後約1ヶ月から3年以内に噴火を始める可能性が高く、噴火が宝永噴火と同じ規模の噴火が起きた場合にはその噴煙は高度2万メートルまで上がり、偏西風に乗ってわずか2時間で東京に到達し、東京から千葉一帯には2~10cm程度灰が降る可能性があると指摘されています。その場合、電線の絶縁破壊から大停電が発生し、火力発電所も粉塵の影響で停止し、全ての交通機関は1週間ほど回復不可能だろうと言われています。これは日本経済に致命的影響をもたらし、国債は暴落して物価は10倍以上に跳ね上がるでしょう。そして日本経済は10年以上に亘って失墜することは間違いありません。これは最近NHKが放送した「首都直下地震」番組でも同じ予想をしていました。2014年9月には御嶽(おんたけ)山が突然噴火しました。これは予測不可能であったと言われています。山頂付近に250名もの人が登山中だったため、死者はこの種の災害では戦後最悪の58人となりました。このように噴火というものは予知が難しく、いつ起こってもおかしくないものです(核戦争も同様です)。これらは運命と受け止めるべき事柄だと考えています(№534「運命論」)
  日本で最後の巨大なカルデラ噴火は、約7000年前に鹿児島沖で発生しています。巨大なカルデラ噴火が発生した場合、南九州一帯に及ぶような破局的な被害をもたらすというのが定説となっています。他にも近年ではインドネシアのメラビ山で噴火が相次いでおり、アイスランド、ギリシャのサントリーニ島も噴火の危険性が指摘されています。現代においてもし超巨大噴火が起きた場合、飢餓によって世界人口は激減し、生存のための戦争が多発すると思われます。それはひょっとすると核戦争を伴う第三次世界大戦に発展する可能性が極めて高いとみなければならないでしょう(№216「ヒトと国家の自己防衛本能」・№217「集団帰属本能による最終戦争の解析」・№289「囚人のジレンマと第三次世界大戦」)
 
  ④天敵生物の出現という観点からみてみると、個々の時代において生存を賭けた闘いの結果として、優勢な生物が生き残り、劣勢な生物が絶滅していったという事例は山ほどあるに違いありませんが、ここでそれを事例として取り上げることはしません。またこれまでに無かった新微生物やウイルスの登場で起こるバイオハザードについても言及を避けたいと思います。その代わり、多くの生物にとって最後の天敵とされる人間が及ぼした影響を取り上げることにします。
  現代の大絶滅(そのほとんどが人間が原因)は、ほぼ産業革命(イギリスでは1760年)以来始まっていると考えられるのでその期間は260年であり、1998年のアメリカ自然史博物館による調査によると、70%の生物学者が今まさに現在という時点において大量絶滅が起こっていると見ています。これは人類が引き起こしている生物圏の破壊によって起こっている現象であり、隕石の衝突とか地球の大きな気候変動による氷河期とかが原因ではないのです。すなわち地球生命体ガイアにとって癌細胞的存在である人類(トップページ写真説明参照)は、これから100年の間に、地球上の半分の種を絶滅させるのではないかと予想しているのです(№232「ガイア小論」)国際自然保護連合は「レッドリスト」として、毎年絶滅に瀕している種を発表していますが、こうした調査の多くは大量絶滅が進行していることを明らかに示しています。三畳紀末の大絶滅では76%の生物が絶滅したと推定されており、白亜紀末には70%が絶滅したと言われています。今世紀、人類のせいで50%の生物が絶滅し、炭酸ガスがあと60年で3%に達する(現在の濃度の約75倍)ことでほとんどの動物が死に絶えることにより、合計すればおそらく70%以上の生物が絶滅することになるでしょう。これはまさに大絶滅という事態に他なりません。
 
  ⑤メタンハイドレートの崩壊による絶滅の事例として2億5000万年前のペルム紀に起きたメタンハイドレートの爆発的気化による大絶滅が知られています(№207「メタンハイドレートの脅威」)。なぜメタンハイドレートが海底から噴き出すのか、その理由をかいつまんで説明します。これまでに生物は海洋で発生したと考えられていますが、その死骸は何十億年という長い月日を掛けて海底にゆっくり沈んでいきました。これをマリンスノー現象と呼んでいます。生物が大量繁殖し、大型化するとこの堆積速度は一気に早くなり、現在観測されているその厚さは1kmに及ぶこともあるといいます。この堆積物は還元的雰囲気の中で古細菌であるメタン発酵菌により分解され、最終的にメタンとなり、メタンは高圧(水深数百メートル)の下で水分子に包摂されてメタンハイドレートとなります。また熱水噴出孔付近では地底から出てくる水素と二酸化炭素からメタンを合成するメタン産生菌もあることから、別の仕組みでメタンが出来ている可能性もあると考えられます。さらに堆積有機物が地下熱で非生物的に分解されてメタンとなることもあると言い、量的には熱分解ガスの方が多いとされ、プレート境界や油田地帯では熱分解起源の天然ガスハイドレートが確認されています。熱分解起源のメタンが海底の地層の隙間から噴き出しているのが見られることがありますが、これをメタンプルームと呼び、熱水噴出孔から出たメタンプルームは噴出口から数10cm上昇するうちにメタンハイドレートが生成すると言います。
  メタンハイドレートは温度が上がると分解してメタンガスと水になりますが、その際吸熱反応で温度が下がるので表面は氷結するため通常では容易に分解しません。そのため常圧下でもマイナス20℃程度で長く保存できる自己保存性を持ちます。現代の調査でも海底にむき出しの状態でメタンハイドレート層が存在している場合もあることが分かっているそうです。
  ですが、この表面の氷の蓋が破られるとその下層にあったメタンハイドレート層が一気に分解して突沸する現象も想像され、実際そのような現象が起こったと考えられる永久凍土地帯での大規模な垂直穴や浅海における多数の穴が発見されています。2014年11月にシベリアで発見された永久凍土の巨大な垂直の穴は、近年の温暖化によって永久凍土の下に眠っていたメタンハイドレートが崩壊したことによって作られたものであろうと考えられています。このような穴は近年になって続々見つかっているそうです。同年に発見されたロシア北部のヤマル半島のものは2012~13年頃にできたと推定され、幅30m・深さ50~70mに達します(*003「地球温暖化による気候変動と動物大絶滅」参照)
 
  人間は石炭という化石燃料を掘り出したあと、もっと効率の良い燃料として石油を大量に汲み出して石油文明を作り出しました。さらに地球という貯蔵系からシェールオイルという形で石油や天然ガスを絞り出してとことん使い果たそうとしています。そしてそれが枯渇したときのために最後の化石燃料としてメタンハイドレートに着目しているのです。現在までの調査では世界の大陸や島嶼の周辺の海底や大陸棚などにメタンハイドレート層が相当あることが分かっており、あとはこれをどうやって採掘するかという技術的問題を解決する段階になっています。日本近海の場合、1996年の時点で分かっているだけでも、日本で消費される天然ガスの約96年分に相当する量が確認されています。誰しもがこれを吉報と歓迎するに違いありませんが、筆者は非常に恐れており、この開発はパンドラの箱を開けるに等しいことであると考えています。
  確認されている海底のメタンハイドレートの埋蔵量のわずか10%が融解してメタンが大気に放出されるだけで、大気二酸化炭素量は2倍になるという説もあり、逆に言えばそれと同じ量を使用すれば同様に大気二酸化炭素量は2倍になるということも意味します。人類がそれだけの量を使用することを恐らくIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の予測は計算には入れていないと思われます。或いは仮に人類がメタンハイドレートを使用しなかったとしても、近年の温暖化傾向により地球の貯蔵系としてのメタンハイドレートが世界の各所から噴き出しはじめれば、予測を超えた事態が発生することも予想されます。メタンハイドレートの特徴は、石炭・石油と違って手をつけなくても温暖化で噴き出す恐れがあることです。
 
  そしてここに第⑥の絶滅の原因として人類が登場します。これはこれまで無かった絶滅の理由になり得るものであり、それこそ地球史における初めての事象となります。人類の繁栄が他の動物を絶滅に追いやっているという側面だけでなく、核戦争による地球環境の激変がそれをもたらす可能性もあります。その両面を考察していきますが、まず人類の繁栄による他の動物の絶滅の側面を見ていきましょう。
 
  人類が絶滅させた生物種の例としては、最も古い記録ではウシの一種であるオーロックスがあります。1万1千年前までは、ヨーロッパ・アジア・北アフリカなどの広い範囲に分布していたとされていますが、食用とされたため、乱獲により1627年に絶滅しました。鳥類ではモーリタニアのドードー、北アメリカのリョコウバトが知られています。これも乱獲がその原因です。ドードーの場合は1598年にその存在が知られてから、たったの83年で目撃例が途絶え、絶滅したとされます。この場合単に乱獲だけでなく、オランダの探検隊が持ち込んだイヌ・ブタ・ネズミによる雛や卵の捕食も原因となりました。ドードーは巨体で翼が退化しており、飛ぶことはできなかったこと、地上に巣を作る習性があったことが災いしました。リョコウバトは鳥類史上最も多くの数(50億羽と推定されている)がいたと言われますが、銃狩猟による乱獲によって19世紀に激減し、1914年に動物園に最後の一羽として残っていたメスのマーサが死んで、20世紀初頭に絶滅しました。この場合はリョコウバトの繁殖力の弱さと、森林の喪失も絶滅の要因となったようです。アメリカ大陸発見から約400年後のことでした。その他数多くの動物が、ほとんどの場合環境の人為的変化や乱獲により絶滅しているのです。
  人類の繁栄は大量の化石燃料の使用により、短期間に貯蔵系にあった有機資源を燃やしたことで、大量の二酸化炭素を排出したことで地球に温暖化を引き起こし、その環境の変化は適応の難しい動植物に絶滅の可能性を与えました。北極のシロクマの減少がよく取り上げられますが、それよりも生物圏全体の減少をもっとマスコミは喧伝すべきですし、人々も関心を払うべきです。植物にとって本来二酸化炭素は植物の栄養源ですからそれが増えることは植物の生長を促進しますが、行き過ぎると気温への適応が困難になる恐れがあります。植物は生育場所を移動させることが難しく、種(たね)や胞子の拡散で移動が容易なものでも、1kmを数年かけて移動するのがやっとという具合です。近年では人間活動(飛行機・船・自動車)による移動があり、短期間に世界に広がる可能性も出てきましたがそれは稀な事例です。ナガミヒナゲシは日本に外来種として入ってきてからあっというまに数年で全国に行き渡りましたが、それは自動車のタイヤの泥と一緒に運ばれたと言われています。ですが多くの植物はほとんど移動できません。ですが植物の場合には種や胞子という形で子孫を残す術を持っています。筆者は植物に関しては絶滅をそれほど危惧していません。むしろそれは動物に極端な影響を与えます。動物は地球上に植物が先に誕生したあと、植物によって二酸化炭素が酸素(植物の排出物)に変えられたことで誕生することができました。逆に再び二酸化炭素が増えると今度は活動ができなくなり、ついには死に至ります。人間の場合、おおよそ3%(現在の濃度は400ppmで、これは0.04%に相当します)になると活動できなくなり、25%以上ではほぼ確実に死にます。温暖化は酸素濃度にほとんど変化を与えていませんので、酸素不足になることはないと思われます。問題は二酸化炭素の濃度にあるのです。現状の100倍の濃度になると動物は全て活動できなくなり、ついには餓死します。
  この二酸化炭素による毒性の問題が環境問題と絡めて取り上げられたことはほとんどないと思われます。日本の西澤潤一・上墅勛黃(いさお)が『人類は80年で滅亡する』(2000年刊)で初めて取り上げたのではないでしょうか。ですがこれは温暖化による災害よりも後になって響いてくるボディーブローのようなものです。これを軽視したら動物界全体にとって最大の悲劇として表れるでしょう。
 
  第二の側面である核戦争による絶滅は上記の理由から主として動物に表れます。植物も一時的には環境の激変によりその量を相当減らすでしょうが、種・胞子による子孫を残す巧妙な手段を持っており、絶滅はほとんど考えられません。ですが植物の一時的減少は人類にとっては重大な問題です。これまでグリーン革命(機械力と肥料・農薬による食糧増産革命:1940年代から1960年代)で穀物や野菜の増産を図って繁栄を遂げてきた人類のことですから、食糧が激減すれば飢餓は避けられなくなります。これまでは飢餓という問題は後進国や内戦国の問題だと考えてきた人も多いでしょうが、これはグリーン革命以後の特殊な状況下のことであり、それ以前の数十万年の間、人類は飢餓との闘いに明け暮れてきました。それが現代になって起こるのです(№790「食糧(食料)」・№904「動物と人類の大絶滅」)。現代では卵子と精子を冷凍保存する技術が実用化しており、その手段で子孫を残せると簡単に考えている人もいるかもしれませんが、冷凍には液体窒素が必要で、これはその設備が残っていて電気が継続的に使用可能ならばという条件が必要であり、恐らく核戦争下ではほとんどの主要インフラが破壊される可能性もあり、設備が使用可能とされるのは世界でもほんのわずかでしょう。
 
  以上の検証からわかることは、生物の大量絶滅が地球にとっては必ずしも悪い事だけではなかったように思えることです。特に寒冷化による絶滅はその最中に多様性を生みだしたり、進化を促したりしており、いわば我慢の時であってその後に希望を抱かせるような気がします(№571「生物とその種の絶滅・そして進化」。丁度四季における冬のようなものであり、それが来たるべき春を予想させるからです。ですが小惑星の衝突はあまり歓迎できるものではなく、それは運命論的にいえば、諦めるしかない不幸です(№534「運命論」)。最後に事例として挙げた、人間が原因となっている絶滅、そして近い将来に起こると予想される核戦争による絶滅は、避けようと思えば避けられた性質のものであり、それだけに何としてもこの大災厄を乗り越えるための努力が人間に求められるのですが、今やそのための時間資源は無くなっていると見るべきでしょう。現状からすると原理的(科学的)に考えてもこの大災厄を回避することは不可能であると思われるため、筆者としてはその後の未来世界に希望を見出そうとしているのです。もし核戦争後に残された人類が、より高い叡智を持つ新人類に進化していれば、その可能性は十分あると思えるのです(№819「新人類(ネオサピエンス)の登場」)
 
  動物生態系は人類の衰退と逆にその数を増やすことになるのか、それとも環境の激変によって数を減らすのかは分かりません。筆者は後者であると予想しますが、その理由は動物にとっては環境の激変への対応が極めて難しいからです。しかし、もし人類が核戦争後数十年の間に滅亡の危機にまで追い込まれるとすれば、確実に地上は動物の天国になるでしょう。それはチェルノブイリや福島原発での事故後の人の居なくなった避難地域における自然生態系の復活を見れば分かることだと思います。動物は山野や海という逃れ場所がありますが、人間にはそれは極めて少ないのです。文明から切り離された現代人は恐らく生きていけないでしょう
 
  最後に生物とその種の絶滅について結論を出しておきたいと思います。まず生物が全滅することは当面有り得ないと考えています。第三次世界大戦が核戦争であったとしても、地球外小惑星が地球に衝突したとしても、地球には既に生命が誕生しており、なにかしらの生物が生き長らえる環境はどこかに存在します(№961「排除の論理と適者生存の原理」)。それは生命誕生の場所とされる深海かもしれないし、地衣類やコケ類が生える岩場かもしれません。ですが種が絶滅することは現在も起こっていますし、人類がそうなる可能性はゼロではありません。ですが人類の適応性と技術力からすれば、どんなに過酷な状況でも生存圏を拡大してきた人類が絶滅することは可能性としては低いと観なければならないと考えています。しかし世界核戦争が近々に起こる可能性は極めて憂慮すべきことに増大しており、まもなくそれは臨界点を超えて爆発するでしょう(*001「世界の現状」参照現在考えなければならないことは、その後の世界を展望することであり、二度と同じ状況を作らない世界体制を確立する手段を模索することです。勿論、確固たる理論を基盤としたものでなければならず、その世界を人々に提示していき、全地球民が心の備えをしなければならないのです。それが今を生きる我々の使命であると思っています(№188「未来社会の実現の条件」・№190「ノム思想」)
 
  生物の歴史を顧みると、大絶滅の後には必ず新種の生物や進化した生物が興隆を極めたという事実があります。喫緊の最大可能性として第三次世界大戦が核戦争として勃発した場合の生物の危機は当初は部分的なものに留まるでしょう。なぜならば、核戦争の標的は大都市や工業地帯、そして原子力発電所という特定インフラ施設に限られるからです(№642「核兵器」参照)。そしてその最も大きな被害は人類に及びます。問題は核戦争によって引き起こされる核の冬がどの程度にまで生物界に影響を与えるかということがまだ正確には明らかになっていないことにあります。数ヵ月からもしかしたら数年続くかもしれませんし、雲の上にまで拡散した粉塵がもたらす日射の減少は、世界的飢餓をもたらすことは間違いありません。核戦争後に発生する無政府状態の中での各地の紛争や戦争もこれに拍車を掛けます。その最大の被害者もまた人類なのですがそれは動物に及びます。これは人間の自業自得ということなのでしょう(№119「自業自得」)筆者は天罰とも考えています。
  核戦争において地球規模で発生する高放射能状態は生物全般に目に見えない大きな影響を与え、特に人類にそれが顕著であろうと思います。生物全体として短期間に耐放射能性の高い生物に進化するかもしれません。それが外見的なものに現れる可能性は小さいでしょうが、生理機能の進化として残ることでしょう。チェルノブイリや福島の強制避難地域に生物多様性が見られますが、その生物に外見的進化は現在のところ見られていないようです。だがこの環境に生き残っている生物は確実に耐放射能性を新たに獲得していると思われるのです。そしてそれが数百世代、或いは数千世代続いたあとには、自然淘汰により生理的に耐放射線能力をより強固に固定化しているに違いないのです(№011「自然淘汰と病気」)

  人類に関して重要なことは、他の生物と同様の耐放射線能力の向上だけでなく、知的レベルに著しい向上が見られるのではないかということです。人類の進化はこれまで行動の変化(二足歩行・調理)などが形態の変化をもたらし、さらに大脳の進化を促進してきました(№322「進化論」)人類の核戦争による大災厄によって、今度は状況の変化や環境の変化が人類を知的に進化させる可能性は非常に大きいと思われます。一時的には世界の混乱、そして小規模の各国間・地域間での戦争により、人はサバイバル競争に打ち勝つために動物的本能を働かせるため、その行動は動物的なレベルにまで下がるでしょう(№699「サバイバル原理」)ですが数十年から数百年の短期間にこれを克服し、新しい秩序の下に新世界を築くことになるでしょう。そしてこの新世界がノム思想を発見していれば、この思想が未来社会の構築に最も相応しい思想であることを見出してこれを採用し、これまでの人類の歴史には無かった新しい秩序を形成することに成功するでしょう(№190「ノム思想」)。それが実現する頃(数百年先)には人類は新しい頭脳を持つに違いありません。ある意味ではこうした頭脳の進化がなければノム社会の実現も難しいのかもしれないと思っています(№120「未来社会の想像図」)。いずれにしても筆者の願望として、世界核大戦とその後の戦乱による人類の存続の危機を乗り越えたときには、人類が非常に高度な精神性を持つ新人類に進化していると期待したいのです(№738「ヒトの誕生と進化」・№819「新人類(ネオサピエンス)の登場」)
 
  最後に本項のメインテーマである、1.人間だけがなぜ高度の知能を持ったのか?・2.なぜ人間はその知能を乱用して自分の生存条件である環境を破壊してしまったのか?・3.そんな人間に存在価値はあるのか?という問題を考えていきたいと思います。
 
1.なぜ人間だけが高度の知能を持ったのか?

  人間は二足歩行や調理などにより頭脳を大きくすることができ、それが大脳の発達に結び付いて高度な知能を生み出したとされています。人間はサル目ヒト科ヒト属ですが、1種(ホモサピエンス)しかいません。結局のところ、「ヒト」というのは、直立二足歩行を行うこと、およびヒト特有の文化を持っていることで、類人猿と線引き・区別されています。重要なのは、ヒトの進化過程で同種他属がいくつも誕生し、それらが闘争の結果、技術と集団性でわずかに優れていたホモサピエンスが勝利して唯一生き残ったということです。サルでは世界に多くの同種他属が存在し、目・科・属にまで広がっています。人間だけが同族同士で闘って敵と見做される相手を滅ぼしてきたのです。それは現代でも殺人・戦争という形で引き継がれています。それはなぜなのでしょうか?
  この設問に明解な解答は思いつきません。ですが筆者は敢えてその答えを本能に求めたいと思います。動物は生存本能と生殖本能にほぼ限定されて種の維持を図ってきました。その場合、自分の生存が確保されればそれ以上の闘争は避けるように仕組まれています。それに対し人間は大脳本能と筆者が呼ぶ知的本能を進化させて、自分の気に入らない相手をも滅ぼすという攻撃本能を身に付けてしまいました。それがホモサピエンスが他族を滅ぼした理由かもしれません(学説的にはまだホモサピエンスとネアンデルタール人が闘争したかどうかは判明していない)。それは人間の中で集落が発生し、それが部族という単位に成長したときからあったことだと考えています。つまり知的本能への進化は攻撃本能の進化をも含んでいたということです。これは現代で言えば、経済競争による淘汰に表れていると見ることもできます。自由経済主義という考え方自体がこの人間の持つ攻撃本能の典型的なものです。そこには共存共栄という概念はありません。
  ほとんどの人が知的な事に対して称賛を与えます。ノーベル賞はその典型です。ですが果たして知的産物というものにそれだけの価値はあるのでしょうか?人類が作り上げた文明の証であるピラミッド・摩天楼は人々を驚嘆させますが、それらがもたらしたものが環境破壊・人類生存条件の破綻であるとすれば、それは結局空しいものなのではないでしょうか。人類が成し遂げた産業革命は動物力(人力)を燃料による動力に換えたことで人類を大きく飛躍させました。ですがそれが人口爆発と地球温暖化の始まりであるということはデータから明らかです。筆者は人類の知的生産物というものはまだその程度なのだと幻滅しています。すなわち、人類はまだ本当の叡智を身に付けていないのです。
  設問の答として、筆者はホモ・サピエンスが他の知的動物(多くの絶滅ヒト属)を滅ぼした結果として、人間だけが知的進化をしたのだと考えています。
 
2.なぜ人間はその知能を乱用して自分の生存条件である環境を破壊してしまったのか?

  この設問に対する答も1.の説明で理解可能です。人はまだ知能が不完全であって、完成には道半ばなのです。もし知能が成熟してくれば、自分の為している事の影響をあらかじめ考え、未来を予測し、そして最適な手段を取るというように思考するようになるでしょう(№035「人工知能(AI)」)そうなれば、地球という限界のある領域の中で、人間が許される行動の範囲や規模が理解されるようになります。昔の日本人はそのような叡智を持っていました。山や海からの産物を「幸(さち)」と呼び、感謝を捧げてきました。動物であっても植物であっても採り尽くすということはせず、再び収穫できるように適切な量を残しました。ですが今日では、攻撃本能逞しい国家が自国の国民を食べさせ儲けるために海産資源を採り尽くしています。広大な土地を持つ国家は効率の良い大規模な畜産を行い、その産物を他国にまで押し付けようとしています。このような自由経済という仕組みが世界の環境を破壊している大きな原因です。すなわち、西洋的収奪経済が世界を支配したために、その影響が短期間に表われてきたということだと思われます。もしこの環境を元に戻そうとするならば、人口に制限を加え、さらに人間生活や産業を化石燃料に頼らない産業革命以前の状況に戻す必要があるでしょう。ですが人間にそれだけの覚悟があるとはとても思えません。人類は自滅の方向を自ら選択しているのです
 
3.このような人間に存在価値はあるのか?

  筆者はこの設問には、価値観を人間が定めてしまっているという傲慢さがあると考えます。自然が人間を誕生させたのは事実ですし、それを神の創造の業だと信じる人もいるでしょうが、科学的にも現実的にも人間は今ここに存在しています。それを問うという事自体に意味はないと考えます。それよりも、人間はどうあるべきか、と問う方が重要なのでしょう。つまり人間の存在の意味を問うことの方が重要です。
  筆者は運命論に立っていますから、人間がここに存在することを認めます。そして生物の本質的目的である種の継続ということを最大の課題としたいと考えます。そのためには、①人間の知的本能の持つ攻撃性を制御する・②生存環境の維持のために自然との共生を図る、の2点に集約してこの問題を解決していきたいと考えます。
  ①人間の知的本能の持つ攻撃性を制御するためには、教育しかありません(№344「教育論」)。それも世界的に統一された理念に基づく教育がなされなければなりません。そしてそれがもたらす効果については歴史が証明しており、人は教育されたように創られるものであることは明らかです。その長い営みは引いては人間の本能を根底から変えていくでしょう(知能の進化)。世界的に統一された理念はノム思想によって与えられます。現在のところこれが唯一の最善の思想・哲学であると考えます(№190「ノム思想」)。
  ②生存環境の維持のために自然との共生を図るという目標を達成するためには、ノム思想に基づき人間生活を人間力や動物力によって維持することを考えなくてはなりません(化石燃料使用の耕運機・コンバイン等の使用禁止と電動化)。そして人間の技術力(知力の一部)を利用しながら、それを達成する方法を模索しなくてはなりません。原子力発電が化石燃料発電よりも優れていることを証明しなければなりません。原子力発電のリスク(放射線障害)は極めて小さい要素です。それを過大に考える必要はありません。人間はもっと大きなリスク(化石燃料による発電)を行っているからです。人間はさらに優れた電力発電方式を近い将来開発するでしょう。化石燃料を使用しないでコンクリートを生産する方法も開発するでしょう。ですが人口だけは制限を加えなければなりません。筆者はその目標を20億人程度と考えています
 
  以上の解決策は一気に可能なわけではないので、非常に長期に亘って継続的に行う必要があります。それに応じて環境も徐々に改善されていくでしょう。ですが人間の努力ではどうにもならない自然災害や地球の気候変動も考えられることから、全ての事象を運命として受容していく心を人間は持たなければならないのです。そして人類はそれを必ずや克服していくでしょう。なにしろ氷河期をさえ乗り越えてきたのですから。(完)
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