【時事評論2026】
「事実」を伝えるのは「正しい」報道ではない
2026-08-15
今回のタイトルはかなり皮肉ったものになっている。最近の新聞やネットのニュースを見ていると、日本に敵対している中国やロシアのプロパガンダめいた言辞をそのまま「ニュース」として報道している日本のメディアが多く、非常に腹立たしく思っている(23.9.7「中国の自国の事を棚に上げた発言」)。確かに中国やロシアの言うことを無視すべきとまでは言わないが、せめてそれをタイトルにして「正論」であるかのように扱うのは止めてほしい。たとえば15日の産経新聞2面には、『露「日本は厚かましい」 中国、領土問題で協調暗示』という記事が載った。タイトルだけ読むと、日本が厚かましいかのような印象を持ってしまう。また、ネットニュースのタイトルの中に『ウ攻撃に関与、米政府に問題提起』というものがあったが、米政府に問題があるかのような印象を与えている。いずれも言葉を断片的に用いることで、事実から離れた誤った印象を与えてしまっている。
新聞やネットのタイトルの書き方に大きな問題がある(24.7.31「新聞の紙面構成とタイトル」)。それは一重に「目を引くような刺激的なもの」になっており、数多くのニュースの中で最初に読みたいという気を起こさせようとしている。ニュースの内容の本質的意義など後回しにされており、いかに「面白そうに・興味本位に」するかという記者の思いが伝わってくるかのようである。記事内容についても同様であり、些末などうでもいいような内容であっても、興味を引くような内容にしている。ネットにあった『拘束された「美人すぎる暗殺者」 』というタイトルはまさにその典型であろう。誰でもが読みたくなる欲望にそそられるからである。
敵大国のリーダーが日本に対して発言するときは、日本を敵対的に扱い、日本を見下し、日本の全てを否定的に扱い、言を弄して批判するのが常である。それをそのまま一字一句違えずに伝えるのは、確かに「事実を伝えた」ことにはなるものの、事の真実を伝えていることには決してならない。まして日本側の主張や反論が省略された場合には、日本がまるで一方的に悪者にされたことになってしまう。読者は日本の在り方に疑問を持つように仕向けられてしまうことになる。よく『嘘も百編唱えれば事実になる』と言われるが、メディアは敵国のそうしたプロパガンダを数多く取り上げることで、日本国民を洗脳状態に置こうとしている。それはメディアが左翼思考であることと無縁ではない。外国の言うことは正しい、外国が世界標準である、という思考が、日本人から自信を失わせているのは事実であるし、まして敗戦国である日本にはモノを言う資格はない、とさえ考えている自虐思想家(平和主義者のほとんどがこの類の人間)は、亡国思考しかできない人間なのであろう。
敵国の指導者が日本をないがしろにする発言をした場合、日本のメディアはそれを日本の立場から観た形で解釈しなおし、日本の立場での言葉として書くべきである。ノムニュースはそのような形でのタイトルや記事に書き直しており、それは「事実」に沿ったものであり、日本人にとって「正しい」内容になっている。「事実」を用いたニュースは、正しい報道にもなり得るし、間違ったプロパガンダ風の報道にもなり得る。そのことをメディアは承知しているはずであるが、どういうわけか、実際に流されているニュース記事を読むと、違和感が多く感じられ、時には腹が立つこともままあるのである(23.9.8「メディアはなぜ中国のプロパガンダに加担するのか!」)。
未来世界の報道は、ノムAIを用いてその記事の客観性を判断できる指標(点数)、および記者かデスクの氏名を併記することになるだろう(21.4.6「ノムAIの提言」)。某国が自国に有利な書き方をした場合には、当然の結果として客観性指数は低くなる。また敵大国に対して極端な非難をした場合にも客観性が低くなる。指数を見ることで読者は客観性を知ることができ、それが低い場合にはそれを信用しないだろうし、新聞社などの情報機関は、読者に信用されない記事を載せるわけにはいかないことから、正しい客観的報道の仕方に努めるようになるだろう。このような情報システムは各国に任せることはできないため、連邦政府直轄の情報機関が行うことになるだろう(21.2.1「ノム世界の情報システムの提唱」・21.4.21「日本は情報省を設置せよ!」)。それは連邦政府の情報省とは別の、独立組織にした方が良い。連邦政府自身が情報を流す場合にも、この独立組織が情報の正しさを指標で表すことになるからである。
(8.15起案・起筆・終筆・掲載)