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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20)

【時事評論2025】

クローン増殖

2025-10-20
  前項で、クローンについて触れた時、クローンについて適切な引用したいテーマ名が無かった。唯一「天皇制維持のためのクローン技術」というテーマがあったが、引用としては余り適切ではなかった(22.6.13「天皇制維持のためのクローン技術」)。そこで改めて本項を設けることにした。クローンという言葉が世に知られ始めたのは、宗教団体であるラエリアン・ムーブメントが2002年にクローン人間を創ったという報道がされたことによると思われる。だがクローンは自然界に広く行われている増殖方法であり、また人間界でもこれを多用して、人間にとって都合の良い品種の植物を増やしてきた。近年では動物にこれが応用され、iPS細胞が発明されたことでさらに広く拡大されることになるだろう。別な手法で1996年に「ドリー」と呼ばれている羊のクローンが初めて公式に世に知られるようになった。上記した人間クローンはまだ正式には世に存在が確認されていない

  まずクローン増殖というものは自然界に広く見られる増殖方法であることを知らなければならない。この方法は生殖とは一般的には呼ばないが、学問的には無性生殖であり、立派な生殖の一方法である。だが紛らわしいので、本項は「クローン増殖」と呼ぶことにする。その代表は単細胞生物の細胞分裂による増殖である。また多細胞生物でも、ヤマイモは有性生殖を行って種を作るとともに、むかごというクローン体を葉の根元に作って、これでも増殖を可能にしている。ノムの栽培体験からすれば、むかごによる増殖の方が圧倒的に多いように見受けられる(22.12.13「食料危機への備えとしてヤマイモを植えよう!」)。植物のほとんどは栄養生殖(種子や胞子を用いない生殖)が可能であるということも知っておく必要があるだろう。典型的な人為による挿木や接木がその例である。これは自然界でも起こっていると思われる。風で折れた枝が地面に刺されば、ごくたまにだが根を張ってクローンとなる。ノムは剪定枝を土に埋めたところ、その枝から芽吹くのを多く見てきた。動物でもヒドラや酵母は出芽という方法でクローン増殖している。アリの一種は完全無性生殖で繁殖する。植物に付くアブラムシや水中のミジンコは無性生殖で繁殖可能である。脊椎動物(一部の爬虫類・一部の魚類・ごくまれに家禽 )も可能であり、それがついに人工的手段で人間にも可能になったが、倫理的問題を含むため、まだ公式には人間クローンは存在していないとされる。

  そもそも生物は、最初は無性生殖で増殖してきた。途中から有性生殖に切り替えたのであるが、それは有性生殖の方が種の多様性を作るのに優位だからだと言われている。多様性があると、環境が変化しても生命を継承させるのに優位である。そして生命は、比較的単純な構造を持つ生命体では無性生殖という方法を残した。ウイルスは最も単純で原始的な生命体とノムは考えているが、宿主生物に侵入してその細胞の中で無性生殖的に増殖する(21.2.25「ウイルスの正体」)。一種の寄生生物と言えるだろう(23.7.17「生命の起源と生体電気」)人間は最高度に進化した生物であるが、この最も原始的な生物であるウイルスには弱い。ウイルスは短期間に変異するので、対応が追い付かないのである。幸いというか不幸というか、2020年の新型コロナウイルスによるコロナ禍を切り抜けた人間界は、再び人口増という脅威に晒され続けることになった(22.7.12「世界は人口爆発を脅威と捉えていない」・22.11.20「世界人口80億人に達する」)。コロナ禍により世界人口が減れば良かったのに、人間はこれを力で制圧した。後が怖いのである(21.3.13「人類はウイルスと戦争すべきではない」)。人類が大増殖した後には、カタストロフィーが起こるからである(21.7.1「カタストロフィーの事例と前兆」)

  人間がクローン増殖という技術を手に入れたことで、人間界はパンドラの箱を開けたことになるだろう。今はまだ倫理規制が働いているが、権力者や富裕層の中には、自分のクローンを作って血族の繁栄を願うものがおり、必ずやいつしかクローン技術は悪用されることになる。クローンは必ずしも同じ人間を意味しないが、遺伝的に同じ遺伝子を持つ人間は、良い面も悪い面もある程度は引き継ぐことになる。それでなくても人間の親子には強い絆が生まれ、それがアイデンティティともなっている。権力者や富裕層の子らは、その権力と富を引き継ごうとするだろう。日本の天皇はもはや権力者でも富者でもなく、良心を持ち合わせた賢者に等しい国民に敬愛される存在であるから、これの後継者をクローンで作り出すことは理にも道理にも適っているが、習やトランプのクローンが生まれたら、世界に悪影響を残すだろう。だが人間界は、誰のクローンを遺すべきかという選択基準を今は持ち合わせていない。クローンが倫理的に悪いとは断定はできないのであるが、人間界はまだリスクの方を恐れているのである。

  未来世界では、前項で述べたような生死制御を行うようになるとノムは予想している(10.19「生死制御」)悪い要素を持つ人間を減らし、良い要素を持つ人間を増やすようになるだろう。悪い要素の中には、重犯罪を犯した人間や、遺伝病を抱えた人が含まれるが、重犯罪を犯した人間は人間界追放で減らし、遺伝病を抱えた人間は生殖を禁じる(生殖を伴わない性行動は問題ない)ことで子孫を残さないようにすることが考えられる(22.8.3「未来世界の性欲処理施設」・24.7.29「人間界追放」・24.7.30「人間界追放基準」)これは優生保護法に繋がる思想であるが、ノムはこの法は適切なものだと考える。ただ、人間は病気の仲間を助けようとする人間愛を持っており、それを実現する意志と手段をも持っていることから、消極的にではあるが、遺伝病を抱えた人を助け支えることは許されるだろう(21.2.18「人間はウイルスとの共生を考えなければならない」・23.1.6「遺伝」・23.8.22「競争から共生へ」)。一方、良い遺伝形質を持つ人(賢人など)を増やす手段として、クローン増殖を許可する制度があった方が良いとも考えている。これを悪用されないように、個人情報をしっかり管理することが未来世界には求められるだろう(21.7.27「プライバシーと個人情報」・21.9.2「管理主義」)

(10.20起案・起筆・終筆・掲載12:00・追記12:45)


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