【時事評論2024】
鳥害対策
2024-12-28
畑の作業を終えて、畑を見回したところ、デコポンと温州ミカンがカラスと思しき鳥にやられているのに気が付いた。ネットで「鳥害対策」で検索してみたら、どういう訳か、『【○○市】害獣の駆除退治対策』というものがあったのでクリックしてみると、業者の広告サイトであった。まるで行政のサイトのように装っており、詐欺的手法である(9.19「広告の是非論」)。それはともかく、いろいろ調べたが、市民が勝手に野鳥を捕獲したり殺したりは出来ない事が改めて分かった。「鳥獣保護管理法」というものがあるからである。ただし、農作物への被害が大きいときなどは、申請すれば捕獲を認められることもあるようだ。だが、ノムのような場合には認められないであろう。法律主義の悪しき側面である。
法律主義が、このところ四角四面に適用されることが多くなった。大分前の話だが、町内会の回覧板で、「焚火などで煙を出した場合、1000万円ほどの罰金が科せられる」と脅しの文章が掲載されていた。それまでは、市街地で燻炭を作ることも可能だったが、苦情が多く寄せられたことで、こうした法の適用が警告されたのであろう。たとえば、ノムが罠をこしらえてカラスを生け捕り、殺して畑に吊るせば、カラスは警戒して近づかないという。もしそうした行為をした場合、近所の人が「あれは法律違反ではないか?」と警察に通報したとすると、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる」可能性がある。とてもそんなことはできない。つまり常識的に許されることでも、法律はそれを許さないのである。恐らく、ノムがそうしたことをしたとしても、注意くらいで済まされるのかもしれないが、訴える人が居た場合は、法律どうりに事が進むことになるであろう。
ここに道理と法律の対立がある。カラスによりゴミ集積所が荒らされて、道路が生ごみだらけになっている風景は10年ほど前にはしょっちゅうあった。最近はそうした被害が少なくなったのは、集積所に黄色の網を被せるとか、ゴミ入れのようなものを備えるようになったからであろう。だが農作物の被害は変わらず、農家も防鳥ネットで野菜や果物を栽培している。それだけ余計な資材を要することになり、食品価格高騰の一要因になっている。もしカラスなどの有害野鳥を市民が罠などで捕まえることができれば、こうした無駄な対策をしなくても済むようになるかもしれないのである。自然豊かな林野であれば、野鳥を退治する必要は無い。市街地や農地であるからこそ、野鳥は害鳥になるのである。自然との共存の難しい一面である。
近年、熊が市街地に出没することが多くなった。山のどんぐりなどの実が少なくなってきたことが原因のようだ。工業団地に近い住宅地に住む知り合いは、自家菜園のダイコンや野菜をイノシシに全てやられたそうだ。だが我々市民にとって、合理的対策と思われる捕獲や威嚇は許されない。それによって市街地害鳥はますます増えている。そのうち市街地のあちこちで、イノシシやクマの警察による捕獲が見られるようになるであろう。市民が対処すれば済むものを、警察が動員されるというのはおかしなことである。ここは道理に従って、常識的な方法でなら、鳥獣を捕獲することを許可すべきであろう(20.3.30「共存主義しか道はない」・20.11.27「競争主義から道理主義へ」)。捕獲した鳥獣は警察なり保健所に届けるようにすればよい。捕獲者が、捕獲鳥獣の遺骸の一部を、警告用に使用するのも許可すべきだと考えるが、鳥インフルエンザがヒトに感染する可能性があるので、これは検査後に許可すべきであろう。
ノムが望むのは、自然界の鳥獣が人間界に侵入するのを防ぐのは、市民の自己防衛としての権利であると考える。そこから何か利益を出そうとしているのでない限り、市民の自己防衛は許されるべきであるし、それが自然生態系に与える悪い影響はこれっぽっちもない。法律主義の条文が、鳥獣の一律な保護に偏っているのは解せない。自然界の鳥獣は保護されるべきであるが、人間界の鳥獣が害鳥・害獣である場合、それを制御するのは市民の権利であると考える。
具体的には、ネズミ捕りと似たような方法、あるいは霞網による野鳥捕獲を一般市民に許可すべきである。銃を用いた殺傷や威嚇は禁止すべきである。間違って人に当たる可能性があるからである。また未来的には、カラスなどの野鳥を捕獲して自宅の食料に回すことも、非常時対策として考えるべきである。ただし捕獲鳥獣の売買は禁じる。カラスなどの大型鳥類を捕獲するための投網銃を開発すべきだろう。これは鳥獣害対策としても有効である。自然保護の観念から抜け出して、人間界での人間生活の安全を優先すべきである。カラスは賢い。カラスの死骸をぶら下げておけば、カラスは危ないと思って近づかない。これが最も賢明な共存のための方法であろう。
(12.27起案・起筆・終筆・12.28掲載0:00・追記22:00)