【時事評論2024】
文明度指数
2024-12-30
世界は今、混乱の兆しをみせているが、果たして人間は「文明」というものを誇っていいものかどうか、再考しなければならない時期に来ているように思われる(20.12.2「文明とは何か?」・21.6.11「人類文明のエントロピー的解釈」・22.4.26「人類の原始生活と文明生活」・23.3.17「文明段階の評価」1.12「文明の推移」)。1945年8月、当時も今も文明国の最先端をいっていた米国が、日本に原爆を投下した。戦争に勝利することはほぼ確定していたにも拘わらず、それが強行されたのは、国内向けには「米国兵の損害を減らすため」という口実であったが、実際はその原爆の威力をソ連に見せつけて、戦後の世界の主導権を握るためであった。そうした文明国の野卑で野蛮な発想は、決して文明国に相応しいものとは言えないはずである。文明をどう評価するかが、重要な問題となっている。現在のように、国力(経済力・技術力)などを基準にした文明度評価は誤っているとノムは考えた。そして新たな文明度の定義を考えたいと思った。そしてそれを指数で表すことを提案したい。
究極的な文明と考えられる未来世界は、国家と国家が対立して武器を高度化するという愚かしい競争はしない(20.9.7「人間は競争心を克服できるか?」・20.9.16「競争はいつ芽生え、何をもたらしたか?」・8.10「協働社会と競争社会」)。というか、それをできない世界になるだろう。武器がある文明というのはこれまでの人間社会の考え方であり、未来世界では社会の安定と安全が確保され、そして国民の不満が最も少ない状況が高度な文明であると考える。そうした観点を現在に当てはめた場合、評価する項目はガラリと変わるだろう。以下にそうした項目を羅列してみる。
1.知的レベルの評価:自然界の科学的理解のレベルを評価する。
2.技術の成果:科学技術の成果を評価する。
3.世界の安定:世界に紛争や戦争が少なければ、それは高い文明状況にあると考える。
4.世界の均質性:各国の技術と生活レベルが世界的に均質(平等)であるかどうかを評価する。
5.国家の安定:国内に紛争が少なければ、それは高い文明状況にあると考える。
6.国家の活動が地球環境に与える影響が少ないこと:国民生活が豊かでも、地球に影響を与えていては、それは文明度が低いと評価される。
7.国民の生活の安定:国民が、不満を抱かずに安定して生活していることが評価されるべき。
以上の評価をするためには、以下の項目を評価することが重要になる。
1.科学的知見のレベルを評価する。
2.科学的知見の成果のレベルを評価する。
3.技術成果としてのレベルを評価する。
4.世界の紛争と戦争の数を歴史的にカウントする。その規模を考慮に入れる。
5.各国の国内紛争と内戦の数を歴史的にカウントする。その規模を考慮に入れる。
6.国家が消費する化石燃料の消費量を、経時的に評価する。
7.国家が治安維持にどの位の予算を使っているかを検証する(警察官数など)。
8.国民の生活満足度を評価する(政権支持率等)。
以上の評価基準に従って、評価項目を作成し、それに暫定的な評価をしてみる。その結果を表計算し、文明度指数を算出する。
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結果は世界全体の文明度指数と各国の文明度指数に分けて算出した。概ね予想とほぼ一致した。世界の文明度指数は5.8であった。これは人類がまだ発展途上にあることを示唆している。即ち、未来世界になれば、この指数は恐らく9点以上となるだろう。
各国の文明度指数を試算して見たかったが、国民感情に差し障りが出ることを恐れた。評価されても当然と思われる著名国だけを評価することにし、米国・中国・ロシア・日本を取り上げた。評価はそれぞれ、米国6.9・中国6.0・ロシア5.6・日本8.0となった。
以下に結果の考察を、エクセル表に記したので、それをここに転写する。
1.結果は概ね予想されたものになった。
2.世界の文明度指数は予想よりも高く評価された。ロシアよりも高いという結果になったのは、ロシアがそれだけ野蛮なことを示唆しているのかもしれない。
3.日本が文明度で最も高く評価されたのは、安定性があるからであると思われる。それは天皇制があることにも、理由があるだろう。
4.米国が意外なほど評価が低かったのは、国内に分断が生じていることにある。これは民主主義が真っ当に機能していないことも原因であり、民主主義のほころびが見え始めていることが不安定さの原因と言える。
5.中国とロシアが予想以上に評価が高かったのは、軍事技術力の高さが不当に評価されたからであろう。本来は、国民生活への技術適応がもっと高く評価されていれば、中国とロシアはもっと低い評価になっていたであろう。
6.以上の考察から、表はもっと詳細項目を多くして、さらに説得力のあるものにしなければならないということが分かった。今後さらに研究を進めてみたい。
(12.24起案・起筆・12.30終筆・掲載23:40)