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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20)

【時事評論2024】

核の冬

2024-12-24
  前項で「核の冬」という言葉を用いたが、引用できる項目をまだ書いていなかった。近年ではこの言葉がタブーになっているようで、核戦争の危機についてはニュースでも論説でも数多く見るが、「核の冬」という言葉が全く見られなくなっている。人間が忘れやすいものであるということを意味しているのではなく、それを話題にしたくない心理が働いているのであろう。ノムが学生の頃は、この話題は常に論じられていたのに、どうしたことなのであろうか。時代が変わって、核戦争になれば核の冬が必ず起こる、という認識が変わったからかもしれない。EMP攻撃(電磁パルス攻撃)では、文明は消失するが、建造物や人間には被害が出ないとされている(23.1.4「日本が恐れるべき電磁パルス攻撃」・2.27「文明の同時崩壊」)。恐らく核の冬も起こらないのかもしれないのである。そのようなことから、改めて核の冬について述べてみることにした。

  核戦争が起こった場合、世界でロシアと米国を筆頭に、中国・フランス・英国・イスラエル・インド・パキスタン・北朝鮮などが保有する核兵器が確実に使われることになる。「先手必勝の格言」が成り立つからである。先に敵国の首都や核兵器を核兵器で叩いた方が勝利することは明白な事実である。指導者を抹殺し、命令系統を破壊し、核装備を破壊すれば、もはや反撃はできなくなる。だが核保有国は各国ともそうしたことを前提に対処しており、たとえば核装備原潜などによる報復反撃は可能であり、「相互確証破壊」と呼ばれるものが起こる。全世界の主要国の文明は一時的に崩壊するだろう。それは上空100キロで核兵器を爆発させる電磁パルス攻撃でも可能であるが、その場合は指導者を消滅させることはできないので、反撃は遅れるが、反撃の可能性を考えておかなければならない。ノムが予想するのは、核兵器を上空1キロ程度のところで爆発させる、従来から考えられている衝撃波攻撃であろう。これは人間だけでなく、あらゆる地上の建物を破壊する。

  そうした衝撃波と爆風による核攻撃は、地上の建物を破壊するだけでなく、土壌などを大量に捲き上げ、死の灰を降らせる。それは大気中と土壌中に長く留まり、太陽光を遮ることから寒冷化をもたらすと言われている。粉塵は同時に発生する大規模火災や森林火災からも発生する。雨は大量の放射性物質を地上にもたらし、「黒い雨」となって長く人間に影響を与えることになる。この雨は農作物を壊滅的に減らすことになるだろう。

  「核の冬」は、大気学者のリチャード・ターコや宇宙物理学者カール・セーガンらにより1983年に提唱された理論で、「核戦争によって地球上に大規模な環境変動が起きて人為的に氷期が発生する」という仮説である。しかし、後の様々な研究やシミュレーションにより当初の過大性が指摘されて、提唱者本人も誤りを認めている。現在では、爆弾の数が100個程度の場合、数ヶ月から数年程度、1ー3℃程度の地域的な寒冷化と見積もる研究が多い。だがなぜ100個程度と見積もったのか、その根拠が不明である。世界には1万2千を超える核弾頭が存在し、現役は約1万発とされる。そのうち実際に使われる数は不明であるが、シミュレーションでは1/100 が使われるという想定になっている。自然現象である火山噴火による寒冷化は実際に起こっている。約6600万年前にメキシコのユカタン半島付近に直径約10kmの巨大隕石が落下し、地球上の全生物の大量絶滅の引き金になった。「恐竜絶滅」で知られていることである。この規模はTNT火薬1億メガトンであったとされる。7万-7万5000年前にインドネシアのスマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こして気候の寒冷化を引き起こし、当時の人類の人口が1万人にまで減少したとされる。1816年の「夏のない年」として知られる事例では、1815年にインドネシアのタンボラ山で発生した過去1600年間で最大規模の噴火の影響で、ヨーロッパやアジア(中国、日本)に影響を及ぼした記録がある。


  問題は弾頭数よりも、その規模にある。広島・長崎に使われた原爆はTNT火薬換算で数キロトンと言われており、現在はメガトン級(1000倍)の核兵器がある。ロシアが2023年中に配備したICBMであるRS-28はサルマト(サーマット)と呼ばれるほか、NATOではサタン2ともよばれているが、10発で米国の全国民を殺害する威力があると、ロシアは豪語している。マッハ20という極超音速で飛行し途中で分裂、弾頭を降らせる。2022年4月20日に発射実験を成功させたとしており、2023年9月1日にサルマト戦略ミサイルシステムが戦闘任務に就いたとされている。プーチンはロンドンを1発で消滅させることができるとうそぶいた。ロシアが開発している原子力核魚雷「ポセイドン」(100メガトン級:2015年から開発開始) は高さ500mの津波を作り出すことができるとされるが、この場合は核の冬は起こらないと思われる。こうした核兵器がもし用いられれば、アルマゲドン(世界最終戦争)となることは間違いない。

  あいにく世界の核兵器が何メガトンに相当するのか、ノムには情報がない。100メガトン級の核兵器が100発あれば、1万メガトンということになるが、それは人類の文明を消滅させるに十分な量であると思われる。だが人類が絶滅するということはないだろう。だが商業・農業・運送業に甚大な影響を与えるため、人類のおよそ1億人が瞬時に死亡し、2/3の数十億人が1年以内に、餓死・凍死するだろう(2.28「核戦争後には誰が生き残るか?」)。核戦争が何の切っ掛けで起こるか不明だが、国家はこれを防ぐ手段を持ち合わせていない。起こればそれは瞬間的な出来事となるだろう。人間が相互不信に陥ったとき、最強の兵器を使おうと考えるのが当然であり、その動機は今、ロシアと北朝鮮が持っている

  ノムは以上に述べた最悪の事態が起こることを予想している。その後に訪れる未来世界が、核戦争後のいつ頃になるのかは未知数である。核戦争後の核の冬、そして内戦などを経て、人類が生存の危機に立たされたときが、最高のチャンスとなる。人類は初めて、自分の利得だけではなく、人類の存亡について考えるだろう。そして、それを再び繰り返してはいけないと考えるだろう。その時になって初めて、人類が1つにまとめられなければならないと分かるのである。世界連邦はこうした全世界の人間の意識の変革から生まれる(21.3.28「世界連邦の可能性」)

(12.22起案・起筆・12.23終筆・12.24掲載18:50)


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