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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20)

【時事評論2024】

生命システムの多様性

2024-12-22
  生命世界は非常に美しい。概観ではなく、そのシステムがどれも自己完結型になっているのがすごい。生命の種類の多様性だけでなく、同じ生物群に多様性が見られるのは、奇跡的というしかない(21.6.10「生命系の誕生」)。だがそれらが、何万年以上掛けて創られてきたことを考えると、それは天の創造物とは言えないだろう。生命が自己組織化という自然の原理に従って生まれ、さらにその組織化(システム化)に当たって、様々な試行錯誤が繰り返され、膨大な死という犠牲を払って作り上げれこられたものである(21.6.7「生命進化は巨大な犠牲の上に成り立つ」・21.6.9「自己組織化」)。生命が進化する度に、その陰に多くの死があった(20.4.27「人間の死生観と死の哲学」・21.5.11「死の哲学の科学的根拠」)システムが最善化・最適化されるためには、多くの試行錯誤があったということである。最適化されなかった種は滅びていった。自然界の生存競争の中でもその闘争はあったが、環境への適応という点で多くの敗北があったことだろう。そして現在生き残っている種は、少なくとも現在の環境に適応しているということになる。その生命システムに多様性があること自体が驚きなのである。

  たとえば蝶を例に取り上げてみよう。羽根の形はどれもよく似ているが、それは飛行方法が同じであるからだろう。一定方向に直線的に飛ぶのではなく、ひらりひらりと向きを変えて飛行するため、捕まえるのは非常に難しい。それは外敵である鳥などから身を躱すために仕組まれた飛行方法なのだろう。だがその羽根の色は様々である。なぜこれほど多様な種類が存在するのか、多様化する必要はどこにあったのか、学者にさえ謎であろうと思う。日本には270種以上の蝶がいるそうだが、世界では17500種類だそうだ。生物地理区と呼ばれる6つの地域でそれぞれ独特の進化が進んだようである。日本は「旧北区」と呼ばれる地域に属し、大陸移動でこの独特の進化が進んだ。つまり大陸毎に種の特徴が見られるという。

  システム生物学」という言葉がある。システム工学の考え方や解析手法を生物学に導入し、生命現象をシステムとして理解することを目的とする学問分野である。生命現象は基本的な条件として、①水を溶媒とする水溶系システム・②有機物(炭素と水素などからなる物質)系システム、であるという特徴を持つ。アルコールや油の中では生命系は存在できない。炭素と同じ周期律表に位置するシリコン(Si)を骨格とする物質では生命系はまだ発見されていない。たった2つの条件さえ整えば、生命系は自己組織化の原理によって自然発生したであろう。今日、宇宙に他の生物がいるかどうかに非常に関心が高まっているが、その条件として水があるかどうかが調査されている。さらには有機物の存在も調査されている。

  地球には高等生物として人間しかおらず、それもホモ・サピエンスという1種のみである。これも奇跡的なことなのかもしれない。だが高等生物が2種存在すると、生存競争からどちらかが滅ぼされる運命にあるのだろう(20.11.7「運命論」)。ネアンデルタール人はホモ・サピエンスと同時代に生きた高等生物であったが、同じ祖先を持っていたが結局絶滅した。だが知能を持たない動物は共存可能であった。多くの動物種があり、その中にさらに多様な種類がいるということは、人間の在り方にも考えさせられるものがある。 同じ地球という環境の中で、もし高等生物が1種しか存在できないのであるとすれば、人間はなおさら一致協力して生存可能な世界を創りださなければならない(23.8.22「競争から共生へ」)。動物のような自然淘汰の世界ではなく、叡智に基づいた、共生社会を創らなければならない(6.11「自然淘汰と人間界の人工淘汰」)

  人間の生存する未来世界が、果たしてどのくらい長く続くのかは全くの未知数であるが、多くの生物種がいろいろな原因で絶滅していったが、その中で分化・進化した子孫が多く生き残っている。マンモスは滅びたがゾウは生き残っている。ゾウもそのうち絶滅するかもしれないが、人間も絶滅する可能性が無いわけではない。だがそれを論じても詮無いので、とりあえず人間が生き残ると仮定すれば、環境の激変に適応できるように進化していく必要はあるのだろう。核戦争があれば文明は一旦は崩壊するため、厳しい核の冬に適応できる人間だけが生き残るのかもしれない。そうなった場合、知能を持った人間が分化・進化する可能性も長い目で見ればあり得ることだろう。その場合、世界は統一されていた方がいいと思われる。さらに国家単位や大陸単位で独自の進化をしていくべきなのかもしれない。ノムとしては人間社会システムの多様性には否定的であるが、人間文化システムの多様性、すなわち民族の多様性はあった方が、人間の分化・進化には良いのかもしれない(21.6.8「新・進化論」)

(12.5起案・12.22起筆・終筆・掲載18:00)


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