【現代寸評】
【時事寸評】中国を支えている犯罪組織の上納金
2025-09-09
中国が未だに経済成長をつづけていられるのは、自治区での格安強制労働による輸出製品の格安化と、ロシアから輸入する石油関連の買い叩き価格での輸入、そして成長企業からの寄付と称する上納金、さらには東南アジアの中国が指導する「一帯一路」を形成するミャンマー・ラオス・タイ・カンボジア・ベトナムに隠密に作った中国人経営の詐欺組織からの上納金に頼っているからである。一帯一路は習近平が世界制覇の野望を抱いて権力のトップに就いた2012年以来の構想であったが、2017年に党規約に盛り込まれ、2019年にはイタリアがG7として最初に軍門に下った。2023年に国家主席に3選して全権を掌握した。だが国内締め付けなどにより、2010年から中国では治安維持費が国防費を上回るようになり、国家規模で世界に先駆けて治安対策への人工知能(AI)の本格的利用も表明している。2014年に経済規模で米国を追い抜いた中国は、2020年に自ら起こしたコロナ禍で過激な都市封鎖政策を取ったために経済的に失墜したが、翌年に回復はしたものの、2022年にまた急落し、以後衰退の兆しを見せている。2016年以降に始まったウイグル族強制収容が、生産で成果を出し始めたのは2019年頃からのようで、中国製品の格安化を維持してきたが、西欧諸国から綿製品の輸入拒否などを受けて、成果が鈍化した。それでも数兆円の利益を生み出しているようである。
こうした中、中共政権は2017年から一帯一路という壮大な経済圏構想を開始した。だがそのためには巨大な資金投資が必要であり、既に経済衰退の兆しを見せていた中国は、習近平の呼び掛けで2019年から「共同富裕思想」を唱え始めた。豊かになった大企業に国家に寄付させるというものである。2021年当初は大々的に寄付が行われたが、最近のデータはない。一帯一路では初期投資として膨大な中国マネーが圏内に流れ、また中国人労働者も諸国に流れ込んだ。その中には犯罪者やその予備軍も多くおり、中国の権威をかさにきて、やりたい放題の犯罪を開始し、その拠点を各国・各地につくり始めた。犯罪の多くは当初は臓器略奪・売春・拉致による人身売買などであったが、次第に2010年代頃から各国人を使った詐欺に移行し始めた。特にカネがあって取り締まりが緩い日本が狙われた。拉致された日本人が犯罪者となって日本に住む日本人の老人に電話を掛けて詐欺を行い、大金を巻き上げるという構造が出現した。次第に拉致された日本人が犯罪指導を行うようにもなっていたようである。中国系詐欺集団の利益はおよそ6兆円と推定されている。このうち本国への上納金がどの位なのかは全く分かっていないが、確実にあると思われる。
世界中に散らばっている華僑・華人らによる祖国中国への仕送りや寄付がどの程度になるのか調べてみると、華僑・華人は6000万人、資産総額は280兆円以上であり、中国人は支援・投資に熱心だという。出稼ぎ中国人が本国に送金している総額は2019年で約10兆円に達しており、インドに次いで世界第2位となっている。中国の国家予算は軍事を含めて180兆円だというから、仕送りは馬鹿にできないほど大きい。
中国の2024年のGDPは2376兆円とノムは計算(日本は609兆円)したが、中国の2024年の経済成長率5.0%から逆算すると、2025年度では118兆円の増加ということになり、国家予算の6.6%も増加することになる。国家予算のうち国内富有企業からの寄付を2兆円・ウイグル自治区からの上納金を1兆円・海外華僑華人からの寄付1兆円・国外詐欺集団からの上納金を1兆円と推定すると、5兆円は税収以外からの収入と推定され、これは尋常ではないと思われる。中国は他にもサイバー攻撃による他国からの資産略取を行っていると思われるが、これについては証拠はない。中国の一帯一路は事業が上手くいかなったりして恐らく赤字に転じており、債務の焦げ付きも起こっているようである。一部は成功を大々的に宣伝しているが、多くは事業停止に追い込まれていると聞く。総合的に観れば、大きな赤字になっているのではないだろうか。
不動産不況に端を発した中国経済の低迷は、ロシアからの石油価格の下落やロシアへの武器関連製品の特需などに救われてはいるものの、米国が課そうとしている関税や、二次関税の発動の可能性を含めて、危機的な状況にある。それをかろうじて支えているのは犯罪組織の拡大による上納金なのではないかと、ノムは考えているが、証拠はないことを改めて言っておく。また中国は、中国人俳優が被害者になったことで、詐欺集団に対して厳しく取り締まるようになったという報道はあるが、犯罪拠点は中国国内にはないため、効果的には行えない。隣国との共同捜査に協力するという程度であり、逆に言えば捜査を甘くすることで中国への見返りを期待することもできる。経済が低迷している中国としては、そうする方が国家のためになると考えているだろう。
(9.9起案・起筆・終筆・掲載14:40)