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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20)

【時事評論2022】

戦争の正義論(9.1追記)

2022-02-24
  戦争には正義も悪義もない(21.5.14「係争と戦争の論理(ロジック)」)。義というものは自己正当化であって、誰にもどの国にも義はあるからである(21.8.21「「大義」論」)。だが戦争の動機やその手法によって、その戦争がどの程度道義を全うしているかという評価はできる。戦争をそのような視点から再評価し、新たな戦争論を展開してみるのは決して無意味ではないだろう(21.7.4「戦争論」)。それはこれまでの戦争論に於ける過剰な勝敗の過大評価や、それによる勝者の論理による戦争の位置付け・意味付け・価値付けを覆すことにも繋がる。重要なのは戦争のどういう側面を評価対象にするかであり、それによって戦争の評価は大きく異なってくる(1.29「意図的侵略戦争・防衛戦争・偶発的戦争(未完)」)。ノムは未来における紛争を防ぐためにも、こうした研究が必要だと考えるが、そうした研究を行ったという研究者、ないしは軍事専門家や歴史家を知らない。不勉強故の無知なのかもしれないし、専門外の分野のことであるが故の無知なのかもしれないが、素人、ないしは一市民としてこうした考え方に基づく戦争の再評価をしてみたくなった。

  戦争を評価するには、①戦争が起こった世界情勢的背景(歴史)・②戦争が起こった時代的必然性(ストレス度)・③当事国それぞれの義④諸外国から観たその義の道義性や客観性・⑤初戦の状況評価(どちらが先に仕掛けたか)・⑥戦争遂行時の道義性(使用兵器)・⑦戦争終了時の道義性(賠償の正当性・その他の懲罰的措置の正当性)、を判断するというのがノムの評価指針である。これらの指標を使った場合、これまで戦争の勝者の正義が語られてきたが、それがひっくり返る可能性は大きい

  こうした考えが思い浮かんだのは、現在ロシアがウクライナに戦争を仕掛けようとしている現状があるという事と共に、NHKの番組で太平洋戦争時にアメリカが違法な化学兵器を以て日本本土を攻撃しようとしたことを改めて知ったことにある。特に化学兵器はこの戦争の当時に世界的に禁止されていたものであり、それを敢えて押し進めたのは陸軍軍人であるジョージ・マーシャルであった(実際には対日戦で使用されなかった)。焼夷弾を使用したのも陸軍軍人のカーチス・ルメイであり、核兵器使用を推奨したのはアインシュタインレオ・シラードという科学者であった。それは陸軍のレズリー・グローヴスを中心に計画され、アメリカ原子力委員会(ABC)の支援の下、オッペンハイマーを中心に数千人の科学者が協力した。だがノムはこれらの人々を責める気は毛頭ないし、過去を断罪することに全く意味を見出さない。ただどうして戦争が当初の大義から変質して醜悪なものに変わっていくのか、という戦争の必然性について検証したいだけである。

  過去の全ての戦争について、上記の評価項目を検証するのは筆者にはできないし、恐らく歴史家の間でも意見が分かれるところであろう。特に当事者は客観的な評価はできない。プーチン戦争で被害に遭っているウクライナ人は、「ウクライナは独立国家として自分の国土を守るための祖国防衛戦をしているが、ロシアにとっても〝自分の国〟を取り戻すための祖国防衛戦。〝正義と正義のぶつかり合い〟に話し合いの余地はない」と語る。今回は比較的よく研究されている太平洋戦争、および、現状のロシア・ウクライナ危機について評価してみたい。特に後者は筆者が生きている現代に起こるかもしれない戦争であり、それをこの目で歴史的視点から確認しておきたいという思いがある。

  評価する手法として、文章ではなく表にして採点するという方法を取った。表は既に出来上がっており、評価も出しては見たが、特に第二次世界大戦の参戦国全てについて調べあがることは出来なかったので継続して調査していきたい。そのため今回は参考資料としての表の公開はしないことにした。当面の「戦争の正義論」を論ずるに当たって、第二次世界大戦については連合国の中の米・英・仏・ソヴィエト・中華民国についてだけ評価し、枢軸国の中の日本・ドイツ・イタリアについてだけ評価した。現在のロシア・ウクライナ情勢についてはまだ戦争に至っていないので、一部の項目だけの評価に止めているが、当事国としてロシア・ベラルーシとウクライナの3ヵ国を取り上げた。

  第二次世界大戦の評価としては、結論を先に出しておくと、戦争の道義性については10点満点で、アメリカ5点・イギリス8点・フランス8点・ソヴィエト5点・中華民国8点・日本6点・ドイツ3点・イタリア6点であった。戦勝国であるアメリカの評価が低かったのは、主として原爆使用・焼夷弾による都市大規模火災攻撃・戦争末期の化学兵器使用計画があったことによる。本来ならもっと低く評価しても良いくらいである。ソヴィエトが同様に低いのは、スターリンの独裁・粛清・自国民放棄という、指導者の資質に関するものが多く、また終戦直前の日露不可侵条約破棄、および終戦直後に日本から北方領土などを奪ったことにある。日本は中国進出の義を問われ、また毒ガス兵器使用計画などが問われた(21.8.16「太平洋戦争は避けられたか?」・21.8.18 
大東亜戦争における政策の齟齬」・21.8.19「日本の戦争は果たして失敗だったか?」)。ドイツは言うまでもなく、ユダヤ人大量虐殺や、新兵器V2ロケットによるロンドン攻撃などが問われる(21.7.12「戦争の技術革命・AI兵器の登場」)。イタリアはムッソリーニの人柄と考え方でかなり救われている。

  ロシア・ウクライナ紛争では、ロシア2点・ベラルーシ0点・ウクライナ8点となった。ロシアは戦後の秩序を破壊しようとしており、しかも一方的に大軍を国境に配備して戦争開始を臭わせていることに道理はないと判断されたが、ウクライナ内のロシア人の存在については考慮した。だがロシアの試みは偶発核戦争を引き起こす可能性を秘めており、その意味でロシアの責任は重い(1.28「偶発核戦争 」)。ベラルーシは情報が少ないため判断が難しいが、どう考えてもウクライナに侵攻する道理も義もないと考え、ロシアと結託して領土割譲による利を得ようとしているとしか思えないことから、評価は最低となった。ウクライナは一方的に攻撃を受けようとしているかに見えるため、本来なら義という点では10点になってもおかしくはないが、ウクライナ領内のロシア人を領土を分割してでもロシア領内に移住させるという解決策を模索していないところに非があると判断した(2.18「ロシア・ウクライナ問題解決の妙案」)

  以上の解析はこれからさらに詳細な分析を行うことで変わってくる可能性がある。すなわち暫定的な数値だと思っていただきたい。だが評価者であるノムにとっては妥当な数字が出たと思っている。この数字で果たして戦争の正義を論じることができるかどうかはまだ明確とは言えない。ただ非常に納得できる結果であると思うとともに、それが正義の指標としても使えると考えた。この手法は有意義であり、有効であると思うので、今後も同様な手法で戦争以外の事項についても正義論を展開していきたい


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