【時事評論2020】
状況理論からマイナス経済成長の善悪を考える
2020-04-25
ノムが最も懸念するのがコロナ禍後の世界の経済破綻による世界恐慌と秩序の変化である。昨日の記事でも世界のコロナ禍への対応は間違っていると指摘したが、都市封鎖・国家封鎖が一時的・地域的にせよ世界に蔓延したことで、全世界で物流・人流が止まり、既に失業者が大量に生じており、封鎖が解除されたとしても容易に元の状態に戻るとは思えない。
だが視点を変えると、それによって生じる各国・世界のマイナス成長は地球環境悪化のペースを落としたことで、世界各都市に青空が戻るという善なる変化をもたらした。中国上空の二酸化窒素濃度が激減したという情報もある。石油消費も激減し、史上初の原油のマイナス価格をもたらし、中国経済も四半期マイナス成長を発表し、日本は23日に「急速に悪化」という表現を使った。これらは地球環境にとっては良い変化をもたらすことは間違いない。
経済の爆縮は決して現代にとって良いことではない。マイナス成長はノムの説く未来世界では善であっても、現代にとっては致命的な悪となるであろう。つまり経済の驚異的成長や爆縮は、現代にとっても未来にとっても悪であるが、マイナス成長というゆっくりした変化は現代にとっては悪であり、未来にとっては善なのである。この判断は状況理論から出てくる。状況理論では、世界(事象)の状況が次の事態(事象)を誘導するという考え方に立つため、急激な変化はカタストロフィー(この場合「大恐慌」)を起こす切っ掛けとなり得る。
世界は経済成長を望んでおり、一方地球環境の悪化を懸念している。これは二律背反という不条理な議論をもたらしており、全ては人間の我欲(経済成長による地球環境の悪化はやむを得ないと考えている)から出てきている。ノム世界では地球主義に立つため経済成長を極端に落とさなければならないと考えるが、それを急激に行うことは世界を不安定化させることに繋がることから良くないと考える。状況に応じてゆっくりマイナス成長を辿ることが望ましいのだが、人間はそれを許容しない。
新聞もテレビもこれからはほとんど経済崩壊に焦点を当てるようになるだろう。ノムはマイナス成長を本来的には望ましいと考えているが、現代でそれを人為的に起こせるはずもなく、自然災害(ウイルス禍は自然災害である)によって否応なくそれは起ころうとしている。そのためノムはマイナス成長を歓迎すべきことだと思いつつも懸念しているのである。それは現代と未来では状況が異なるからである。
現代におけるマイナス成長は恐らく人類史上でも稀なケースであろう。それにもし人間が耐えられれば、未来においてもマイナス成長を受容することができるだろう。現在のところはまだ人類は耐えている。なんとかこのまま耐えてくれればよいのだがと願っているが、状況理論はその願いを恐らく叶えてはくれないだろう。そして世界は破滅への道を歩まざるを得なくなるだろう。