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【時の言葉】外出を控え、資源消費を減らそう(2022.6.20))

【時事評論2024】

女系社会の優位性

2024-05-04
  前項で、女系社会が中国にまだ存在していることを紹介した(5.4「中国に実在する女系社会」)。そしてその社会が、限定的な条件の下に存在し得てきたことも述べた。現代社会のほとんどの国では、もはやこうした女系社会は存在し得ないと思われる。だが女系社会というものが、まだ国によっては実在していることも事実であり、それは中国に限ったことではないであろう。そして女系社会には優位性があるということも前項で述べた。その社会は未来社会に通じる共通点を持つことも述べた。ならば、未来世界で女系社会を創り上げることも可能ではないか、と考えた。前項からヒントを得て、本項では、女系社会の優位性を改めてまとめてみるとともに、未来世界でそれが実現する可能性について考察してみたい。

  改めて本項で述べる女系社会というものを概観してみるが、本項で述べる女系社会とは、女性が家督と財産を継ぎ、家庭内の決定権を持つことに他ならない結婚制度は無いことを前提としている。姓の継承については、恐らく女性の姓が継がれることになるだろう。男性は実家に留まって生活をし、稼ぎの一部を母親に渡すことになるだろう。あるいは自分の小遣いとしても良い。そして性欲の解消のために、特定の女のもとに通い婚をするか、性欲解消施設に行くかする(22.8.3「未来世界の性欲処理施設」)男性が独立を志向するならば、独身として生活するのも良いだろうが、ある程度の実家への仕送りは義務的なものとなるだろう。そして女系社会に関係するものとして、女権社会というものも想定される。それは女性が世界的に指導者となることを意味する。既に諸外国では女性が首相になったりする例は珍しくなくなっており、女性の優位性がそこでは発揮されている。だが女性には不利な点もあることから、必ずしも女性が指導者になることを歓迎しない向きも多い。このことから、まず女性の優位性と不利な点について最初に述べたい

 《 女性の優位性 》

1.女性は本能的に安全を求める。そのため世界平和に大きく貢献できる可能性が大きい。
2.女性は脳の働きが調整型に向いており、調整力を持っている。そのため指導者としての資質がある。
3.女性の脳の特徴として、まんべんなく諸事に対処・対応することができる。即ち管理能力がある。
4.指導力という点で見た場合でも、メルケル首相のように長い在位(11年)を記録した人物もいる。
5.男性は女性に優しいという性質を持つことから、多くの人に支持される可能性が高い。

 《 女性の欠点 》

1.女性は産む性であるため、生理という面倒を抱えている。時にはそれが障害になることもある。
2.女性のホルモン変動は激しく、安定した精神状態を継続することが難しい。
3.女性の腕力は男性に劣るため、力仕事は男に頼ってしまうことが多い。

  以上のことを踏まえて、女系社会の優位性を挙げてみたい。

 《 女系社会の優位性 》

1.女性は家事管理に秀でた能力を持ち、子育てから家事まで全てのことを行う能力を持つ。
2.女性の方が細やかで思いやりがあり、家をうまく管理できる。
3.女性の方が家財管理の能力が優れていると思われる。
4.男女がその生物界における存在意義と同じ役割をするため、自然な関係が生まれやすい。
5.男女平等の世界が実現する。
6.結納金や結婚式の費用が無くなる。
7.夫婦喧嘩というものも無くなる。
8.夫の浮気という問題も無くなる。
9.男性にとっても居心地の良い世界となる。男性から競争心が無くなる可能性があり、世界が安定する。
10.自給自足に近い生活であるほど、女系社会の優位性が発揮される。
11.嫁姑問題が無くなる。
12.離婚問題も無くなる。
13.子どもの親権問題も無くなる。
14.婚外子というものも無くなる。
15.財産権で揉めることは少なくなるだろう。
16.男性の浮気という問題はほとんど無くなるだろう。
17.親が独りになることは無い(子どもが居ない場合は別)。
18.代々富が蓄積されていくので安定的。
19.男性は自由になり、自分のやりたい事に集中できる

 《 女系社会の欠点 》

1.家督継承権争いが姉妹の間で生じる可能性は残る。
2.大家族制を前提としている。
3.男と女の家が近いことが前提となる。
4.男の浮気を防ぐ必要は無いが、男にも倫理観が必要とされるだろう。
5.男に倫理観が無い場合、性的退廃が生じる可能性がある。

  以上のことは、中国のモソ族の現状からのまとめになっており、実際に世界が女系社会になった場合には、また別の問題が生じるかもしれない。だが、上記したように、利点の方が多いことは確かであろう。これまでの結婚制度が、男性優位な状態で作られたものであることから、女性の優位性が無視されてきた感がある(23.5.28「夫婦の絆と結婚制度」・23.8.18「結婚制度」)。だが腕力の強い弱いはもう問題ではなくなった。技術がそれをカバーしているからであり、腕力が役立つ場面が無くなったからである。そういう意味で、未来世界が女系社会に転換する可能性は大きいと思われる。それは、生物界や哺乳動物に見られる「メスがオスを選択する」という原則にも合致するだろう。

  日本では天皇家が男系であり、2000年を超えて存続してきた極めて稀な事例としてある。未来世界が女系社会になった場合、天皇家もそれに合わせて女系に転換すべきであろうか? ノムは転換は自然に行われていくと考えているため、世界が制度的に女系を選択するとは考えない。そのため、天皇家が男系であることに全く問題は無いと考える。だが現実的にみると、天皇家が男系を維持することが難しくなっている。男子継承者が居なくなった場合に備えて、女系天皇を受け入れる心構えは作っておいた方がいいだろう。2000年以上に及ぶ伝統を絶やすことになるが、天皇家を残す方が余程重要なことであり、男系か女系かは二の次の問題である。時代の流れだと思って女系天皇を受け入れるか、現代生殖技術を取り入れて、人工授精で男系継承者を作るか、或いはクローン技術を用いて男系を維持するか、選択を迫られることになるだろう(22.6.13「天皇制維持のためのクローン技術」)

(5.3起案・5.4起筆・終筆・掲載・5.5追記)


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